19歳の原点。ルーツがないから自由にどこへでもいける。
「作曲活動をはじめたのは高2くらいからです。でも、アルバムに収録した楽曲はここ1年間くらいにできたものばかり。僕、飽き性なんで溜め込むことができないんです(笑)。常に今いいと思うものをアウトプットしたい。1枚目だし、方向性を整理するより今の自分の原点みたいなものを詰め込みたいと思いました」
センシティブな歌声が合う耳触りのいいシティポップ的な「東京フラッシュ」や「life hack」が彼の売りかと思いきや、J-ロックを真正面に捉えた「怪獣の花唄」やEDM的切り口を持つ「soramimi」など多面的な広がりに驚かされる。
「小学生の頃からボーカリストになりたかったんですけど、こういうジャンルが好きとか、このアーティストに憧れているとかいうのは特になくて。で、中学2~3年生のときから動画配信サイトで投稿をはじめた。その経験があったから、バリエーションがどんどん増えていったんだと思います」
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現在は美術系の大学に通う。デザインを学んだことも自分の枠を広げている、とも。
「この音楽飽和時代に、過去の音楽を踏襲せずに新しいものを作り出すなんて無理。デッサンと同じで、真似してみたり、特徴を捉える能力ってすごく大事だと思う。僕の音楽もコレというルーツはないけど、ソースを研究して新しいデザインを作ってる。だからジャンルに縛られないで自由にどこへでもいけるんです」
刺さるソースを選べば「ヒット曲」は作れると豪語する。目指すは世界的なマルチ・アーティスト。どこまでも広がる可能性が眩しい。
FODオリジナルドラマ『東京ラブストーリー』主題歌「灯火」、テレビ東京ドラマ『捨ててよ、安達さん。』オープニングテーマ「Bye by me」など全11曲収録。ファースト・アルバム『strobo』【CD】¥3,000(SDR)
バウンディ 作詞、作曲、アレンジのみならずアートワークや映像作品もセルフプロデュース。Vaundyというアーティスト名は中学時代の愛称に由来。10月10日には、Zepp Hanedaにてワンマンライブ開催決定。
※『anan』2020年6月3日号より。取材、文・梅原加奈
(by anan編集部)