気取りがなくてチャーミング。同性からの支持も厚い吉高さん。最新主演映画『きみの瞳が問いかけている』で演じた明香里は、ご本人を思わせる明るさと優しさに溢れた女性。ただ、明確に違うのは目が見えないこと。
「撮影前に、盲目の方からメイクの仕方や見えないことで感じる怖さなど、いろいろ伺えました。私は目隠しをして、一緒に料理もさせてもらったんですが、“手探り”といいますが、見えないと手で探ることしかできず、指先の感覚が研ぎ澄まされたように感じました。今回、目の見えない方々と直接お話しすることができたことは、この作品に参加してよかったと思うことのひとつです。みなさん、すごくパワフルなんです。内面から出てくる生命力の強さに驚かされましたし、励まされもして。素敵な出会いの機会をいただけました」
事前に勉強してはいても、実際に演じるのはたやすいことではなかった。
「相手役の方と目を合わせないでお芝居したのは初めてで、間合いが本当に難しかったです。今、相手の方がどんな目をしているのか、見たくなる衝動も必死に我慢してましたね。演じる時に意識したのは、音の鳴る方向に目線ではなく、首から動かすこと。目が見えないと、髪がかかっていても気にならないそうで、髪を触る仕草もしないようにしました」
明香里が惹かれる男性を演じたのは、横浜流星さん。共演するまでは、大人びたイメージだったそう。
「会うとあどけなくて、ピュア! 夜の街が似合わないし、東京のお店とか何も知らなそうというか(笑)。横浜さんとは『敬語はなしね』って決めたんです。時々、出てましたけど、自然にコミュニケーションがとれました。写真もたくさん撮って、パンダやネズミに加工して遊んだり。フォルダに何十枚と残ってます(笑)」
本格的な恋愛作品は、映画『僕等がいた』以来、実に8年ぶり。
「ストレートな恋愛作品は、照れますね。私のニーズじゃなさそうな気もして(笑)。今回は、コテコテの甘い台詞がなかったので、違和感なくやれました。この作品を観た方には、『観終わって、最初に思い浮かべた人が、キミの大切な人』って伝えたいですね。私自身は、感想を聞かれると、やっぱり照れくささが大きくて。エモーショナルなラブストーリーについて自分で語るのは相当恥ずかしい! みなさんもやってみたらわかると思います(笑)」
実践している“カラダにいい”ことを尋ねると、「超夜型で、運動は寝返りくらい」。テーマに合わないと心配そう。
「以前、海外旅行先で食べすぎて、作っていただいた衣装が入らなくなったこともありましたね。あの時は、100%自分が悪かったので、元に戻すのに必死で、1週間水だけで過ごすという極端な方法をとっちゃって…。とにかく食べることが好きなんです。自炊もしてますけど、食べたいものを作るだけ。昨日は、すごく辛いよだれ鶏を作ったので、そろそろお腹がキリキリしてきそう(笑)」
それでも、水を1日2L飲んだり、お風呂にゆっくり浸かったり、カラダにいいことも取り入れている。
「出たり入ったりを繰り返しながら、お風呂には最長2時間入ったこともあります。湯船に浸かりながら本を読んだり、テレビを見たり。ドラマを全録していて、1話は必ず見るようにしてます。台詞を覚えることもありますね。『覚えるまで出ない』ルールでやると、早く覚えられるんです。ギリギリまで追い込まれないとやらないタイプですね。子供の頃から、夏休みの宿題は最後の2日間で終わらせてました!」
よしたか・ゆりこ 1988年7月22日生まれ。東京都出身。2006年、デビュー。東野圭吾原作のドラマ『危険なビーナス』(TBS系)に出演中。『きみの瞳が問いかけている』は、10/23よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開。
ブラウス¥39,000 ドレス¥64,000 イヤリング¥18,000 シューズ¥56,000(以上TOGA PULLA/TOGA 原宿店 TEL:03・6419・8136)
※『anan』2020年10月28日号より。写真・酒井貴生(aosora) スタイリスト・藤本大輔(tas) ヘア&メイク・RYO 取材、文・小泉咲子
(by anan編集部)