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呼吸だけじゃない、鼻の働きとは?

鼻は呼吸するだけでなく、外から入ってきた細菌やウイルスなどを鼻の粘膜から分泌された粘液で洗い流して排出させることで、カラダを病原菌や異物から守っている。なかでも重要なのがフィルターの役割。
「鼻のフィルター機能がなければ、ホコリや細菌、ウイルス、冷たい空気などが、直接のどから気管支や肺に侵入してしまいます。鼻の粘膜が炎症を起こすと、フィルターの役割を果たせなくなり、全身に悪影響を及ぼします」(耳鼻咽喉科専門医・許芳行先生)
日頃から鼻内の乾燥や炎症対策を行い、鼻粘膜の重要な機能を維持しておきたい。そこで鼻うがいや鼻を直接温める方法など、簡単にできるケアを紹介してもらった。
「洟をかむ時は、勢いよく両方の穴でかむとトラブルのもと。片方ずつ優しくかみましょう。また、外敵をキャッチする役割がある鼻毛は、切りすぎないでください」
免疫機能を維持するために試したい鼻ケア

【鼻ケア1】鼻呼吸
口呼吸になると、ホコリや細菌、ウイルス、冷たい空気などが直接のどから体内へ侵入してしまう。口呼吸のクセがある人は、意識して鼻呼吸に切り替えるべき。また、鼻の通りが悪い人は、市販のテープなどを使って通りを良くするのも手。

【鼻ケア2】鼻うがい
鼻の不快感の軽減などに役立つと人気の鼻うがい。花粉や奥に溜まった鼻みずなどを効果的に洗い流せる。ただ真水だと痛いので生理食塩水を使うのが鉄則。冷たすぎや熱すぎも鼻への負担大。ぬるめの温度で実践を。市販の鼻うがいキットを使うのが簡単で便利。

【鼻ケア3】鼻あたため
薬を使わずに鼻づまりを解消したい時は、蒸しタオルが有効。小さめのタオルを水で濡らして軽く絞り、電子レンジで30~40秒ほど温め、触って心地よいぐらいの温度になったら鼻の付け根に載せて。タオルの温かさと蒸気の効果で血行が改善し鼻の通りも良くなる。

【鼻ケア4】鼻腔ケア
鼻の潤いが不足していると感じたら、綿棒に少量のワセリンを付け、鼻の中や穴の周りに塗布。ただ、粘膜部分は血管が集中しているので刺激すると鼻血が出るなどトラブルのもと。塗布するのは鼻腔のほんの入り口だけにして。マスクの着用も鼻の乾燥対策には効果的。
PROFILE プロフィール
許 芳行先生
耳鼻咽喉科専門医。「日本橋浜町耳鼻咽喉科」院長。小さな子どもから高齢者まで幅広く対応。一人一人のニーズに合わせ、快適な日常生活を過ごすためのサポートを第一に診療を続ける。https://hamacho-ent.com/
anan 2439号(2025年3月19日発売)より