モヤモヤが明確な形に。書き出してスッキリ!
スマホのLINEアプリで自分ひとりだけのグループを作り、つぶやきを書き込みながら思考を整理していく「ひとりLINE」。
「この方法のいいところは、誰に見せる必要もないので、そのときの考えごとや気持ちを何でもつぶやけること。いいことも悪いこともすべてを書き出すと頭の中がスッキリして、モヤモヤしていたものが一つの明確な形になってきます」と、発案者で女性起業支援コーチを行う原麻衣子さん。
グループを作る際は、最初は〈デイリー〉から始めよう。
「一日の予定や流れをざっくりと確認し把握する、日常使いのグループです。タスク管理から、メモ帳や日記代わりにと、何でも自由に書き込みます」
仕事はデイリーとは別グループにするのもおすすめ。「仕事は、プロジェクトごとに分けるのもいいと思います」
実際の例と書き込み方のポイントを紹介するので参考にして。まずは、Let’s try!
ひとりだけのLINEグループを作る設定方法
STEP1:LINEアプリを開き、〈ホーム〉画面の右上にある〈友だち追加〉ボタンをタップ。
STEP2:〈友だち追加〉画面から〈グループ作成〉ボタンをタップ。
STEP3:友だちを選択せず、右上の〈次へ〉をタップ。
STEP4:グループ名を入力して、右上の〈作成〉ボタンをタップ。
STEP5:左下の〈トーク〉ボタンをタップして、ひとりLINEグループをスタート。
まず、〈デイリー〉〈仕事〉グループを作って実践してみよう!
つぶやきのポイント
1.日付を書く、あるいは日付スタンプを押す。
LINEグループはトーク画面の切り替えがないので、日にちの区切りをわかりやすくするために、まずは日付を書く。大きく目立つ日付スタンプもOK。
2.今の気持ちをつぶやく。
今の気持ちや天気や体調、楽しみなこと、逆にぼやきやグチなど、頭に浮かんでいることを何でも書き出す。
3.理想のゴールを決める。
「何となく一日が終わってしまった……」にならないように、「今日はどんな気持ちで終わりたい?」と一日のゴール設定をする。「今日はバリバリ仕事を終わらせて充実気分に」「○○君のドラマを見て幸せ気分で眠りたい!」など何でもいい。言葉が出てこないときは自分の気持ちに近いスタンプを選んで。セリフ付きのスタンプもOK。
4.今日やりたいタスク(やりたいこと)を書き出す。
仕事、家事、雑務に関係なく、やりたいこと、楽勝でできることなど、思いつくものをどんどん書き出す。ほかのつぶやきと見分けがつくように、タスクのつぶやきの冒頭にはアイコンとして絵文字をつける。また、一日を「午前中まで」「午後○時の会議まで」「夜○時まで」「寝るまで」と分割すると優先順位をつけやすい。
5.タスクの進め方や流れを作戦会議する。
タスク(やるべきこと)を書き出したら、進め方や流れの優先順位を作戦会議する。話し言葉のままでいい。「やっぱり順番が違うな」「その前に○○じゃない?」と思ったらそれもありのままにつぶやく。何度変更してもOK。この作戦会議が進むと家事ひとつでもサクサクはかどる。
脳内作戦会議で解決策も明確に!
「ひとりLINEの良さは思いついたらすぐ書き出して、脳内で作戦会議ができること。思考整理がサクサク進むだけでなく閃きも得られるので、迷いが吹っ切れるだけでなく、解決策も明確になりやすいです」と、原さん。
その作戦会議で解決策が見えてきたら、「いつやる?」と投げかけると行動に移すきっかけに。
「最初は妄想だったつぶやきが、ひとりLINEを通して夢や目標へと変わり、現実のものとして叶う確率が高くなります」
上手に思考整理&行動するための心得もまとめたので参考に。
つぶやきの心得
- グループ名は、仕事の場合、プロジェクト名がわかるように。
- アイコンは仕事の場合、わかりやすく仕事道具に。
- 自分へのツッコミもOK!
- 言葉が出てこなくて難しく感じたらLINEスタンプの力を借りる。
- 自分を励ましたり、ほめるスタンプは必ず入れる。
- 一日を「午前中まで」「午後○時まで」などと分割すると優先順位がつけやすい。
- ほかのつぶやきと見分けがつくようにタスクのつぶやきの冒頭にアイコンとして絵文字をつける。
- 背景にもこだわって。仕事の場合、スイッチが入る憧れの女性。
- 気になった写真や動画、URLも保存。
ひとりLINEでサクサク思考整理&行動するための心得
とにかく何でも思いつくまま書き出す。
まずは頭の中にあるつぶやきをスッキリと外に出そう。「『今日は体調がイマイチ』『また雨だー』など、日常的なつぶやきも脳内メモリに空きを作る意味で書き出します。頭の中の情報量が少なくなった分、素早く思考を整理することができるようになります」(原さん)
1マスは短く、文章も短く。接続語もはしょらない。
1マスに書き出すつぶやきはテンポよく短く、がコツ。「きれいにまとめようとするのではなく、頭の中でつぶやいた話し言葉をポンポン書き出します」。「あ!」という感嘆詞や「そういえば」「でもなぁ」という接続語も閃きのヒントとなることもあるのではしょらない。
脱線、ツッコミ、堂々巡り、息切れして途中で終了もOK。
「ひとりLINEは『話し手の自分』と『聞き手の自分』が会話をする感覚なので、話が脱線したり、ツッコミを入れたり、堂々巡りもOK。また途中で終了しても構いません」。つぶやきによって頭の中が“見える化”されるため、自分の思考グセに気づくこともできる。
スタンプで自分をほめたり、励まして気持ちを後押し。
「ついつい自分に厳しくしてしまう人はつぶやきも詰問調になりがち。気分が盛り上がらないとひとりLINEは長続きしないので、自分をほめたり励ます言葉は必ず使って」。ほめ言葉入りのスタンプを使うのも◎。「自分を応援する良きサポーターになってくれます」
見るだけでワクワク、気分が上がる〈グループ名〉〈アイコン〉〈背景〉に設定。
「〈グループ名〉〈アイコン〉〈背景〉にこだわると、ますますひとりLINEが楽しくなります。たとえば仕事ならグループ名は『世界で活躍する私』など、気分が上がるものにカスタマイズを」
気になった写真や動画を保存、お気に入りサイトのURLも貼り付けてOK。
ひとりLINEにはデジタルならではの良さも。「写真や動画を送って保存できたり、気になったサイトのURLも貼り付けられるので、後から見直すときの資料となってくれるので便利です」
誰にも見られないから“裏アカグループ”もOK!
グチや不安なども全部書き出していい。「ネガティブな感情はあるのが当然で、プチモヤのうちに吐き出して解消したほうが思考もスッキリ、気持ちもラクになります」。いっそ裏アカ的なグチ専用グループを作って、そこに思いっ切りブラックな本音をつぶやくのもアリ!
原 麻衣子さん メイクステージ代表取締役社長。アドラー心理学を元にしたコーチングを学び、起業。女性起業支援コーチを行う。著書に『“ひとりLINE”で夢は次から次へと叶いだす』など。
※『anan』2020年9月9日号より。イラスト・山中玲奈 取材、文・小沢緑子
(by anan編集部)