「お礼状がメールで済んだりと、デジタルは短時間で対応できて便利な一方で、手書きは手間がかかるとわかっているからこそ手紙を受け取った相手に『自分のために時間を使ってくれた』ということが伝わり、印象にも残りやすくなります」
と、文具ソムリエールの菅未里さん。そこで手紙を書く上で用意すべき基本の文具を教えてもらった。
「長文をしたためたい時は上品な便箋と封筒のセット、ちょっとした感謝を伝える時は小ぶりのメッセージカードがベスト。日常使いなら付箋も重宝します。また手紙を書く際は、油性ボールペンではなく、万年筆や水性インクにゲル化剤を加えたゲルインクボールペンのほうが紙なじみが良く、柔らかい印象を与えられます。便利かつ気持ちが伝わる最新文房具を使って、手書きの楽しさを気軽に味わってみては」
心が伝わるおすすめ文房具
Paper
手書きを華やかに彩ってくれるペーパーアイテムは、通年で使える定番の柄と、季節ごとの柄を用意しておくと重宝する!
便箋16枚入り各¥704、封筒6~8枚入り各¥528※共に数量限定(
ミドリ)
【Point】郵便で手紙やカードを送る時は郵便局に行こう!
手紙を送ったのに、切手代が足りず戻ってくるケースが勃発中! 「郵便料金の値上げによるものや、送ったメッセージカードが定形外だったりすると料金不足で届かないことも。郵便物が自分のところに戻ってくればまだいいのですが、受け取る側が不足分を払うケースもあり、それはあまりにも無礼すぎるので、注意が必要です。また封筒の外側に自分の住所と名前を書くことを忘れる人も多い。だからこそ郵送する際は、郵便局で出すのが確実! そうすればミスなく、ちゃんと届きます」
Pen
初心者向けの万年筆、筆風サインペン、ゲルインクボールペンなど書き心地が良く、手書きが楽しくなるペンをセレクト。
¥165(ぺんてる TEL:0120・12・8133)
¥1,650(パイロットコーポレーション TEL:0120・281610)
【Point】インクの粘度と気持ちの重さは反比例。ペン先は0.7mmくらいがおすすめ。
最近の傾向として、ペン先の太さがどんどん細くなっているが…。「かつてはペン先0.7mmが標準の太さでしたが、最近は0.3mmや0.4mmなど極細タイプも増えています。しかしインクの粘度が低いと、弱々しい字になり視認性が悪くなり、読みにくくて良い印象を与えません。また細いペン先だと和紙に引っかかって書きにくいため、手紙を書く時はペン先0.7mmくらいが妥当です。フォーマルに感謝を伝える時は万年筆がベストですが、逆にカジュアルにしたい時はゲルインクボールペンを使うと印象が軽くなります」
¥110(ゼブラ TEL:0120・555335)
Useful
カジュアルな場でもさりげない気遣いを感じると、じんわり嬉しいもの。そこで普段使いできる便利なツールをご案内。
20枚入り各¥363(マルアイ TEL:050・3360・5360)
Lサイズ黒¥990(シヤチハタ TEL:052・523・6935)
PROFILE プロフィール
菅 未里さん
文具ソムリエール。文房具に関するコンサルティングや商品監修、メディア出演などで、国内外に文房具の魅力を発信中。YouTubeチャンネル「菅未里の文具部屋」も人気。
取材、文・鈴木恵美
anan 2433号(2025年2月5日発売)より