胃痛も便秘のせい? 腸内環境の乱れを5項目でチェック!

2020.7.16
女性の美と健康を司る、腸内環境。まずは体の内側にアプローチして、美腸の土台づくりからスタート。

便秘の有無で腸内の状態を知る。

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胃から入ってきた食べ物を分解し、体内に栄養素を吸収する重要な器官である「腸」。ところが、現代女性の多くはこの腸の機能が低下しているのだそう。

「腸機能が低下する原因は、筋力不足、脳の緊張、ダイエットによる偏食などが考えられます。腸が正常に働いているかの一つの指標となるのが、便秘。日本消化器病学会では、“すっきり毎日便が出ているかどうか”を、便秘の判断基準としています」(おおたけ消化器内科クリニック院長・大竹真一郎さん)

まずは以下の5項目と、腸タイプを併せてチェックしよう。

  • 排便時にすっきり感がない
  • お腹が張る
  • お腹に違和感がある
  • 胃が痛い
  • 胸焼け、吐き気がする

「一つでも当てはまった人は便秘で腸内環境も乱れている可能性があるため、生活習慣を見直しましょう。腸の状態が改善されると、便秘解消はもちろん、肌やメンタル、ダイエットにも嬉しい効果が期待できます」

あなたの腸は大丈夫? 腸内環境セルフチェック!

“毎日スッキリ出ない”と感じる人は、腸が正常に働いていない証拠。自分の腸タイプをチェックしよう!

下がり腸

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臓器を支えられなくなった横行結腸がだらりと下がる。

【CHECK】

  • 食事をすると下腹部が出る
  • 運動をする習慣がない
  • 猫背姿勢になりがち

症状と原因

長時間の座りっぱなしと筋力不足で下がり腸に。
加齢や筋力低下によって胃などの臓器を支えられなくなり、横行結腸が下がった状態。上行結腸と下行結腸の上部の角度が90度よりもきつくなり、ここに便が溜まりやすくなる。便秘だけでなく、ぽっこりお腹の原因にも。

ワンポイントアドバイス

筋トレとマッサージで臓器を本来の位置へ戻す。
デスクワークで猫背の状態が続くとお腹の筋肉が使われず、下がり腸の原因に。長時間座り続けるときは意識的に姿勢を正し、腸腰筋を鍛えること。または大腸の流れに沿って、右下腹部から持ち上げるマッサージも効果的。

冷え腸

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お腹まわりの冷えにより腸の動きが鈍くなる。

【CHECK】

  • お腹を触ると冷たい
  • 呼吸が浅いと感じる
  • お腹を下しやすい

症状と原因

夏でも油断禁物! 冷房や服装が冷えの原因に。
冷房や服装、運動不足による血行不良が慢性化すると、腸そのものが冷えて動きが悪くなる原因に。お腹を触ってひんやり冷たく感じたら、腸が冷えている可能性大。便秘だけでなく、胃腸トラブルも発生しやすい。

ワンポイントアドバイス

冷えを根本から改善するにはお腹まわりを刺激する筋トレを。
生姜入りの温かいものを飲んだり、腹巻きで外から温めたりといったことも一時的には効果があるけれど、これらはあくまで応急処置。冷えの原因の一つは筋力不足なので、スクワット、腹筋といった運動で根本から改善を。

ねじれ腸

Health

大腸が複雑にねじれて便の通り道が狭くなる。

【CHECK】

  • 子供の頃から便秘がち
  • お腹に違和感がある
  • 胸焼けや吐き気を感じやすい

症状と原因

腹痛を伴う便秘があるなら疑いの余地アリ。
四角を描く大腸の形状とは異なり、複雑にねじれた「腸管形態異常」のことを指す。ねじれた部分が狭くなり、硬くなった便が通過しにくくなることで、腹痛を伴う便秘が起こりやすい。

ワンポイントアドバイス

専門機関でねじれ具合を確認し腸に合わせたマッサージを。
日本人に多いといわれるねじれ腸でも、“ねじれ方”は人それぞれ。むやみに揉みほぐしたり下剤を飲んだりせず、一度専門機関で腸の状態を確認するのがおすすめ。そのうえで、自分に合ったマッサージ法を取り入れて。

ガス腸

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腸の中に空気が溜まり、下腹部がパンパンに。

【CHECK】

  • 排便の後スッキリしない
  • お腹が張ることがある
  • 食生活が乱れがち

症状と原因

お腹の張りや腹痛で食欲が低下することも。
腸にガスが溜まり、痛みを伴うガス腸。ガスの正体は呼吸や食事でのみ込んだ空気や、腸内細菌の活動によるもの。ガス溜まりにより胃が圧迫されて食欲が低下したり、最悪の場合は腸閉塞などの病気に繋がることも。

ワンポイントアドバイス

便やおならは、できる限り我慢しないよう心がけて。
一番の解決策は便意とおならを我慢しないこと。ちなみにおならの成分は本来99%無臭だが、いわゆる悪玉菌が腸内に多いと臭い物質が発生しやすくなる。ニオイが気になる人は、腸内環境をいま一度見直してみて。

大竹真一郎さん 東京・赤坂にある「おおたけ消化器内科クリニック」院長。胃・大腸を中心に通算約2万5000人を診察する一方で、メディアにも多数出演。

※『anan』2020年7月22日号より。イラスト・鈴木衣津子 取材、文・黒澤祐美

(by anan編集部)