コロナでセックス事情に変化! 実は“草食化”傾向は弱まっている?

2020.8.9
世代や時代背景によって大きく変わるセックス観。20代、30代、40代の女性計300人と男性100人のアンケート結果を専門家が分析。リアルボイスから浮き彫りになる、イマドキのセックス事情とは?

コロナ前と後で、セックス観が急変!?

世界中に多大な影響を与えた新型コロナウイルスによって、これまでの日常や常識が一変。“新しい生活様式”によって「日本人のセックス観も変わっていくでしょう」と話すのは、臨床心理士の塚越友子さん。「いまは自分にとって本当に大切な人を見極める時期。身近な人間関係と真剣に向き合うことで個人のセックスの捉え方も変わってきそう」と話す。

また、作家のLiLyさんからは「コンドームが女性を解放的にし、コロナがキスをロマンティックにした」という名言が。塚越さんと同じく、一度立ち止まって自分の生き方を見つめ直す人が増え、その結果セックスの考え方や関わり方の多様化が進む、と推測する。ここ数年は若年層の“草食化”が取りざたされがちだが、今回のアンケート結果から「その傾向は希薄」という共通意見も。“リアルな声”をもとに、2020年のセックスを読み解いてみよう。

Q. セックスは好きですか?

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A. 20代:好き…46%、どちらかというと好き…22%、どちらでもない…15%、どちらかというと好きではない…3%、好きではない…14%

30代:好き…25%、どちらかというと好き…18%、どちらでもない…26%、どちらかというと好きではない…22%、好きではない…9%

40代:好き…27%、どちらかというと好き…18%、どちらでもない…32%、どちらかというと好きではない…9%、好きではない…14%

ライフステージによって変遷するセックス観。

好きと回答した割合が最も多いのは、20代という結果に。“草食化”のイメージが強いだけに、やや意外な気もするが…。「統計学的にも20代の割合が多いと明らかになったのは、ライフステージの観点からも自然な結果だと思います。いまの30代は女性も働き盛りで子育てと仕事を両立する多忙な人が多く、セックスのプライオリティが高まりにくい。心もカラダも成熟した40代に性の悦びを再認識できたら素敵ですね」(塚越さん)

Q. セックスする頻度を教えてください。

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A. 20代:ほぼ毎日…2%、週に2~3回…11%、週に1回…26%、月に2~3回…11%、月に1回…10%、半年に数回…11%、半年に1回以下…7%、それ以下…22%

30代:ほぼ毎日…2%、週に2~3回…7%、週に1回…12%、月に2~3回…11%、月に1回…15%、半年に数回…7%、半年に1回以下…7%、それ以下…39%

40代:ほぼ毎日…2%、週に2~3回…4%、週に1回…6%、月に2~3回…8%、月に1回…12%、半年に数回…8%、半年に1回以下…3%、それ以下…57%

セックスは半年に1回以下の40代が多数。

女性が性の悦びを真に感じられるのは40代からという説もあるが…。「それは全くの神話で、世代差ではなく個人差です。セックスレスで悩んでいる40代の方からの相談もよくいただきますが、愛情はセックスの回数で測るものではないし、挿入がすべてではないので必要以上に悲観しないでくださいとお伝えします」(塚越さん)。「いまの40代は心もカラダも若いしパワフル。そこに性のピークを持っていけるといいのでは」(LiLyさん)

Q. 定期的にセックスする相手は何人いますか?

A. 0人…36%、1人…57%、2~4人…4%、5~9人…1%、10人以上…2%

リアルの価値が高まりロマンティシズムへ原点回帰。

セックスに対してオープンな日本人女性も増えるなか、定期的にセックスする相手は0~1人が圧倒的多数。「とても健全な結果。不特定多数と関係を持つより信頼できるひとりの人と回数を重ねたほうがセックスの充足感を得やすくなります」(塚越さん)。欧米ではマッチングアプリも活況だが、今後は日本での普及率も高まる? 「一定のニーズはありそうです。一方オフラインの心の通じ合いを求める人も増えると思います」(LiLyさん)

つかこし・ともこ 臨床心理士、公認心理師として様々なメディアに出演。水希のペンネームで執筆活動も行う。得意なジャンルは親密な人間関係の悩みについてなど。

リリィ 作家。赤裸々な恋愛とセックスの描写が女性の支持を得る。最新作『オトナの保健室~30代後半戦、こころとカラダ、あと運命』(宝島社)が8月12日発売!

※『anan』2020年8月12日-19日合併号より。取材、文・小寺慶子

(by anan編集部)