
澤田かおり「「源氏物語絵巻」第五十帖 東屋一 模写」 2008年 東京藝術大学蔵
芸術教育の最高学府「東京藝術大学」に併設されて大学美術館ではこの夏、現役講師陣による講義を“展示”するという初の試みが行われる。
藝大生は絵から何を学ぶ? 現役講師陣の講義を展示
東京藝術大学は明治年に開校した東京美術学校と東京音楽学校を前身とする芸術教育の最高学府。併設する大学美術館ではこの夏、現役講師陣による講義を“展示”するという初の試みが行われる。
講義は130年前、東京美術学校の西洋画科で始まった模写の取り組みに焦点を当てる絵画基礎演習から始まる。絵巻の模写や仏像の保存修復を通じて先人の技を探る講義、動物をモチーフにした作品の鑑賞演習など、大学美術館のコレクションから重要文化財を含む名品とともにコマの講義を展示。
1限|模写してわかる油絵のミカタ

黒田清輝「トゥルプ博士の解剖講義」 1888年 東京藝術大学蔵レンブラント・ファン・レイン原作
5限|絵巻の模写はこうする!

澤田かおり「「源氏物語絵巻」第五十帖 東屋一 模写」 2008年 東京藝術大学蔵
「『美術の“ミカタ”』としていますが、見方を一つに決めないことがこの展覧会では重要かもしれません」と総合監修を務める東京藝術大学大学美術館教授の古田亮さん。
「『藝大式』とは何か。そこに答えがあるわけではないのですが、講師一人ひとりが藝大で教えたい何かを持っている。それをシラバスに表してもらい、公式ガイドブックにまとめました。答えがあるといえばそうだけれども、受け取り方はいろいろあることを前提にしています」
6限|藝大式、仏像のお医者さん

快慶「大日如来坐像」 鎌倉時代/12世紀末-13世紀初 東京藝術大学蔵

信太司「快慶作大日如来坐像による木彫仏像技法研究」 1987年 東京藝術大学蔵
例えば1限で取り上げる「模写」は西洋画科で初代教授を務めた黒田清輝が始め、後に日本のアカデミックな美術教育ではスタンダードに。線をなぞり、筆のタッチを追うことで画家がどんな表現に挑戦しようとしたかが見えてくるという。そうした実践を経て初めて身に付くミカタがある。藝大はその出発点から、美術の“ミカタ”を問い続けてきた場所だったのかもしれない。
7限|動物の目で作品を見てみよう

小倉遊亀「径」 1966年 東京藝術大学蔵

鍵野壮太「polka dots」 2007年 東京藝術大学蔵
「その作品がどうやってできたのか、作ったのはどんな人だったのかを知ることで、ミカタが開かれていく。展示室では実際に学生が模写をしていますが、いちばんの見どころはその姿ではないかと思います」
版画や日本画のワークショップ、講師によるミニレクチャーなども開催。開催日時は公式HPで確認を。
「藝大生になったつもりで受講を。面白い体験になればと思います」
information
藝大式美術の“ミカタ”―この夏、藝大生になる―
東京藝術大学大学美術館 本館 展示室1~4 東京都台東区上野公園12-8 開催中~9月23日(水) 10時~17時(入館は16時30分まで) 月曜休(8/10、9/21は除く) 一般2000円ほか TEL. 050-5541-8600(ハローダイヤル)
anan 2506号(2026年7月29日発売)より































