「コロナ疲れ」で睡眠の質がダウン…快眠への道は?

2020.9.5
カリスマ睡眠コンサルタント・友野なおさんが徹底解説。眠りの問題点を解消して、疲れを取りきるベッドタイムを実現。

見直すべきは…「コロナ疲れ」問題

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メンタルの状態を整えることが、快眠に繋がる。
新型コロナの流行で、漠然とした不安を抱いたり、ストレスを感じたり…。「その不安やストレスを、会食などで解消するのも難しく、不眠に悩む方が増えています。手芸や塗り絵など、無条件にストレスから心理的な距離を取れる習慣を定着させることが、今まで以上に重要です。また、ストレスによって悪夢を見やすくなるといわれてますが、見ること自体は一概に悪くありません。ストレスをかける映像を見た後、悪夢を見た人と見なかった人のストレスチェックをすると、前者のほうが、ストレス度が低かったという報告があるのです。睡眠中に脳で、ネガティブな記憶や感情が整理できているとも考えられます」

POINT

  • メンタルの状態と睡眠の質には相関関係がある。
  • ただし、悪夢はネガティブ要素ではない可能性も。

見直すべきは…「秋の夜長」問題

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朝日で覚醒スイッチを入れて、“睡眠の秋”を満喫!
適度な気温と湿度の秋は、睡眠にとってもベストシーズン。しかし、日照時間の変化に対応できないと、睡眠の質も上がらない。「日照時間の長い夏のリズムを引きずってしまうと、秋でも快適に眠れません。より意識的に睡眠時間を確保しましょう。睡眠のリズムを整えるには、朝日を浴びること。起きてすぐ15秒間、目に太陽の光を入れると、14~16時間後に眠くなるスイッチが入ります。浴びるのはベランダでも構いませんし、雨や曇りの日でも十分に光量はあります。また、本格的な秋までは気温の変化が激しいので、寝る前に翌日の気温をチェックしておき、涼しそうなら冷房はタイマーに切り替えましょう」

POINT

  • 日照時間の変化には、朝イチで日光を浴びて対応。
  • 天気に関係なく家から出なくてもベランダでOK!

見直すべきは…「目や脳の疲れ」問題

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寝る前にデジタルデバイスを見ることは、睡眠へのメリット0。
生活に欠かせないパソコンやタブレット、そしてスマホ。自宅での滞在時間が増え、仕事以外でもそれらのデバイスで動画を見たり、ゲームをしたりする時間が増えた人も多いのでは。「デジタル機器の画面を見続けると、目に大きな負担がかかります。寝る前にホットタオルなどで温め、目の周りの筋肉をほぐすと寝つきがよくなりますよ」。さらにブルーライトを浴びると、脳が朝だと勘違いして覚醒してしまい、なかなか眠れなくなってしまう。「ブルーライトの弊害以外にも、様々な情報が入ってくると交感神経が優位になり、脳が活性化してしまいます。寝る前にデジタルデバイスを見ることはご法度です」

POINT

  • 液晶の光で脳が覚醒してしまうと睡眠の質が低下。
  • 寝る数時間前にはスマホなどは手放して。

見直すべきは…「寝汗」問題

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寝汗の分、しっかり水分補給しないと、時に命の危険が!
寝汗による髪の毛や肌のベタつきは、夏に引き続き悩みの種。「就寝中にコップ1杯程度の汗をかくこと自体は生理現象。なのに『汗をかくのがイヤ』『トイレに起きたくない』と、水分補給を控えてしまうのは問題! 水分をしっかり摂らないと、血液の流れが滞り、血栓の原因になりかねません。喉が渇いて途中で起きる方は、枕元に水分を用意して。ペットボトルのキャップにストローをつけられるアイテムを使うと、暗い中でもこぼす心配がありませんよ。また、寝具は大量の汗を吸っています。カビやダニの温床にならないよう、シーツはこまめに洗濯し、マットレスも月1回は日光に当て、清潔に保ちましょう」

POINT

  • 寝汗をかくことは必要。その分、水分はしっかり摂って。
  • ただし、シーツやマットレスの衛生環境はケアすべし。

友野なおさん 睡眠コンサルタント。日本睡眠学会、日本睡眠環境学会正会員。著書に『眠れないあなたを救う 睡眠ファースト』(主婦の友社)など。

※『anan』2020年9月9日号より。写真・中島慶子 イラスト・小迎裕美子 取材、文・小泉咲子

(by anan編集部)