無料&待ち時間ゼロ! 話題の展覧会が「パノラマツアー」で復活

2020.5.29
私たちの日々の暮らしに関わりあるテーマを、その文化的背景とともにデザインの視点で楽しく読み解いてくれる「21_21 DESIGN SIGHT」の展覧会。建築家・安藤忠雄氏が手掛けた館内には、いわゆる美術品と呼ばれる所蔵作品が一切なく、展覧会ごとに作品からレイアウト、什器に至るまでガラリと変わる。従来の美術館とは一線を画したその演出は、訪れる人々に新鮮な印象を与え、さらに数々のヒットを生み出してきた。

そんな伝説の企画展の一部が、サイト内「パノラマツアー」として復活。館内に足を一歩踏み入れれば360度見回すことが可能で、自由に鑑賞できるようになっている。また、気になる箇所をズームすることも。今回は、現在公開されている下記3展の見どころと、その魅力をご紹介。長蛇の列だった展覧会も、ウェブ上でなら待ち時間なく、しかも無料で楽しめる。当時うっかり見逃してしまった人も、復習したい人もぜひ。

企画展『コメ展』

日本の伝統文化や生態系にも着目。食だけじゃないコメの魅力を知る展覧会。

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食に限らないコメの姿に注目し、稲作とともに発展してきた日本文化を紹介。グラフィックデザイナー佐藤卓氏と文化人類学者の竹村真一氏がディレクション。稲藁が香る会場には作り手のドキュメンタリー映像、風景写真、体験型の作品も。本ツアーでは一部映像も公開。(2014年開催)※ギャラリー2会場風景(撮影:淺川 敏)

企画展『単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい?』

目に見えないものも可視化して、社会に溶け込む単位の正体を解明。

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例えば空気、速度、情報。捉えにくいものの量を、視覚的に分かりやすく並べたり、違う単位と比較したり。一見難しそうな「単位」を様々な角度から捉え、世界をより鮮やかに楽しむ方法を提示した企画。尺貫法が生まれた文化的背景の紹介や、単位を皮膚で感じる試みも。(2015年開催)※ギャラリー2会場風景(撮影:木奥惠三)

企画展『雑貨展』

時代ごとにその定義が変わる雑貨の変遷とその魅力を追求。

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昭和の頃は“日用品”、平成では“愛玩具”に。時代とともに定義が変わりゆく雑貨の魅力を紹介。雑貨を巡る環境や、世界的にもユニークなひとつの文化を俯瞰できる内容に。プロダクトデザイナー深澤直人氏はじめ、企画チームが議論を重ねて選出したアイテムも見どころ。(2016年開催)※ギャラリー2会場風景(撮影:大谷宗平/Nacasa&Partners, Inc.)

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21_21 DESIGN SIGHT
 http://www.2121designsight.jp/program/#PanoramicTour

※『anan』2020年6月3日号より。文・山田貴美子

(by anan編集部)