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過労死はいまや「KAROSHI」 防止には“副業規定の緩和”が有効?

2017.6.9
意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「過労死」です。
社会のじかん

過労の因(もと)は残業が前提の生活設計。副業で柱を増やす。

過労死には、長時間労働により肉体に負担がかかり、心臓麻痺や脳溢血等で突然死するケースと、疲労が蓄積して、心を病んでしまい自殺に至る、過労自殺のケースがあります。「KAROSHI」は、いまや世界共通の言葉。昨年、厚生労働省は世界初の『過労死白書』(過労死等防止対策白書)を発表し早急な対策を練っています。労働者健康安全機構の調査によると、2010年からの5年間で、過労やパワハラ、セクハラが原因でうつ病などの心の病を発症し、労災と国が認めた約2000人のうち、少なくとも368人が自殺していたことがわかりました。精神疾患を発症した年齢は、女性では30代が最も多く、次いで20代でした。

政府は、労働者の健康を守るために、残業時間の上限を月45時間に決め、超えた場合には罰則をつけることにしました。ところが、表向きの残業時間は超えてないけれど、実態は、会社を退出後にも居酒屋やカフェで、終電までサービス残業を強いられるなど、長時間労働の軽減には至ってません。

なぜ、長時間労働がなくならないか。それは、基本給と残業代を合わせた金額が、毎月の生活設計に組み込まれているからです。残業手当が少しでも減ると、生活に支障をきたしてしまう。だから、みんな働きたいのです。しかし、残業時間をフルに申請するには、上限より2~3割多く働いて、ものすごく働いていることを周囲にアピールしないと申請しづらいという、極めて日本的な悪習もあります。サービス残業を続けていれば、上司の覚えもよくなり、ボーナスに還元されるかもしれない…。問題は、日本の曖昧な評価主義なんだと思います。

過労死に歯止めをかけるには、僕は「副業規定の緩和」が有効だと思っています。政府は昨年末、働き方改革実現会議で、兼業や副業を認める、規定の緩和を推進すると発表しました。たとえば、3つの仕事で生活設計を立てれば、どれかが急になくなっても、生活破綻に直結しません。人間関係に悩んだら、無理してその仕事にしがみつく必要はないのです。こうした、自分に選択権のある自由な働き方は、過労やストレスを軽減できると思うのです。

堀 潤 ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN

※『anan』2017年6月13日号より。写真・中島慶子 文・黒瀬朋子

(by anan編集部)

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