
自律神経の乱れがもたらす多くの不調。なかでも、多くの人が感じる冷え、メンタル不調、不眠をピックアップ。症状やタイプに合わせた、識者おすすめのセルフケアで整えていけば、心とカラダがグンと軽くなりますよ。今回はタイプごとに異なる、暑い時期の冷え対策をご紹介。
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教えてくれた方
Profile
柳本真弓
鍼灸あん摩マッサージ指圧師。「目白鍼灸院」院長。TV、新聞、雑誌など数多くのメディアで活躍。微細刺激の刺さない鍼、本格的な中医鍼灸を駆使し、数々の手技療法を取り入れた的確な治療を行う。著書多数。https://mejiroacu.com/
冷えの改善を重視する、東洋医学でアプローチ
体温調節は自律神経の大切な機能のひとつ。ここで、自律神経の乱れからくる“冷え”のメカニズムをざっと説明しておこう。ストレスや睡眠不足、疲労などが原因で自律神経が乱れる→末梢血管の収縮・拡張や、発汗などの調節がうまくいかなくなる→血流や熱産生が低下→冷えを感じる、という流れ。冷えを放置すると、自律神経の乱れがさらに加速する悪循環に陥る。ただ、自律神経の不調だけが冷えの原因ではなく、その人の体質や病気など、様々な原因が隠れている。また、冷えの症状にもタイプがある。そこで役立つのが、古来冷えを見逃せない症状と捉えてきた中医学だ。
「冷えは、エネルギー不足、エネルギーの運搬や調整力の不足、また熱バランスの乱れなどのサインと捉えるのが中医学です。万病のもとにもなる冷えの原因を探り、その人の体質や症状などに合わせ、様々な対策を講じ冷えを改善します」(鍼灸あん摩マッサージ指圧師・柳本真弓さん)
今回は、中医学の診断をグッと簡略化。冷えの原因と冷え方に注目して、3タイプに分類。対策もアドバイスしてもらった。まずは、自分のタイプをチェックして。
あなたの“冷え”タイプをチェック
このチェックで判明するのが、あなたの冷えタイプ。中医学の考え方をベースに、様々な要因、体調、体質から分析。3つのうち該当数が一番多いものがあなたの冷えタイプです。
全身冷えタイプ
◻︎ 食が細い
◻︎ 風邪をひきやすい
◻︎ 顔色が悪い
◻︎ 肌がカサついている
◻︎ 舌の色が薄い
◻︎ 水をゴクゴク飲めない
◻︎ 底冷えする
◻︎ むくみやすい
末端冷えタイプ
◻︎ ストレスを溜めやすい
◻︎ 肩や首がこる
◻︎ ゲップが出たり、お腹が張る
◻︎ 意外と暑がりでもある
◻︎ 顔色がくすんでいる
◻︎ 湿気が苦手
◻︎ PMSが悩み
◻︎ 下痢と便秘を繰り返す
冷えのぼせタイプ
◻︎ 口や喉がよく渇く
◻︎ 肌や髪の毛がパサつく
◻︎ 寝つきが悪い、眠りが浅い
◻︎ 顔が火照りやすい
◻︎ 寝汗をかく
◻︎ 目が乾く
◻︎ 便秘がち
◻︎ 腰や膝が重だるい
※ 同数の場合は、以下の解説を読み、自分により近いタイプを選ぶ。甲状腺疾患や貧血、婦人科系疾患などが隠れている場合もあるので、生活習慣を改善しても不調が続くなら、早めに専門家に相談を。
温める力が足りず、冷えが蔓延。全身冷えタイプ
温めるだけではダメ。生活全般を見直そう
3タイプの中で、一番エネルギー不足なのが全身冷え。細身で疲れやすく、下痢しやすい人、貧血の人はわかりやすいけど、汗かきでぽっちゃりした、一見冷えとは無縁そうな人もこのタイプに分類。
「痩せすぎ、筋肉がなさすぎ、代謝が悪すぎる状態が続くことで、温める力やエネルギーをつくる力が弱まります。ただ、滋養をつけようと栄養満点の食事をすると、消化・吸収力が弱いので、お腹を壊してしまい逆効果。いきなり運動するのも疲れが増すだけ。このタイプは何より、睡眠、入浴、食事など生活習慣を整えることが最優先です」
現状のエネルギー不足を少しでも改善し、温める力を支えていくための対策は以下の4つ。弱っている胃腸をいたわり、休息も大事にしながら、少しずつ改善していこう。
対策 1

朝|寝起きに手足を揺らして、 頭もカラダも目覚めさせる
寝起きに活動スイッチがなかなか入りにくい全身冷えタイプ。全身の巡りをよくするため、目覚めたら仰向けの格好で両手両足を上げ、ふらふらと揺らそう。手足の指をグーパーさせるのも効果的。全身の血の巡りがよくなり、頭がシャキッとしてくる。
対策 2

朝|朝食キャンセルは避け、スープだけでも摂ろう
自律神経の活動スイッチを入れるため、朝食はぜひ食べてほしい。ただ胃腸が弱い人が多いので、食欲が湧かないことも多そう。それなら、消化しやすく、胃腸を温めるスープだけでも食べよう。エネルギー源となるタンパク質を摂れる、卵もプラスして。
対策 3

昼|汗はこまめに拭き取り、水分を少量ずつ何度も摂取
全身冷えているのに、ダラダラ汗をかく人も多い。これもエネルギー不足が原因。こまめに汗を拭き、汗冷えを予防して。また、喉が渇いてから水を飲むのではなく、一日何度も少量の水を飲むようにすると、お腹への負担が減り、代謝の悪さも改善できる。
対策 4

