ハロプロの象徴的グループであるモーニング娘。のリーダーを、4年4か月もの間務めた高橋さん。モーニング娘。といえば高いパフォーマンス力を武器に活躍しているが、今に至る礎を築いたのは、のちに“プラチナ期”と呼ばれる高橋さんがリーダーの時代だった。
「私がリーダーになった頃は、AKB48さんなどいろんなアイドルが出始めた時期でした。その波に押されるようにテレビとかメディアへの露出が減って、『私たち、大丈夫かな』って。でもライブはやらせてもらえる状況で、そんな中でつんく♂さんから言われたのが、『今こそパフォーマンスのレベルを上げなさい』ということ。メンバーみんながあがいていた時に『これだ』と思える答えだったので、とにかくレッスンを重ねてレベルアップを目指す日々。ダンス経験が浅く、ついてこられない子には『練習してきて』と突き放すのではなく、できるようになるまで一緒にやる。なんか私、暑苦しかったかもしれません(笑)」
その努力があってモーニング娘。のパフォーマンス力は劇的に上がり、“歌とダンスがすごい!”と再注目されるように。そんなプラチナ期のモーニング娘。に憧れて加入した後輩も多いなど、高橋さんたちの世代の功績は大きい。デビューメンバーの結成から今年で25年。さまざまな変化を遂げながらも、どの時代にも“モーニング娘。らしさ”が感じられるのは、共通で受け継がれる意識のようなものがあるからなのだろうか。
「特に決まった何かがあるわけではないんですよね。だから私がリーダーになった時も、突然だったということもあり、どうしたらいいんだろうと戸惑いました。でも、初代リーダーの中澤(裕子)さんから、『グループはリーダーのカラーになっていくものだから、愛ちゃんは愛ちゃんのままでいいんだよ』と言ってもらえたことで、肩の荷が下りて。そうか、決まりはないんだと。ただ、メンバーそれぞれがモーニング娘。としての誇りや責任感を持っていることは間違いなく。“モーニング娘。らしさ”があるとしたら、そういうところなのかなという気もします」
後に続く後輩たちに対しても、あまり先輩の世代を意識することなく、自分たちのカラーを大事にしてほしいと願っている。
「ふくちゃん(モーニング娘。’22のリーダー・譜久村聖さん)には、よく話しているんです。先輩が作ってきたものを大切にしてくれる気持ちは嬉しいけど、もう大丈夫だよって。それよりもモーニング娘。の進化を見たいから。私はもともと、つんく♂さんが作るモーニング娘。の曲のかっこよさが大好きで、私の代でもそこを追求したいと思ったんです。私が卒業したあとも、どんどんかっこよく進化しているし、今が一番かっこいいって思う! そうやってアップデートしていく姿を見るのが楽しくて、だから昔の曲もいいんですけど、今の曲をたくさん聴きたいとリクエストしています」
モーニング娘。のリーダーと並行して、ハロプロのリーダーも務めていた高橋さん。ハロプロメンバーが一堂に会する「ハロー!プロジェクトコンサート」は、グループ同士がいい刺激を与え合えるお祭りのような場だと振り返る。
「いつものライブとはまた違った緊張感ですよね。モーニング娘。はもちろん、Berryz工房も℃-uteも、『負けていられない』というオーラが出ていて、活気がすごかった。ハロコンには、同じ曲を各グループから3人ぐらいのメンバーが代表して歌うコーナーとかもあって、同じ曲なのにそれぞれ違った表現になるのが面白い。そういう感想を、みんなでよく言い合っていましたね。私、みんなのいいところを見つけて本人に言うのが好きなんです。いまだに、一緒に活動したことがない後輩にも、『あそこがすごく良かったです』って、たどたどしくても言っちゃいます(笑)」
モーニング娘。を卒業して約10年。今もOGメンバーと連絡を取り合ったり、後輩たちが出ているコンサートや舞台を観に行ったりと、つながりを持ち続けている。
「辛い時も楽しい時も一緒だった同期の新垣里沙ちゃんと小川麻琴ちゃんと紺野あさ美ちゃんは、唯一無二の存在。今でも仲良くしています。BEYOOOOONDSは、ミュージカルを観に行かせてもらいましたが、みんな生き生きしていて『私の場所よ!』みたいな感じがすごく伝わってきました。このまま突っ走ってほしい!」
また、グループ時代に培った経験は、今の俳優やモデルとしての活動にも生かされているという。
「結局、グループを卒業しても、作品づくりは一人ではなく、みんなでやるものなんですよね。時にはぶつかり合うこともありますが、でもそれがいいモノづくりにつながるということを10年間のグループ活動で学んできているから、怖くない。モーニング娘。にいなかったら、今の私にはなれていなかったと思います」
たかはし・あい 1986年9月14日生まれ、福井県出身。俳優、モデル。2001年、モーニング娘。に加入。’07年からモーニング娘。の、’09年からハロプロのリーダーを務め、’11年に卒業。コスメのプロデュースやオリジナルブランド『fukuu』なども手がける。
ビスチェ¥36,300 スカート¥42,900(共にラロ/ハルミ ショールーム TEL:03・6433・5395) シアートップス¥16,500(アデリー/オフィス サプライズ TEL:03・6228・6477) イヤリング¥6,600(タルパ/ススプレス TEL:03・6821・7739) ブーツ¥13,090(ランダ TEL:06・6451・1248)
※『anan』2022年1月12日号より。写真・大辻隆広(go relax E more) スタイリスト・番場直美 ヘア&メイク・草場妙子 取材、文・保手濱奈美
(by anan編集部)