ここぞという時に押さえたい。最新・贈り物のマナー疑問解消チェックリスト
贈る相手に欲しいものを聞いてもいい?
「ご意向を聞くのは失礼には当たらないため、もちろんOKです。今は物余りの時代。どんなに素敵なものを贈っても喜んでもらえるとはかぎりません。事前に相手のライフスタイルや嗜好がわかっていれば品物を選びやすくなり、気の利いた品を贈ることができます」(NPO法人日本マナー・プロトコール協会理事、明石伸子さん)
お金やギフト券を贈るのは失礼?
「昔は目上の人に現金やそれに相当するギフト券などを贈るのはタブーとされてきました。最近の感覚ではOKとされることもありますが、年長者や不快な気持ちにさせてしまいそうな方へは品物を贈るほうが無難。昇進のお祝いなども現金は避けるべき。お金は手元に残らず、記念にならないというデメリットも」
「ソーシャルギフト」はどの関係性までOK?
「ソーシャルギフトになじみがあり、気兼ねなく渡せる間柄の方にはよいと思いますが、受け取り方すらわからない方に贈るのは失礼になります。基本的に新しいツールは格式が低く、昔から用いられてきたものは格式が高いとされるので、改めて感謝の気持ちを伝えたいなら形式を重んじることが必要です」
どんな時、どんな「のし」を付けるのが正解?
「贈り物に添えられるのし紙は、日本が誇る贈答文化のひとつ。付けた瞬間、装いが一気にフォーマルになるため、相手を敬う気持ちをきちんと伝える時には欠かせません。のし紙の種類や表書きにはルールがあるので、わからなければ、百貨店など購入先のお店で相談しましょう。目的や関係性を伝えれば、それにふさわしいものを用意してくれます」
品物は袋から出して渡すべき?
「贈答品は袋から出して、正面を相手に向けて渡しましょう。その際、中身が何かを伝えてもいいですし、カジュアルなプレゼントなら『開けてみてください!』と促すのもあり。自宅で渡す場合は、入れてきた袋は持ち帰り、出先では持ち帰るのに必要なため、袋も品物とあわせて渡すとスマートです」
「送り状」「添え状」「礼状」の違いを教えて!
「『送り状』は、贈る目的や品物、届く日程の目安を事前にはがきや封書を郵送してお知らせするもの。『添え状』は贈り物に同封するメッセージカードやお手紙のこと。『礼状』は、贈り物を受け取った後に感謝の気持ちを記すものです。こうしたやりとりは、相手との関係性によってはメールやLINE、電話でもOKです」
PROFILE プロフィール
明石伸子さん
NPO法人日本マナー・プロトコール協会理事長。文部科学省後援「マナー・プロトコール検定」を実施。監修本に『この1冊でOK! 一生使えるマナーと作法』(ナツメ社)など。
anan 2433号(2025年2月5日発売)より