
「なかなか自分の思いを伝えられない…」「もっと愛し合いたいのに回数が減ってきている…」など、セックスについて悩んでいる人は少なくない。そこで、自分とパートナーがより深い繋がりを感じられるためのコミュニケーション術から実践的なテクニックまで、3人の性の賢者がレクチャー。今回は、二人の心と体の距離をさらに縮める、正しい性の知識について。
Index
教えてくれた方々
Profile
鰻澤智美
鍼灸師、ヨガインストラクター、房中術コラムニスト。陰と陽の気を整える中国古来の養生法をもとにした「房中養生」を発信。機能解剖ベースの運動指導と東洋医学的な手技療法を用いたヘルスケアに取り組む。
瀧本いち華
性知識系YouTuber。“タブー視されている性の知識を大人に広める”をテーマにYouTubeチャンネル「瀧本いち華の性知識アカデミー」で性教育・セックス・男女の性質について発信。著書に『おとな性教育』(KADOKAWA)。
なつえり
性愛コミュニケーション・ナビゲーター、日本性科学会会員。「“満ちる”性愛の“たしなみ”」をYouTubeや各種SNSで発信している。ラブグッズを年間約100個ほど研究しており、体験レビューも人気を集めている。
知識正しい性の知識が二人の心と体の距離をさらに縮める
お互いに気遣い合いながら無理のないセックスを

「性交痛」を感じたことのある割合は、女性が9割、男性が5割。
女性の性交痛はよく聞く話だが、男性に関してはほとんど話題にならない。しかし実は…。
「最近のアメリカの研究で、男性の約50%が性交痛を経験したことがあると回答。しかもその痛みをパートナーに伝えた割合を比較すると、女性約72%に対して、男性は約32%。さらに男性が痛みを感じて、セックスを中断した割合はたったの10%で、痛みを言わずに我慢しながらセックスを続けている人が多い! この事実を知っていれば、お互いに気遣い合いながら無理のないセックスを構築できるのでは」(瀧本さん)
挿入直後に痛みを感じやすい人が多いので、まずは10秒止めてゆっくりと動き出すこと、痛い時はすぐに伝えることを共通認識に持ち、性交痛ケアを!
自分の感覚を養って

女性のオーガズムには個人差がある。自分の感覚を養って育てていこう。
オーガズムに達したことがなく悩んでいる人も少なくない。
「オーガズム=絶頂の快感と思い込んでいる人も多いですが、感じ方や反応には個人差があり、実は達しているのにそれに気づいていない人も多いと聞きます。だから二人の気持ちいいを積み重ねることや、小さな変化に気づく感覚を養っていくことが何よりも大切」(瀧本さん)
日頃からマスターベーションで、快楽のポイントやタイミングを知っておくのも効果的!
「ただオーガズムに達することに固執せず、周囲の湿度や温度、相手との呼吸のリズム、発する音などに意識を向けることで、より豊かで密度の濃いセックスになります。それが二人の大きな満足感へと繋がるのではないでしょうか」(鰻澤さん)
ポルノの知識を一度捨ててみる

実は無意識に女性も取り入れているポルノの知識を一度捨ててみる。
ポルノを見る女性も増えてきたが、それを理想化したり、自分たちのセックスにやみくもに取り入れるのは注意が必要。
「男女が同時にフィニッシュを迎える…、これはほとんど美化されたもの。実は快感の波は男女で大きな差があり、男性は興奮したら波がぐんぐん上昇し、一気に下降しますが、女性はその波がなだらか。『賢者タイム』といって、男性がオーガズムに達したら冷静な状態になるのもこの性質によるものです。だからAVに惑わされず、お互いの理解を深めることが何よりも大事なんです」(なつえりさん)
AVの中でよく女性が行っている寸止めやジラし、乳首責めやフェラチオも実は苦手な男性は多いので、見よう見まねではなく、目の前の相手に集中して。
実践Point
1. プレジャーグッズで快感ポイントを開発
自分の快感ポイントを把握するのが、オーガズムに達する近道。「そのヒントを得るためにプレジャーグッズが役立つ。マスターベーションで使うのもありですが、行為中に二人で使えば、性癖や好みの擦り合わせができ、より楽しいセックスに」(なつえりさん)
2. 愛情を、言葉や態度で伝えてアフターケアを
行為後は、想像以上にお互いが無防備な状態に。「ポジティブな自己開示が多いほど、信頼感・親密さが深まるので、行為後こそ愛情表現をしっかりすることが大事。ただし、反省会は厳禁。安心して話せる時間にすることが大切です」(瀧本さん)
3. 快感がアップする!? ツボを刺激し巡りを改善
血流が良くなると、膣から粘液が分泌されやすくなり性交痛を軽減できるため、ツボ押しなどで体を温めてあげて。「足首の内側にある冷えのツボ『三陰交』を押すのが特効薬。血流が良くなるとメンタルヘルスも身体機能も格段に向上します」(鰻澤さん)

anan 2507号(2026年8月5日発売)より

































