彼がいなくてもセックス感度UP…推し活女性に必要な「ひとりエッチ」

文・三松真由美 — 2023.4.13
現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、韓国アイドルの推し活に励む22歳女性。合コンをきっかけに彼ができるが、お家デートで彼からエッチを迫られて…。

希美(22歳)、今っぽメイクのおしゃれ女性。恋愛経験豊富かと思いきやそこはレス

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【レスなひとびと】vol. 199


希美には推しがいる。韓国の男性アイドルグループの彼だ。

「は〜〜〜もう無理。この言い方リアコすぎるっしょ」

彼が出ている番組を見てため息。推し活のアカウントでつぶやく。

「ほんと、リアコ製造機すぎてつらい。全私が死んだ」

とリプライがきて、それな!!! とベッドに突っ伏す。

一人暮らしの部屋で、希美はいつもこんな感じ。彼が出ている番組はほぼリアタイし、MVは何百回も観た。推しの表情が特に尊いのが何分何秒か、全部覚えてる。
聖地・新大久保にはしょっちゅう出向く。彼と同じリップを買ったりするうちに、メイクもオルチャンメイクに。ツヤッツヤの水光肌、平行眉にグラデリップ。推しライブのために、年に1回は渡韓もする。あっち行ったついでにお肌のレーザーも打っちゃったりでとっても美人になっている。

ということで希美は誰もが振り向く今っぽ顔。見た目から、男性経験豊富だと思われがちなんだけど、実はリアルな男性には興味が湧かない日々だった。女子校を出て、貿易関係の事務職に就いて4年が経つ今もお付き合い経験ナシ。十分満たされた生活をしているから、それでいいと思いつつも、生身の彼氏とカフェとか行ってみたい気もする。

そして!

無理やり組まれた合コンで“この人ならいいかも”と思える人に出会った。色白肌に長めの黒髪、笑った顔が伏目がちで、ちょっと推しに似てる直人くん。
一度くらいリアルな誰かとお付き合いしたい願望を叶えてくれそう。

「希美ちゃん、きれいだね。モテるっしょ。本当に彼氏いないの?」

1回目のカフェデートで、直人くんに聞かれた。

「う〜ん。言い寄られることもあるけど、趣味で忙しいから断ってる」
「希美ちゃんの趣味ってなによ」
「韓国アイドルの推し活…って言ったら引く?」

ここで引かれたらそれまでだ、と思って正直に暴露。でも引かれなかった。それどころか「もっと聞かせてよ」と興味津々の直人くん。推しのことなら何時間でも語れる。しゃべりまくる希美。直人くんが「ショップ、連れてってよ」というから、新大久保に行くことに。

ってことで付き合うことになってしまった。

そして3か月。そろそろ家に行きたいと言われ、しぶしぶ家へ。柚子茶を淹れている希美に、後ろから抱きつく直人。

「ねえ、お茶なんていいからさ…」と手が胸と股間へ。おっぱいをグビっと揉み上げられる。パンツの上から中指をギュって押し付けられる。耳元にフウッて吐息がかかる。ほっぺにチクチクヒゲの感触。生々しすぎる。男臭がする。いやらしさマックス。
推しはこんなヒゲ生えてない、すべすべ。こんないやらしい行為しない。やっぱり嫌だ。推しと直人は、まったく別の生命体だ。

「ちょ、ちょっと…やめて」

「希美、こんなことしていいから呼んだんじゃないの?っていうか、こんなナヨ男のポスターばっかり貼ってる部屋、いい気しないし」

突然、手のひらを返したかのような発言。
希美はドン冷め。
やっぱり、私には推ししかいない。


【三松さんからのコメント】

直人さん、断られたことにカッとなって本音をこぼしてしまったのでしょうね。
推し活女子にももちろん彼氏はできます。彼女の推しに対して彼の方にチョビっとでも嫉妬心があるのなら、お付き合いは長続きしません。「趣味は趣味。推しに燃えるそんな君が好きだよ」と割り切って愛してくれる彼氏さんでないとね。

希美さんの場合は、お互いのために、ここで終わりにしてよし。直人さんは付き合っているうちに推しより、俺に向かせてみせるという自信があったのでしょうね。希美さんは、推しにときめいて十分満ち足りた生活をしているのですよね。無理に誰かとお付き合いする必要はない。

でも全くお付き合いの経験がないとその判断もしづらい。比べてみないとわからないものです。一度リアルなお付き合いにチャレンジしてみたのはナイスです。推しがいたってリア恋したいと感じるならどんどん恋していきましょうよ。

わたしは「セックスは大事よ」派なので、推し活一色でエッチがおろそかになってるならセルフプレジャーの習慣はつけておいてね。彼氏作り…男性アイドルグループが推しとなると、なかなか難しいけれど、ファンクラ内のメンズや、メイクが好きなメンズ、他に推しがいるメンズなど、理解を示してくれる現実の男性はきっといるはず。心ときめくままに、生きていきましょう。

「リアル恋愛レスな皆さん、推し活でトキメキいっぱいの幸せな日々ならそれでよし。でもセクシー脳が衰えないようひとりエッチはしとけ」

三松 真由美 
恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。


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