お風呂で温まるはずが…湯温42°C以上は“実は冷える”って本当?

2020.12.2
体温のメカニズムを知って温活を! ここでは“入浴”の際に気をつけたい、冷えリスクを抑えるアクションについてお届けします。

入浴:カラダの芯=内臓からじんわり温まる、が鍵に。

「寒い日は熱めのお風呂に浸かりたくなりますが、42°C以上のお湯に浸かることはできるだけ避けましょう。なぜなら高温のお湯に対して、皮膚が危険だと判断し、皮膚表面や末端の血管を収縮させてしまいます。すると、カラダの表面しか温まらず、すぐに湯冷めしてしまうことに。内臓まで全身をじんわり温められるチャンスはお風呂だけです。ぬるめのお湯に15~20分ほど浸かって温まれば、緩やかに体温が上がり、湯上がりもぽかぽかが長続きします」(医師・渡邉賀子先生)

適温にゆっくり浸かれば、末梢血管が開き、血液が温められ、お風呂上がりの放熱もスムーズに。就寝時までに体温が緩やかに下がっていくため、結果的に質の良い眠りにも繋がるはず。

bathing

[入浴前]熱を守るためには…

入浴前に、白湯を飲む。

お風呂に浸かる前に、白湯など温かいドリンクを飲んで、内側から内臓をしっかり温めること。そうすれば、じんわりコアの温度が上昇し、急激な体温上昇を抑えることができる。

脱衣所や部屋を暖かくしておく。

お風呂から出入りする時に脱衣所や部屋との間に急激な温度変化があると冷えを感知、耐寒反応のきっかけになる恐れが。暖房などを活用して、一定にキープしておこう。

湯船の温度は38~40°Cを目安に。

皮膚がリラックスして温まることができるのは、コア体温よりやや高めの38~40°C。ゆったり浸かれば、酸素と栄養素を含んだ血液が隅々まで行き届き、新陳代謝もアップ。

リラックスがぽかぽかの近道。

心身がリラックスできると、副交感神経が優位になり、末梢血管が開きやすくなる。そのためにアロマオイルを入れたり、音楽をかけたり、深い癒しが得られる空間作りも吉。

[入浴後]熱を守るためには…

お風呂から出る時は、しっかりと水分を拭き取る。

きちんと水分を拭かない人も多いけど、実は水分が少しでも残っていると、蒸発時に熱を奪い、冷えの原因に。髪の毛を乾かすことはもちろん、足の指の間まで丁寧に拭き取ろう。

焦ってフルで着込まない。

カラダがよく温まった状態で、冷えるのを恐れて、一気にフル装備で着込みすぎると、逆に汗冷えの恐れが。暑さを感じない程度に段階的に服を着ていけば、体温下降も緩やかに。

靴下は、布団に入るまで履いておく。

カラダは末端から冷えていくので、冷えやすい足元は、できればお風呂上がりに一番注意が必要なパーツ。靴下やルームシューズなどを履いて、就寝まで保温を心がけて。

漢方専門医・渡邉賀子先生 帯山中央病院理事長、麻布ミューズクリニック名誉院長。1997年、北里研究所に日本初の「冷え症外来」を開設。冷え関連の著書多数。

※『anan』2020年12月9日号より。イラスト・石山さやか 取材、文・鈴木恵美

(by anan編集部)