【メンタル不調編】夏の3大不調をまるっと解決。症状別・自律神経ケアガイド

自律神経の乱れがもたらす多くの不調。なかでも、多くの人が感じる冷え、メンタル不調、不眠をピックアップ。症状やタイプに合わせた、識者おすすめのセルフケアで整えていけば、心とカラダがグンと軽くなりますよ。今回は、5つの感情に合わせた呼吸法をご紹介。

Index

    教えてくれた方

    Profile

    平賀きょう子

    呼吸ヨガⓇ創始者。「スタジオ シャンティ」代表。心身の土台になる呼吸の質を整えるための「呼吸ヨガ」を考案。ヨガ初心者やカラダの硬い人でもできる簡単な動きで、心身が和らぐと人気。https://www.kyoko-yoga.com/

    呼吸で脳を切り替えれば、メンタルに振り回されない

    感情はカラダを動かす信号。感情に応じて、心身を守るために自律神経が働き、心拍や血流、発汗などを調整する。これは脳と自律神経の正常な働き。問題なのは、強い感情から戻れず、慢性的な心理ストレスで、自律神経の調整や回復がうまくいかなくなること。そこで役立つのが、自律神経を直接コントロールできる呼吸法だ。

    「感情で呼吸は浅くなったり速くなったりしますが、呼吸を変えれば脳や自律神経が変化し、感情にも影響を及ぼせるのです」(呼吸ヨガⓇ創始者・平賀きょう子さん)

    今回は5つの感情が引き起こす、カラダのこわばりなどもケアしつつ行う、独自の呼吸法を伝授。

    「楽にゆっくり呼吸しているカラダを感じて。心身が和らぐ感覚を取り戻せるようになりますよ」

    「怒り」をコントロールする呼吸法

    怒りは、交感神経系を含むストレス反応を高めるスイッチ。闘争や逃走のため、心拍を速め、筋肉は緊張して血圧が上がり、内臓の活動は低下。「怒りは歯を食いしばったり、肩に力が入りやすいもの。顎や首、肩を緩めながら行う、ため息やあくびをイメージした呼吸法が有効です」

    顎まわりの緊張を解放する、あくび&ため息呼吸

    奥歯をグッと噛み締めると固く膨らむ咬筋のあたりに、人差し指、中指、薬指を当てる。唇の力を抜き、顎を緩めながら「はぁ~」とため息をつく。お風呂に入って出すため息のイメージ。

    吐ききったら、喉の奥を広げるようにあくびをして息を吸う。ため息とあくびで1呼吸。できるだけゆっくり行って3~5呼吸続ける。仰向けに寝て行うと、首や肩もリラックスでき口が大きく開く。

    「興奮」をコントロールする呼吸法

    興奮すると心拍や呼吸が速まり、覚醒度も上がるもの。興奮状態が長引けばリラックスしにくくなるので、安心できるサインを呼吸で送る必要が。「ヨガで取り入れられる片鼻呼吸は、呼吸そのものをゆっくりにするので、血圧を下げる効果があり、興奮を鎮めることを期待できます」

    一定のリズムでゆっくり。心を落ち着かせる片鼻呼吸

    ゆっくりした呼吸と、呼吸への集中をサポートする片鼻呼吸。まずは右の鼻の穴を右手親指で押さえて鼻から息を吐く。理想は7秒。できなければ3秒吐く。そのまま3秒息を止めて、7秒(3秒)吸う。

    続いて、右手人差し指で左の鼻の穴を押さえて、右の穴で同様に呼吸を1セット。左右繰り返し、心が落ち着くまで続けて。呼吸のリズムを感じながらゆっくり行えば、心身のバランスが整ってくる。

    「思い悩む」をコントロールする呼吸法

    深く思い悩む状態が続くと、意欲が低下し疲労感が増すなど、心身の活動度が低下。「悩んでいるときのカラダは縮こまり、胸郭や脊柱の動きが小さくなって呼吸も浅くなりがち。胸郭と脊柱をリズミカルに動かしながら呼吸を促す、ヨガのキャット&カウの簡単バージョンをおすすめします」

    キャット&カウのポーズで、呼吸しやすい姿勢を取り戻す

    椅子に座って行うキャット&カウ。両膝を軽く開き、両足は床につけ、両手は膝の上に。7秒かけ、息を吐きながら骨盤を少し後傾させてゆっくり背骨を曲げ、曲げた状態で3秒息を止める。

    7秒かけて息を吸いながら、腰から順番に背骨を反らし、最後に顎を上げる。呼吸に合わせて背骨の曲げ伸ばしを5セット繰り返す。呼吸と姿勢の両方に関わる大切な筋肉・横隔膜の柔軟性が戻る。

    「悲しみ」をコントロールする呼吸法

    悲しいときはカラダを動かすこと自体が億劫になり、呼吸も小さくなりがち。「横隔膜は、胸側より背面の方が広がる性質があるので、背中を膨らますイメージを描きやすい呼吸法を。悲しい気持ちを抱きしめていたわりながら行えば、呼吸も自然に広がり、少しずつ気持ちも切り替わります」

    無理に元気になろうとせず、心に寄り添いながら行おう

    横向きに寝て胎児のポーズに。胸にクッションか枕を抱え、両膝の間にも1つ挟む。抱き枕でもOK。息を吸うとき、背中をたっぷり膨らますイメージで。ゆっくり楽な呼吸を、好きなだけ続ける。

    横になる場所も時間もないときは、腰の上あたりに両手を当て、手を押すように背中を膨らませて息を吸う。カラダが楽に感じる呼吸をゆっくり繰り返す。目をつぶり、背中の動きにだけ意識を向けて。

    「不安」をコントロールする呼吸法

    不安は「まだ起きていないこと」を脳が何度もシミュレーションし、緊張状態に陥ってしまうことで起きる。呼吸が浅くなり、息苦しさを感じ、脳はそれを危険信号だと捉えてしまう。「考えるのをやめようとすると逆効果。緊張したカラダを和らげ、呼吸を深くゆっくり行うことに集中して」

    ガチガチに緊張したカラダを、骨盤呼吸で緩めていく

    両膝を立てて仰向けに。腰が反らないように骨盤、背骨を床につける。両手をおへその上で重ね、全身リラックス。片膝を倒し、倒したまま呼吸を5回繰り返す。膝は自然に倒せる範囲で大丈夫。

    倒す脚を逆にして、再びゆっくり5呼吸。不安や緊張で縮こまり、硬くなった骨盤や股関節まわりの筋肉の柔軟性を取り戻す呼吸。背中の下にクッションを入れて行ってもいいが、腰痛持ちはNG。

    「冷え」の改善はこちら

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    イラスト・大石さちよ 取材、文・板倉ミキコ


    anan 2510号(2026年9月2日発売)より
    Check!

    No.2510掲載

    自律神経ケア。

    2026年09月02日発売

    連日の猛暑にゲリラ豪雨や台風など気候の変化も相まって、夏疲れで限界寸前なカラダをリセットするためには、不調の源である自律神経の乱れを整えることがマスト。自律神経を調整するツボ押しやレシピなど、今日から始められるメソッドを様々な視点から紹介します。

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