板垣李光人「10代は一番、危険。まだ調理されていない美しい霜降り肉のよう」

2021.8.3
ジェンダーを超えた存在で注目を集め、活躍の幅を広げる板垣李光人さんと、同学年の写真家・葵さんが共鳴する瞬間。
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2歳からモデル活動を始め、小学校高学年には俳優の道を歩み始めていた板垣李光人さん。

「小中学生の頃は、自分の知らない役を演じるのが楽しいという感覚でした。意識が変わったのは、映画『約束のネバーランド』あたりからです。役作りで一番大事なことは、役と板垣李光人という人間が信頼し合えているかどうか。役としての感情がありながら、板垣李光人としては立ち位置や段取りを考えながら演じなければならないので、ちゃんと互いが寄りかかれる態勢を作るようにしています。今は、役が85%、板垣李光人が15%くらいの感覚でやっていますね。芝居は、体力、メンタルの強さ、瞬発力が必要で、スポーツみたいです」

今年放送されたドラマ『ここは今から倫理です。』では、愛着障害を持つ難しい高校生を好演。感情表現の巧みさで鮮烈な印象を残した。

「すごく大変な役でした。でも、芝居は難しくて大変だから楽しいと改めて感じました。今は、作品を見た方がSNSとかで気軽に感想を送れるじゃないですか。みなさんから届く声に触れると、作品と人とを仲介できる立場にいられることも面白いなって。僕を介して出合った作品によって、誰かの人生を豊かにできているのなら、こんなに嬉しいことはないですね」

今年は、情報番組『ZIP!』の金曜パーソナリティを務め、大河ドラマ『青天を衝け』にも出演。急速に知名度が上がっている実感は?

「まだまだ未熟ですが、知名度が縦軸として、そこがある程度までいったら、横軸の時間の長さを大事にしたい。できるだけ長く俳優を続けていきたいんです。いずれは、芝居での“圧”を上手くコントロールできる人になりたい」

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ファッションセンスも抜群で、美容への関心も高い。そんな板垣さんが思う“美”とは。

「自己中心的であるべきもの。誰にでも当てはまる『これが“美”』というサンプルはひとつもないし、あってはいけないものだとも思います。個人による美醜の判断は、あくまで自分の中だけのもので、それを第三者に当てはめることはできないんじゃないかなって」

ファッションだけでなく、イラストなど自己表現の幅が広いが、アイデアの源はどうインプットしているのだろう。

「特にインプットしようと意識してやっていることはなくて、音楽、空の色、匂い…生きているうちに見て、感じるものすべてが、僕にとってはインプットに含まれているんだと思います。小説は江戸川乱歩や夢野久作の作品が好き。今じゃ使わない言葉が多いのが逆に新鮮で飽きないんです。何も考えず、ソファでゴロゴロしながらひたすら配信を見ることもありますよ。最近は『ル・ポールのドラァグ・レース』をよく見ています」

高い美意識、自分を客観視できる冷静さ、深い思考力…。そのどれもが、とても19歳とは思えないレベルに達しているが、板垣さん自身は“若さ”についてどう捉えているのだろう。

「10代は一番、危険。澄んだ、無垢の生々しさが危なっかしい年代で、まだ調理されていない美しい霜降り肉のようだなって」

来年1月には、「危険な」10代から20代へ。20歳の記念に欲しいものを尋ねると、ファッションラバーらしい答えが返ってきた。

「僕はGUCCIのクリエイティブディレクターのアレッサンドロ・ミケーレが好きで、GUCCIとBALENCIAGAのコラボのコレクションが、誕生日の頃にショップに並ぶはず。そのアイテムにしようかな。20歳の誕生日とか関係なく、何かにかこつけて、すぐに買っちゃうかも(笑)」

RIHITO ITAGAKI 2002年1月28日生まれ。’13年、俳優デビュー。『仮面ライダージオウ』で注目される。24時間テレビドラマスペシャル『生徒が人生をやり直せる学校』が8月21日放送予定。
パンツ¥17,600(ワーダー https://warder.jp) その他はスタイリスト私物

AOI 2001年10月1日生まれ、埼玉県出身。写真家。高1の時にフィルムカメラに興味を持ち、数千円の中古で撮り始める。’19年、三ツ矢サイダーのキャンペーンに抜擢。9月7日より、京都で個展「drop」を開催。

※『anan』2021年8月4日号より。写真・葵 スタイリスト・稲垣友斗(TRON) ヘア&メイク・KATO(TRON) 取材、文・小泉咲子

(by anan編集部)

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