「ツボ押しは体の凝りや疲れだけではなく、怒りやイライラ、嫌悪感などといった負の感情を解消したいときも大いに役立ちます」と、鍼灸師の柳本真弓さん。
また心が弱っているときに感じやすい、寂しい、悲しいなどといった後ろ向きの感情を振り払いたいときにも効果大だという。
「東洋医学では体と心は表裏一体。ネガティブな気持ちが起こりやすくなるのは、体の中を巡るエネルギーが乱れていることも原因の一つと考えています。そのエネルギーの滞りに、ツボを介し刺激を与えていくのがツボ押し。流れが改善されスムーズになるため、心も体もスッキリ、ラクになります」
今回は仕事の合間にも刺激しやすい10の特効ツボを紹介。
「押す以外に、もむ、さする、叩く、手のひらを置いて温めるのも効果的です。回数もこだわらず、自分が気持ちいいと感じる方法と強さで刺激してください」
1プッシュで心が整う部位別ツボMAP
巨闕(こけつ)
ストレス症状があらわれやすいツボ。イライラしすぎて胃が痛い、眠れないときにもおすすめ。みぞおちの少し下あたり。押すか、手のひらを当てて下に向かってさする。
だん中(ちゅう)
落ち込んだとき、寂しいとき、悲しいときは、胸の中心にあるこのツボを刺激。左右の乳頭の真ん中。手のひらでそっと温めると、元気なエネルギーを補うことができる。
屋翳(おくえい)
怒り、落ち込み、嫌悪感など、ネガティブな感情全般を解消したいとき、真っ先に刺激したいツボ。鎖骨と乳頭を結ぶ線の真ん中にあり、指3本で回しながら押す。
げき門(もん)
緊張や不安などから胸苦しさを感じているときにおすすめ。両腕の内側の肘と手首の真ん中より少し手首側。押すと硬いところをもみほぐすか、指先に向かってなでる。
少衝少沢(しょうしょうしょうたく)
イライラ、落ち込み、悩みすぎて眠れないときなどにセットで刺激を。少衝は左右の小指の爪の端の内側、少沢は外側。指で挟んでやや強めの力でもむか、爪で押す。
合谷(ごうこく)
焦る、緊張すると体がこわばりがち。上半身に気を巡らせる合谷で、かたくなった心と体をケア。左右の親指と人差し指の骨のぶつかるところ。親指で回しながらもむ。
風市(ふうし)
ムカついたときや、強いストレスから頭痛がするときも◎。両脚太ももの外側、“気をつけ”の姿勢をとったときに中指の先端が当たるところ。押すか、パンパン叩く。
太衝(たいしょう)
イライラして怒りっぽくなっているとき、気分が塞ぐときに。両足の親指と人差し指の骨がぶつかるところ。押す以外に、外出先ならつま先をギュッと折って刺激しても。
中衝(ちゅうしょう)
怒りでカッときたり、何か言われてカチンときたときに即押したいレスキューツボ。左右の中指の先端。頭に上った熱を逃がすように、指先でやや強めにもみほぐす。
内関(ないかん)
言いたいことを言えないなど、気持ちがモヤモヤしているときに。胃腸と関わりのあるツボで、胃や胸がスッキリする効果も。両手首から指3本分下。優しく押しもむ。
柳本(やなもと)真弓さん 目白鍼灸院院長。中医学理論に基づいた鍼灸とリンパドレナージに精通し、健康や美容に効くツボを紹介。『心が弱ったときのツボストレッチ。』など監修本や著書多数。
※『anan』2020年9月9日号より。イラスト・山中玲奈 取材、文・小沢緑子
(by anan編集部)