白石聖、『胸きみ』王道ヒロイン役に「私が演じていいんですか?」

2021.6.11
初めて彼女を見た時、その神々しいほどの美しさに思わず息を呑んだ人も多いはず。一方で、ドラマ『絶対正義』や『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』では癖の強い難役を堂々演じ切るなど、確かな実力までをも兼ね備え、出演作が途切れることなく続いている白石聖さん。封切られたばかりの最新作『胸が鳴るのは君のせい』では、意外にも王道少女コミックのヒロインに初挑戦しています。
shiraishi sei

――王道ヒロイン、篠原つかさ役を演じてみていかがでしたか?

私、高校生の頃から原作が好きで、このお話をいただく前から読んでいたので、“つかさのようにまっすぐで天真爛漫なキャラクターを私が演じていいんですか?”という気持ちでした。

――白石さんの外見から受けるイメージ的には、正統派ヒロインはものすごくハマると思うのですが、以前取材させていただいた時も、「自分は癒し系とか、正統派ヒロインのようなキャラクターではない」とおっしゃっていましたよね。

そうですね。私はつかさのように感情を表に出すようなタイプではないし、気持ちを悟られるのが恥ずかしくてクールぶっちゃうところもあります。率先して委員を引き受けたりもしないですし…。それに私だったら、一度フラれたら、しゅんってなっちゃう(笑)。つかさみたいに、フラれても諦めないみたいにはなれないですね。

――1度目の告白は自分からいけるタイプですか?

いや、1回目すらいけないタイプです(笑)。だからつかさは本当にすごいなと思いました。

――初めて取材させていただいた時も、年齢に似つかわしくないほど落ち着いた大人の雰囲気を纏っていらして、正直とても驚きました。初対面の方にギャップがあると言われることも多いのでは?

あはははは! 確かにそうですね(笑)。私としてはこの感じがニュートラルなんですけど、結構どの現場でも、「緊張してるの?」「人見知り?」と言われることは多いです。私の中では人と壁を作っているわけでないんですけど、イメージと違いすぎてそういうふうに映ってしまってるのかなって。

shiraishi sei

――もともと声優志望で俳優業には興味がなかったとおっしゃっていましたが、その演技力はどのようにして培われたのでしょう?

いえいえ、本当に、全然、そんなことないんです。私、本当に自分の映像を見返すのが苦手で。

――後悔が生まれるということ?

そうです。もうちょっとこうしてればよかった、ああしてればよかったと思ってずっとモヤモヤしちゃうから、放送を見るのがすごく怖くて。演じている時はそれなりにできているつもりでも、実際に映像を見てみると全然だったってこともよくありますし。

――というと?

顔が迷っているんですよね。例えば『絶対正義』で演じた範子や律子は難役ではあったんですけど、二人がああいうふうになってしまったのには理由があって、納得もできていたので、とにかくがむしゃらにできていたんですけど、全部の役がそうとは限らないんです。あまりそのキャラクターに共感できなかったり、どうしてそういう人間になってしまったのかみたいな背景が台本にも書かれていない場合は、とにかく自分で考えるしかなくて。きっと過去にこういうことがあったんだろうなと想像して演じてみても、その意図が汲み取りきれなかったり、私の中でひっかかるセリフがある時は、あとで映像を見返すとやっぱり顔が迷っているんです。客観的に見ていても、そう感じることがたまにあったりして。だから「台本にこう書いてあるから」っていうのは通用しないなって。そういう役を演じる時は、やっぱり迷っちゃいますよね。

しらいし・せい 1998年8月10日生まれ、神奈川県出身。2016年に俳優デビュー。ドラマ『I”s』では約700名の中からヒロインに大抜擢。’19年には美少女タレントの登竜門といわれる『ゼクシィ』の12代目CMガールに選ばれ、一躍注目を集める。主演ドラマ『ガールガンレディ』はMBS・TBS系列で深夜に放送中。

映画『胸が鳴るのは君のせい』 累計発行部数250万部突破の大人気コミック『胸が鳴るのは君のせい』を実写化。転校生の有馬隼人(浮所飛貴)と親友のように仲良くなった篠原つかさ(白石聖)は、友達にはやしたてられ、思い切って告白。が、きっぱりフラれてしまう。それでも諦めきれず奮闘するつかさに、有馬も徐々に心を動かされていく…。現在公開中。

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※『anan』2021年6月16日号より。写真・来家祐介(aosora) スタイリスト・北川沙耶香 ヘア&メイク・鷲塚明寿美 インタビュー、文・菅野綾子

(by anan編集部)