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夏バテ解消のカギは「脳」と「血流」 深刻な病気にならないために…

2018.8.23
異例の暑さが日本列島を襲った今年の夏。カラダにはあらゆるダメージが蓄積しています。不眠、食欲不振、倦怠感、むくみ…そういった不調は、脳と血流の状態を改善することで解消可能! その仕組みと、今日から実践できる具体的なメソッドを伝授します。
脳&血流

夏バテ解消法1:脳を守れ!

ダルい、食欲が湧かない、眠れないなど。夏バテ=慢性的な熱中症の症状は、軽い自律神経失調症に似ている。それもそのはず夏バテの背景には、自律神経の乱れが関わっている、と東京慈恵会医科大学教授・柳澤裕之先生。

「自律神経とは、内臓や血管、ホルモンなどの働きをコントロールし、生命活動を維持するための大切な神経。脳の視床下部というところが、その働きをコントロールしています」

たとえば気温が高いとき。汗をかいたり体表の血流を増やしたり、熱を逃がして体温上昇を防ぐのも自律神経の役割。

「気温が高いと、水分や塩分が汗としてカラダの外へ逃げてしまい、細胞が脱水症状を起こします。自律神経を作る神経細胞も、他の細胞と同様に脱水症状を起こします。また、クーラーの効いた室内と暑い外を行き来していると、自律神経は体温調節に大忙し。脱水症状や働きすぎが重なれば、自律神経も視床下部も疲れ切って、やがては自律神経失調症になってしまうのです」(柳澤先生)

自律神経が乱れて食欲をなくしたり夜眠れなくなったりすると、体内は栄養不足に。当然水分も塩分も足りなくなるので、さらに夏バテが加速するという負のスパイラルが生まれる。

「水分や塩分をこまめに補給する、涼しいところにいるといった基本の熱中症対策はもちろん、自律神経と視床下部を休めることも、夏のダメージリセットには欠かせません」(柳澤先生)

自律神経の疲れをリセットするには、正しい生活習慣が不可欠。

「睡眠をきちんととって、バランスのよい食事を心がけることが第一。その上で、脳ならではのリセット術を試しましょう。まずは、1日数回、ひとりになる時間を取ること。人間関係のストレスから、回復する時間を作ります。また、鶏ムネ肉やイワシ、マグロを食べるのもおすすめ。抗疲労成分として注目を集めるイミダゾールジペプチドという物質が、脳や自律神経の疲労を緩和します。豚肉に含まれるビタミンB1、果物や酢のクエン酸も、疲労回復に効果的」(柳澤先生)

夏バテ解消法2:血流をスムーズに!

中医学では、健康なカラダには“気・血・水”の3つがバランスよくめぐっていると考える。逆にバランスが崩れると、体調不良や病気の原因になるという。

「気はエネルギーのことで、血と水をめぐらせる原動力。血は、血液のこと。水は、体液全般を表します。バランスの崩れ方には様々な種類がありますが、夏バテの場合は主に気が減ってしまう“気虚(ききょ)”、水が不足する“陰虚(いんきょ)”、血のめぐりが滞る“お血(けつ)※”の3種類が当てはまります」(えみクリニック東大前 院長・吉永惠実先生)

まず真っ先に現れるのは、気虚と陰虚の2パターン。

「ダルい、朝起きるのがつらい、食欲がない、というのは気虚の典型的な症状。胃腸もエネルギー不足で弱ってしまっています。陰虚は、カラダが干からびているイメージ。ノドが渇くのに水を飲んでも潤う感じがしない、暑いのになかなか汗が出ず熱がこもる、などの症状が現れます」(吉永先生)

気虚や陰虚が進行すると、今度は血のめぐりが滞って“お血”の状態に発展する。

「お血になると、生理痛がひどくなったりカラダがむくんだり、肩こりや頭痛がひどくなったりします。肌のくすみやシミも、血の滞りが原因。さらに女性の場合、お血から月経困難症や子宮筋腫など婦人病になるともいわれています。舌を観察してみて、赤黒くなっていたり舌のフチに黒い点があったら要注意。血のめぐりをスムーズにするよう心がけて、お血になるのを防ぎましょう」(吉永先生)

気・血・水は互いに影響を与え合っているので、血の滞りを解消するには、気と水にアプローチすることも必須。

「カラダの冷やしすぎや極端な温度差は、気を減らして血と水のめぐりの妨げに。外から屋内へ入るときは汗をしっかり拭く、肌着だけでも替えるなどして冷えを防いで。エアコンは控えめにして、南国フルーツやウリ科の野菜、菊花のお茶など食べ物でカラダを冷やす工夫を。冷えすぎたら、腹巻き、半身浴などで温め、気・血・水のめぐりをサポートしましょう。乾かしたミカンの皮やクコの実は、特に血のめぐりを助けます」(吉永先生)

柳澤裕之先生 東京慈恵会医科大学 環境保健医学講座教授。内科一般や環境生理学、予防医学、生活習慣病など、幅広い分野を研究。疲労と脳のメカニズムに詳しい。

吉永惠実先生 えみクリニック東大前 院長。内科、漢方内科医。病気以前の不調にも中医学で対応。取り入れやすい漢方アドバイスが好評。女性特有の悩みもケア。

※「お」は、やまいだれ+於

※『anan』2018年8月29日号より。イラスト・五月女ケイ子 取材、文・風間裕美子

(by anan編集部)

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