シンガーソングライターのUMIさん

なぜ人は音楽を聴くと癒されるのか?人々の心に寄り添うヒーリングソングを制作し、癒しの音楽を生み出し続けるシンガーソングライター・UMIさんに、その関係値について語っていただいた。

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    Profile

    UMIさん

    ウミ 1999年2月9日生まれ、アメリカ・ワシントン州シアトル出身。新曲『10AM』が6月末にリリース。セカンドアルバムが8月末に発売予定。

    「自分に正直に作った音楽は聴く人の心と頭を軽くする」

    日米にルーツを持ち、ロサンゼルスを拠点に活動するシンガーソングライターのUMIさん。“聴く人、一人ひとりを癒したい”という想いのもと彼女が生み出す楽曲は、ヒーリングミュージックと評され、世界的に注目を集める。

    「音楽は、みんなが思っている以上に深くて、いろんな気持ちと対話ができる、目に見えない何かだと思っています。言葉にできない気持ち、人に話したくない悩み、寂しさ、不安、辛いことが誰にでもある。音楽はそういうネガティブな気持ちに寄り添い、理解して、それらの感情をどうやって外に出せばいいかも教えてくれるもの。だから、音楽とメンタルヘルスケアは、すごく関係していると思うんです。 UMIは、人が楽しい時やうれしい時、寂しい時、辛い時も、一緒に過ごせるような楽曲を作って、人の心を軽くしたい!そして、音楽には人に希望を与え、人生を変えるパワーがあることをみんなに思い出してほしいな」

    UMIさんがヒーリングをかけ合わせた音楽活動をする上で意識していることを尋ねると。

    「正直な心で音楽を作ること。自分を隠さないで、感じていることを素直に出すことで、聴く人自身も正直になれて心と頭が軽くなると思うんです。だから、“自分が作る”というより“自分を通して出てくるもの”を意識すると、すごくいい楽曲ができる気がします。あとは、“人の心に届きますように”と願いながら楽曲を作って歌ってる。そういう目的を持つだけで、音楽はすごくパワフルなヒーリングになるし、人に届くものになるんじゃないかな。あまり考えすぎるといらないものが混じっちゃうからピュアな心と体でそのままのUMIを表現したい」

    自身の緊張をほぐす目的でライブ冒頭に取り入れ始めたメディテーションタイム(瞑想時間)。今ではそれが恒例となり、UMIさんの癒しのバイブスがライブ会場を安心感と一体感で包み込む。

    「ステージに立つ回数が多くなるにつれ、そこまで緊張しなくなったけど、実はお客さんも瞑想で落ち着いていることに気づいたんです。会場には各地から様々な人が来ているから、その分いろんなエネルギーがある。だから、まずはメディテーションを通してみんなで一つになり、心が軽くなった状態でパフォーマンスをしたい。そうすることで気持ちが落ち着いて、より楽しい体験ができると思う。落ち着くと、心も耳も開くから」

    楽曲には、UMIさん自身が心に抱えてきた不安や葛藤が込められているものも。だからこそ、聴く人それぞれが“自分ごと”として捉えられる。

    「音楽は、“あなたは一人じゃないんだよ”っていうことを聴く人に教えてあげられるものだと思う。アーティストは、自分の気持ちや体験を楽曲にすることが多いですが、UMIもそう。そういう楽曲を聴いた人は、“私も同じ気持ちだな”と共感して、孤独から抜け出すことができるんです。だから、音楽で色々な気持ちを伝えることってすごくヒーリングなことだと思う」

    UMIさんがおすすめする、癒される「音」の取り入れ方

    HEALING SOUND1:朝、好きな曲を聴きながら呼吸を合わせ一日をスタートさせる

    「毎朝好きな音楽を聴きながら、そのリズムに合わせて瞑想することを心がけてる。やり方は、その日の気分で、自分の好きな曲か音楽アルバムを選んでかけて、その曲に呼吸を合わせるだけ。大切なのは、リズムに合わせることを意識しながら呼吸すること。そうすることで頭の中がクリアになって、いい状態で一日をスタートすることができるんです」

    HEALING SOUND2:自然のある場所へ出かけてまわりから聞こえてくる音に集中する

    「屋外のどこか、できれば自然のある場所に出てみる。外に出たら、まわりから聞こえる音に集中して、まずは“いま聞こえている音の中で一番大きく聞こえる音って何?”って自分に質問してみるの。次に“一番静かな音は何?”って質問してみる。そうやって、自分の集中を一時でも頭から耳に移すことによって、意外と悩みが解消されることがあるから」

    HEALING SOUND3:声やハミング、口笛でオリジナルの音楽を作ってみる

    「自分で気持ちいいと思う声やハミング、口笛を繰り返すことでオリジナルの音楽ができあがるの。それが瞑想になるし、自分の声が体のどこに響くかがわかるようになる。自分の音を出すって、食べたり、寝たり、しゃべったりするのと同じ。うまいから歌うんじゃなくて、人間だから歌う!世界中の一人ひとりがヒーリングボイスを持っていると思う」

    UMIさんがセレクト! リラックスできるおすすめのプレイリスト

    リラックスタイムにぴったりなヒーリング効果のある曲とは?UMIさんにおすすめのプレイリストを教えてもらいました。

    「Lose My Focus」Raveena & UMI

    「Raveenaもヒーリングをメインに楽曲を制作していて、UMIと似たスタイルのアーティストなんです。この曲はラブソングで、すごく心に沁みると思う。散歩している時や電車や車で移動している時に聴いてほしい」

    「Peaceful Garden」Annie Jameson

    「自然の音にクリスタルシンギングボウルの音をプラスしたインストゥルメンタル曲で、雨の降る音や鳥のさえずりも入っています。これは朝に聴くのがおすすめ!心を軽くして一日を気持ちよくスタートできると思う」

    「the wildflowers are upon us」OHMA ⒸHanja

    「OHMAは、ギター奏者とフルート&サックス奏者のジャズユニット。この楽曲には色々な音が入っていて、環境エネルギーまで伝わります。何かを心配している時や悩んでいる時に聴くと、気持ちを落ち着かせてくれる」

    「10AM」UMI

    「6月末にリリースされたばかりの新曲です。“愛”をテーマにして作った曲で、日の出の時間や日の入りの時間に聴いてほしい。それから、独りぼっちの時とか、寂しい時にも聴いて、この曲にハグされてほしい!」

    写真・大峽典人(TOKYO TRAIN) 取材、文・依知川亜希子
    Check!

    No.2453掲載

    癒しの法則 2025

    2025年07月02日発売

    ストレスを溜め込みがちな心とカラダをケアする、癒しにまつわるトピックスを集めた特集です。読書会や中国茶サロンなど心をほぐす時間を作ってくれるスポット紹介、おうちでできる簡単デトックス術、声に癒される音声メディアガイド、お取り寄せひんやりスイーツや食感が楽しいグミ、愛でて心が潤う小さくてかわいいものなどなど、さまざまな面からホッと幸せを感じられる情報を詰め込んだ一冊になります。

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