岡崎体育の新作『SAITAMA』は「俺史上いちばんイラつく俺」?

2019.1.20
約1年半ぶりとなるオリジナル3rdアルバム『SAITAMA』をリリースした岡崎体育さんに、お話を伺いました。
タレント

僕のターニングポイントとなるアルバムになりました。

岡崎体育の快進撃がとまらない。音楽活動のみならず、‘18年はNHK朝の連続テレビ小説『まんぷく』で堂々たる俳優デビューも経験。今年、白石和彌監督作で映画デビューも決定している。また、自身の活動の最終目標と公言してきた、さいたまスーパーアリーナでのライブを今年6月に開催。3rdアルバム『SAITAMA』は、その念願の公演に向けリリースされた岡崎体育の現在のリアルを色濃く反映させた一枚だ。

「当初は過去2枚のアルバムのようにネタ曲をいくつか入れようかと考えていたんです。でも、あるときから“あ、これちゃうわ”となった。なんか葛藤が生まれたんですよね。ネタが面白い人という評価はもちろんうれしい。だけどそればかりじゃ長続きしない。普通に書いた曲もちゃんと評価されないとミュージシャンとして終わってしまうんじゃないか。岡崎体育っていう音楽家の真価が問われるというと大げさかもしれないですけど、でも僕の中ではそういうターニングポイントの一つとなるアルバムかなと思っています」

ミュージックビデオあるあるを題材にし、SNS界隈をざわつかせた「MUSIC VIDEO」をはじめ、ゴリゴリのラウドロックに愛らしい歌詞を乗せた「感情のピクセル」や英語風歌詞で聴き手を惑わす「Natural Lips」など、これまでの“作戦勝ち”を自ら手放し、ど直球の音作りに挑んだ。

「結果から言うと、すごく気に入ったアルバムになりました。とりあえず、僕は気に入っています。これまでにも『鴨川等間隔』とか『スペツナズ』『式』など、バズらせることを意識しないで作った曲がいくつかあるんですが、ツイッターなんか見ていると、そういう楽曲をいいって言ってくれている方がいて。それ、うれしいなあって思っていた。今回はアルバムごとそういう評価になってくれたらいいのにって、今からめちゃくちゃ妄想しています」

“さいたまが俺を呼んでいるんだ”と、本音のリリックで“岡崎体育”を詰め込んだダンスチューン「からだ」。インディーズ時代の名曲のひとつ「私生活」はアレンジにストリングスを入れ、より叙情的な響きを得た。さらにピアノひとつで切なく弾き語る美メロのバラード曲「龍」など、ネタ曲はないもののジャンルの多彩さ、振れ幅の広さはさすがといったところ。聴きどころは満載だ。そして、おふざけはまるでなし?

「そうですねえ。唯一ふざけているとすれば、このジャケット写真かな。全然、今の僕じゃない…。4~5年前の僕です。俺史上いちばんイラつく俺の顔をあえて選んでみました。レコ屋でこのジャケットと目が合ったときに“あ゛?”って気になってもらえたらそれもまたうれしいです」

音楽

2017年6月リリースの『XXL』に次ぐ、約1年半ぶりとなるオリジナル3rdアルバム『SAITAMA』。【初回生産限定盤CD+DVD】¥3,500 「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2016~2018」出演ダイジェスト映像つき。【通常盤CD】¥2,800*共に税込み(SMEレコーズ)

おかざき・たいいく 現在、JINRO presents岡崎体育ホールワンマンツアー「エキスパート」開催中。4/5公開の白石和彌監督『麻雀放浪記2020』で映画初出演。6/9、さいたまスーパーアリーナでの単独公演も決定!

※『anan』2019年1月23日号より。写真・小笠原真紀 ヘア&メイク・大矢佑奈(KIND) 取材、文・梅原加奈

(by anan編集部)

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