岡田健史がドラマ『桜の塔』の現場を語る 「みんな癒されています」
「初めて台本を読んだ時に感じたのは派閥争いはどこにでもあるんだろうなということ。警察官といえど同じ人間。根っから正義感に溢れた人ばかりではないよなと思いました」
腹に一物を抱え、野望の階段を駆け上がろうとするキャラクターが多い中、富樫は警察大学校でトップの成績を誇ったキャリア組にもかかわらず、捜査一課を希望した変わり者。
「自分の信念を貫こうとする富樫の想いには、すごく共感できる部分がありました。でも僕自身は、そういうことをすごく重たく考えがちというか、どこか質量が重たく見えてしまうようなところがあるんですけど、富樫はすごくあっけらかんとしていて、アウトプットの仕方は全然違うタイプ。そんな富樫の軽妙さがこれから物語が進むうちになくなっていくのか、それとも磨きがかかっていくのかが、今後の展開の気になるところではあります」
一方で富樫は、広末涼子さん演じる捜査一課の上司・水樹爽に想いを寄せる役どころでもある。
「作品の中で“純粋な恋心”は唯一の僕のパートなので、爽に対する想いは一つの課題として、切なく見せるのか、淡く見せるのか、ちゃんと考えて演じていかないとなと思っています。でも、今まで途中で恋心が芽生える役がほとんどだったので、こんなふうに最初から誰かを想っている設定というのがすごく新鮮。本筋は人間のドロドロや怖い部分を描いている作品だからこそ、富樫はほっとする休憩所のような存在になれればいいなと思っています」
緊迫感が漂うドラマの内容とは正反対に、撮影現場もまた「ほっとできる空間」なのだそう。
「ムードメーカーは広末さん。なんでそんなに元気なんだろうと思うくらいエネルギーに満ちたパワフルな方。いろいろな想いに溢れていて、それをみんなに共有しようとしてくださるんです。でも一回、長い説明セリフの本番を前に僕が集中してる時も、『これさ…』って話しかけられてセリフが飛びそうになりました。ギリ保てましたけど(笑)。ってこれ、苦情になってます? 違いますよ!(笑) 本当に広末さんのおかげで現場の雰囲気がすごく柔らかくなっていますし、みんな癒されています」
『桜の塔』 幼少期のある出来事を機に、権力を渇望するようになった警視庁捜査共助課の理事官・上條漣(玉木)は、どんな汚い仕事もためらいなく遂行し、野望の階段を駆け上がっていく…。出演/玉木宏、広末涼子、岡田健史ほか。テレビ朝日系にて毎週木曜21時~放送中。
おかだ・けんし 1999年5月12日生まれ、福岡県出身。NHK大河ドラマ『青天を衝け』(総合・毎週日曜20:00~)に尾高平九郎役で出演中。
シャツ¥132,000 パンツ¥49,500(共にスタジオ ニコルソン/キーロ TEL:03・3710・9696) シューズ¥72,600(パラブーツ/パラブーツ青山店 TEL:03・5766・6688)
※『anan』2021年5月19日号より。写真・小笠原真紀 スタイリスト・藤長祥平 ヘア&メイク・宮本盛満 インタビュー、文・菅野綾子
(by anan編集部)