夜|エネルギーをつくり出す、大切なお腹を温めて守る
胃腸が弱いタイプなので、暑い時期でもお腹を冷やすことは厳禁。夜は入浴でお腹を温めてほしいけど、湯船に入ると疲れが増すほど疲労感が強いときは、シャワーでお腹や腰まわりをじっくり温めよう。寝るときも腹巻きを欠かさないで。
流れが停滞し末端に熱が届かない。末端冷えタイプ
滞りが不調の原因。こまめに動くのが肝心
カラダを温める熱はある程度、もしくは十分にあるのに、末端まで届かないタイプ。
「末端冷えは、エネルギーや血液、水分などが何らかの原因で滞ってしまった状態と捉えます。ストレスやカラダを動かさないことが原因だったり、脂っこい食べ物や甘いものが好きな人も、体内に滞りが生まれやすいでしょう」
このタイプは巡らせることが何よりの養生。じっとせずによく動く、汗をかく、食生活を見直すことが大事。
「冷房の効いた部屋でじーっとしているだけで、末端冷えが悪化するので気をつけて。また、ストレスを溜めることも滞りの要因に。自分に合う、気分転換できるアイテムや方法を見つけて、こまめにリフレッシュをしましょう。巡りがよくなり、手足の冷えが改善されることも多いですよ」
対策 1

朝|朝の太陽を浴びることで、自律神経のリズムが整う
メリハリのない生活も冷えの原因。自律神経のオンとオフのスイッチがしっかり働くには、朝の太陽の光が重要。在宅ワークの日でも、10分の外歩きを日課にしてみよう。逆に夜は明るい光を避けるなど、自然に近い光の量を意識して暮らそう。
対策 2

昼|座りっぱなしが一番の問題。こまめに立ち上がって
血流を滞らせる最大の原因は、日中動かないこと。座りっぱなしは特によくないので、1時間に一回は椅子から立ち上がるクセをつけて。その際、スクワットをしたり、股関節を起点に脚を大きく回すことなども取り入れて、下半身の血流をアップさせよう。
対策 3

昼|一日中ダラダラ食べたり、甘いものの過食は避ける
甘いものは血流を滞らせる原因になるので、ストレス解消にお菓子を食べる人は要注意。特に気をつけたいのが、ダラダラと食べること。空腹を感じてから食事をするようにすると、お腹の調子が整い、過食やダラダラ食べ、間食のクセがなくなってくる。
対策 4

夜|脳を疲れさせすぎないよう、目を休ませる時間を確保
目を使いすぎると頭が過労状態になり、自律神経が乱れ血流も滞る。夜は目を休ませる時間にして、スマホを遠ざけるように。ストレス解消にも、スマホデトックスは効果的。滞ったエネルギーを巡らせる効果のある、香りのいいハーブティーも取り入れて。
潤い不足がアンバランスの原因。冷えのぼせタイプ
乾きを潤すことで、冷えの症状が和らぐ
アンバランスな症状は、西洋医学では対処法を導き出しにくく、中医学の考えや対処法が特に活かせるタイプ。
「熱の分布が偏っている状態です。不調の主な原因は、熱を冷やす水が足りない、乾きからきていると考えます」
対策に求められるのは、水をこまめに摂り、潤いを足すアプローチと、運動や入浴などで巡りを促すこと。一度に大量に汗をかくと症状が悪化することもあるので、激しい運動より、ストレッチやヨガなど、適度な運動がおすすめ。
「汗と血液は、元々同じ源からできていると考える中医学。また、血は単なる血液ではなく、全身に栄養や潤いを与える存在と解釈します。いっときに大量に発汗すると血まで消耗するので、全身の潤いがなくなり、冷えのぼせがひどくなる場合もあります」
対策 1

朝|目覚めにストレッチをして、熱のアンバランスを改善
温冷のアンバランスが起きやすいので、目覚めたらストレッチをしてバランスを整え、全身を巡らせて。大量に汗をかくような運動は、元々不足している潤いまで奪ってしまうのでNG。ヨガやストレッチなど、気持ちよくカラダを動かせる程度のものを。
対策 2

昼|体質改善に向く食材が何かを知り、積極的に摂ろう
カロリーが高いこってりした食べ物、甘いものはカラダの巡りを悪くさせるNG食。積極的に摂りたいのは、納豆やオクラなどネバネバしたもの、海藻など、潤いがあってカロリーが低い食材。水をこまめに摂り、水分不足にならないよう気をつけて。
対策 3

夜|下半身をしっかり温めて、血とエネルギーを巡らせる
冷えのぼせの改善には、足をしっかり温め、滞りやすい下半身の血流を促すことが重要。可能な限り湯船に浸かる習慣を取り入れて。また、婦人科系にトラブルを抱えている人も多い体質なので、お腹まわりも冷やさないよう注意しよう。
対策 4

夜|心身の不調和は、深い睡眠が治してくれる
体温のバランスの悪さや、イライラなどのメンタル不調には、ぐっすり眠ることが何よりの薬になる。寝室にはスマホを持ち込まず、頭を覚醒させてしまう光もシャットアウト。アイマスクなどを取り入れ、深く眠るための環境を整えよう。
イラスト・大石さちよ 取材、文・板倉ミキコ
anan 2510号(2026年9月2日発売)より
































