ここまで続けてきたのはただただ意地、です(笑)。
――同世代の俳優にライバル心みたいなものってありました?
賀来:以前はありました。いまは、お互いに40代になってもこの世界で頑張っていられたらいいなって感じです(笑)。正直、やめてしまった人も多いし、同世代が頑張っていると励みになります。いい作品に出ていたりすると、俺も頑張ろうって思います。
――それこそ、やめるか続けるかの分岐点って25歳くらいにあると思うんですが、続けてこられたのってなぜだと思います?
賀来:意地ですよ、意地。ここじゃ終われないっていう。じつは僕の場合は30歳を区切りにして、そこまでに跳ねなかったらやめようと思っていたんです。そしたら29歳でちょっと花が咲き始めた。危なかったです(笑)。
――なぜ「30歳までに」だったんでしょう。
賀来:なんとなく。たぶん、RPGのやりすぎなんです(笑)。ここまでにレベル上げして…って目標を勝手に決めて、それができなかったらダメだって思う。このゴミをゴミ箱に向けて投げて、これが入らなかったらダメ、みたいなことをしがちなんです。
――この先の目標はありますか?
賀来:現状を維持することかな。でももっと面白いことをやりたいし、“いいオジさん”になりたい。
――理想のオジさん像は?
賀来:子供みたいなオジさんって楽しそうですよね。いつまでもバカをやれるオジさんって素敵です。
――では、賀来さんのなかでの美学って何ですか?
賀来:うーん…(しばし考え)どんなに頑張っても、所詮、自分の実力以上のものは出せない、と思うようにしています。だから自分に期待しすぎない、かな。
――では実力を上げるために何かされていることはありますか。
賀来:いっぱい、いろんなことを経験することが大事なのかなと思っています。いろんな人と出会って、いろんな体験をすること。それに尽きるのかなって。いま家族といる時間が楽しいんですよ。子供にとっては目の前のあらゆることが新鮮だから、そのリアクションが僕にとっては衝撃的で面白いし、勉強になります。
ドラマ『ニッポンノワール-刑事Yの反乱-』は、毎週日曜夜10時30分~日本テレビ系で放送中。目を覚ますと、ここ3か月の記憶を失っていた遊佐清春(賀来賢人)。隣には上司の女刑事・碓氷薫(広末涼子)の死体が。そして薫が死の直前に追いかけていた「十億円強奪事件」の計画書が清春の部屋に置かれていて…。
かく・けんと 1989年7月3日生まれ、東京都出身。2007年にデビュー。近年は、ドラマ『今日から俺は!!』や映画『斉木楠雄のΨ難』でコメディ俳優としての注目度が増す。最近の出演作に、ドラマ『アフロ田中』、映画『最高の人生の見つけ方』、舞台『恋のヴェネチア狂騒曲』など。来年1月31日公開映画『AI崩壊』にも出演している。
衣装はすべてスタイリスト私物
※『anan』2019年11月6日号より。写真・宮崎健太郎 スタイリスト・小林 新(UM)ヘア&メイク・SHUTARO(vitamins)インタビュー、文・望月リサ
(by anan編集部)
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