森七菜が今年やりたいことは「催眠術にかかりたい」 その理由は?

エンタメ
2020.01.31
岩井俊二監督の最新作『ラストレター』では、豪華すぎるキャストのなかで瑞々しい存在感を放ち、映画の世界観を印象づける主題歌「カエルノウタ」で透明感のある歌声を披露。地元大分でスカウトされ、この世界に飛び込んで3年ほどの森七菜さん。才能溢れる現役高校3年生の素顔に迫ります!

やりたかった役にも実はいっぱい落ちてます。

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――演技ではそれほど緊張しないタイプだそうですが、それは今も変わらないですか? 

森:一昨年撮っていた作品が去年ほぼすべて世に出て、人に見てもらうことが多くなって、ちょっと変わったかもしれません。それまでは誰かに見てもらうっていう概念すらなかったんですけど、今お芝居しているものが、誰かの人生を変えるかもしれないし、ちょっと違うなと思われるかもしれない。そのどっちかなんだって思うと、やっぱり少し緊張するというか、ドキドキする感情が最近生まれてきてしまいました。多分これがプレッシャーっていうものなんでしょうね。でも本番中は緊張しないです。素に戻ったときに「今の大丈夫だったかな?」と思うことはよくありますが、本番中は周りの人を信頼させてもらっているから、「大丈夫!」って思いながら演じています。

――お芝居以外でも、普段から緊張することはあまりない?

森:広瀬すずさんに会う前は、今でもめっちゃ緊張します(笑)。オーディションのときは、多分二度と会わないだろうから、失敗しても全力でやろうって思うんです。

――オーディションでたくさんいい役を勝ち取ってきた印象がありますが、その秘訣は? 

森:今言ったことと、あとは何も考えないことですかね。考えると、かえって緊張しちゃうので。自分では本当にダメだったって思っても受かるときもあるので、途中でつまずいたとしても、とにかく全力でやるしかない。でも実際は、やりたかった役にもいっぱい落ちてるんです。その役を同年代の女優さんとかが演じられているのを後々見て、私はああやったけど、求められていたのはこういうものだったんだって考えるのも好きなんです。自分の実力にがっかりしながら、物事を捉える力をもっと鍛えなくちゃと思って、また頑張ることができるから。

――女優デビューから3年ほどなのに、素晴らしい活躍ぶりといえますが、今は演じることの楽しさをどんなふうに感じていますか?

森:始めたばかりの私が言っていいのかわかんないですけど、お芝居をしたあとって、スポーツをして「うわー楽しい!」って思うのと同じ感覚なんです。最初の頃は、「用意スタート!」って本当に言うことに驚いたりして、ついていくのに必死だったけど、楽しいって感じられるようになったのは、いつくらいからなんだろう。少なくとも『ラストレター』の現場は、すごく楽しかったですね。もちろん悔いが残ることもいっぱいあるし、きついシーンが続くとその期間は落ち込んでしまうのだけど、それを抜けたあとはやってよかったって思えるんです。

――お仕事以外のときは、どんなことをしているんですか。

森:寝るか、映画を観るか、食べているかですね。この仕事を始めてすぐの頃、『怒り』を初めて一人で映画館に観に行ったんです。それ以来、一人で映画館に行くのがすごく好きになって、お休みがあって映画の気分のときは、一日のタイムスケジュールを組んで、どれだけ映画館にこもれるか、みたいなことをやってます。多いときは5本くらい観るんですけど、途中のこのタイミングでごはんを食べて……みたいに考えるのも楽しいんです。最近は演技以外のお仕事もやらせていただくことが多くなって、お芝居にあまり触れなくなる期間もあるから、そういうときに映画を観たりするとちょっと新鮮な気持ちになれますね。

――昨年『日経トレンディ』の「来年の顔」に選ばれましたが、2020年にやりたいことは? 

森:実はあまり決めていないんです。去年は本当に予想外のことばっかり起きたので、予想できないことをまた楽しみにしている自分がいて。期待値がすごく上がってるんですけど、それに対応できる人にならないといけないなとは思っています。高校を卒業したらそのぶん時間もできるので、学びに使える人になりたいです。でもあえてやりたいことをあげるなら、催眠術にかかりたい。なんか楽しそうじゃないですか? 触っただけで笑っちゃう、みたいになるのが。

――かかっている人を見るほうが楽しいのでは!?

森:そしたら催眠術にかかっている私を見て、楽しんでもらえたらいいです(笑)。

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公開中の『ラストレター』では、いとこを思いやる天真爛漫な颯香と、姉に思いを寄せる男性を密かに慕う裕里を演じている。同作の主題歌「カエルノウタ」は作詞を岩井俊二さん、作曲と編曲を小林武史さんが担当。シングルのカップリングは、小泉今日子さんの「あなたに会えてよかった」、荒井由実さんの「返事はいらない」のカバーを収録。

もり・なな 2001年8月31日生まれ、大分県出身。‘16年、行定勲監督のWebCMでデビュー。‘18年『やけに弁の立つ弁護士が学校でほえる』『獣になれない私たち』、‘19年『3年A組-今から皆さんは、人質です-』などのドラマに出演。新海誠監督の映画『天気の子』でヒロインに抜擢。岩井俊二監督の映画『ラストレター』で歌手デビュー。

シャツ¥30,000(Maison MIHARA YASUHIRO TEL:03・5770・3291) その他はスタイリスト私物

※『anan』2020年2月5日号より。写真・岩澤高雄(The VOICE) スタイリスト・申谷弘美 ヘア&メイク・佐藤 寛(KOHL) インタビュー、文・兵藤育子

(by anan編集部)

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