万博記念公園
55年の時に育まれて、文化と自然が交じる場。
その広大な会場跡地を整備して造られたのが万博記念公園。園内にはアイコンであり続ける太陽の塔をはじめ、当時の賑わいを伝えるEXPO’70パビリオン、テーマ館で展示された世界各地の民族資料を受け継ぐ国立民族学博物館と、大阪万博の息吹が残る。
前衛芸術家・岡本太郎が手掛けた太陽の塔はもちろん、桜をモチーフにしたシンボルマーク、各国や企業のパビリオンの意匠、個性豊かなユニフォームなど、デザイン性の高さやユニークさは古さを感じさせないもの。作り手の情熱や日本という国のパワーが伝わってくる。当時の人々のメッセージへ思いを馳せながら、じっくり見て回りたい内容となっている。
太陽の塔
岡本太郎ワールドで、色褪せない没入体験を。
“人類の進歩と調和”を表現するテーマ館の一部として、テーマ館プロデューサーの岡本太郎がデザインから館内展示までを手掛けた。高さ約70mの巨大作品のお腹にある「太陽の顔」は現在、頂部の「黄金の顔」は未来、背面の「黒い太陽」は過去を表している。2018年からは長く閉ざされていた内部を一般公開。当時の人々を驚かせた胎内を体感できる。

信楽焼のタイルで作られた「黒い太陽」。

大阪万博閉幕後に行方不明になった「地底の太陽」を復元。

岡本太郎によるスケッチが日付順に並ぶ。

フィギュア太陽の塔(白)などグッズも充実。

胎内を貫くオブジェ「生命の樹」。始原の単細胞生物からクロマニョン人まで生命の進化の過程をたどる生き物が展示されている。

まるでSF映画を思わせる腕の内部は、規則正しい鉄の骨組みで構成されている。

窓越しに見上げる顔もユニーク。
INFORMATION インフォメーション
太陽の塔
吹田市千里万博公園 TEL:0120・1970・89(万博記念公園コールセンター) 10:00~17:00(最終受付16:30) 水曜休(万博記念公園に準ずる) 入館料¥720(別途、万博記念公園入園料が必要) 前日までの事前予約制(当日空きがあれば当日券の販売あり)
anan 2440号(2025年3月26日発売)より