乳首の痛みは病気? もやもやする疑問に専門医が回答!

2018.9.15
ちょっとしたおっぱいの変化や痛みなどの症状も気になる…。イマイチ分からなくて不安になる疑問に専門医がスッキリ回答。
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悩み:胸が痛い時があるんですが、病気なのかどうかが気になります。

【ホルモンの影響の可能性大、です】
痛み=乳がんと思っている人が多いが、それは大きな間違い。「乳がんの初期症状では痛みがないことが通常です。ほとんどがホルモンバランスの変化による一時的な痛みです。毎月同じパターンで痛くなるなら大丈夫。もし片方の乳房だけが痛いとか、痛みが長期間継続しているなどの場合は、乳がんやその他の病気かもしれないので、乳腺科を受診してください」(乳腺専門医・森美樹先生)

悩み:乳首が痛むのは、何か問題があるからなんでしょうか。

【乳首はとてもデリケートなんです】
「乳首は炎症が起きやすいパーツです。キツいブラジャーを着けたために擦れて炎症を起こしたり、逆にゆるいブラジャーでも中で乳房が揺れ、乳首が擦れてしまうかもしれません。また、肌の弱い人は乳首もよりデリケートなので要注意です」(皮膚科医・田村舞先生)。「生理周期やホルモンバランスの影響で胸が張り、乳首に痛みが出ることも。でも短期間で自然に治れば問題ないでしょう」(森先生)

悩み:腋の下が張っているような、痛みがあるような… 。原因がよく分からないので不安です。

【ホルモンバランスが影響していそう】
乳腺が発達している胸の外側から腋にかけては、胸の痛みと同様にホルモンバランスの影響を受けがちなので、張りや痛みも起きやすい。「短期間で自然と治るなら問題ありません。耐えられない痛みが続いたり、腋の下を触ってしこりがあるなら病院を受診してみては。ただ、しこりに関しては、素人判断による間違いが多いところ。リンパ節をしこりだと勘違いしていることもあります」(森先生)

悩み:乳輪にブツブツしたものがあって、昔より大きくなった気がします… 。

【大きくて気になるなら、手術で除去できます】
乳輪に見られる、ニキビやイボのようにボツボツしたものは“モンゴメリー腺”と呼ばれる皮脂腺。「乳首と乳輪を守るための皮脂を分泌しています。ただ、そのサイズや数には個人差があって、必要以上に発達すると目立つので“気になる”と相談に来る方は少なくありません。イボなどを除去する方法できれいに取り除けますが、やりすぎると乳輪の形も変わるので、注意は必要です」(田村先生)

悩み:乳首から汁のようなものが出てる! これって何?

【血のような色なら注意。早めに受診して】
「下着の摩擦による炎症やかぶれ、湿疹が原因かもしれません。無意識に掻いてしまい、透明の分泌液が出てきているなら、乳首に刺激の少ない優しい素材の下着を選んで摩擦を防ぎましょう」(田村先生)。「高プロラクチン血症や、乳管異常による乳頭分泌の可能性も。分泌液が赤茶色や茶色など、血のような色の場合はおっぱいに何らかの異常が起きていることが多いので、乳腺科へ行きましょう」(森先生)

悩み:胸を触ると、なんとなくしこりがある気がします。このしこり、乳がんの可能性もあるの?

【自己チェックだと誤解しやすい、しこり】
「しこりも、ホルモンバランスの影響で感じることがあります。昔からあるしこりや、左右に同様のしこりがあるなら問題ないと思います。乳がんの場合は、明らかな異物感を伴う硬いしこりです。乳腺は元々ボコボコした触感なので、しこりと勘違いしやすいかもしれません。もちろん、気になるしこりがあって不安なら、病院で確認してもらう方が早く安心できるかもしれませんね」(森先生)

悩み:湿疹やシミなど、乳房まわりの肌トラブルは、何か他の病気のサインだったりするんですか?

【普段の乳房を熟知して、変化を見逃さないで】
「デコルテ部分は皮脂分泌が活発。また、下着で擦れたり蒸れることも多いので、肌トラブルが起こりやすい場所。ただ、食生活の影響や自律神経の影響も大。例えば、胸の肌が赤く痛むなら、細菌感染が原因ですが、片方だけチクチク痛むなら、帯状疱疹の可能性もあります」(田村先生)。「湿疹やシミは問題ありませんが、大きな凹みやひきつり、皮膚が赤く腫れ上がっていたら病院へ」(森先生)

田村 舞先生 「松倉クリニック」勤務。日本抗加齢医学会会員(専門医)。皮膚科全般を得意とし、健康で美しい皮膚を目標にした治療を心がける。

内野貴久子先生 「うちの産婦人科」院長。産婦人科家系に生まれ、自身で4 代目。“女性の駆け込み寺”的な存在となるクリニックを目指している。

森 美樹先生 「自由が丘 みきブレストクリニック」院長。昭和大学乳腺外科、カリフォルニア大学サンフランシスコ校などを経て開院。

※『anan』2018年9月19日号より。イラスト・かざまりさ 取材、文・板倉ミキコ

(by anan編集部)