年末年始に読みたいマネー本 2024
松本直亮(まつもと・なおあき)さん 約45万冊を扱う丸善日本橋店の2階フロア長。ビジネス書担当歴20年。今年おもしろかった本は『努力は仕組み化できる 自分も・他人も「やるべきこと」が無理なく続く努力の行動経済学』(山根承子/日経BP/1870円)。
地道奈子(じみち・なこ/28歳・派遣社員) 既婚・子なしのDINKS。新NISAへの移行を無事に終えて一息。ポイ活に精を出しつつ、サブスクやスマホなど、新しい固定費の見直しを、目下模索中。
お金や経済への興味関心が高まった2024年。
奈子:今年の冬休みは長いというのに、何も予定がなくて暇を持て余しそうな予感…。おすすめのマネー本があれば、ぜひ読んでみたいので教えてください!
松本:わかりました。今年話題だった本のなかから、anan世代におすすめの3冊を紹介しますね。
奈子:ありがたいです! 今年はどんな本が人気でしたか?
松本:新NISAが始まったことで、投資を本格的にスタートした人が増えたのではないかと思います。それを受けて知識熱が高まったのか、初心者にもわかりやすい、マネーリテラシーを上げるような本の売れ行きがよかった印象です。
奈子:それ、わかります! 私もNISAを始めてからお金や経済関連のニュースに積極的に触れるようになって、根本的な知識があればもっと深く理解できそうなのに…と感じることが増えました。
今年話題になったマネー本をチェック!
松本:今年のマネー本ジャンルでベストセラーになった『きみのお金は誰のため』は、そんな奈子さんのような方にぜひ読んでほしい一冊。ストーリータッチで読みやすく、お金そのものの存在意義や価値を考えさせてくれますよ。
奈子:難しい本は眠くなるので、読みやすいのはありがたいです!
松本:個別株など、さらなる投資に興味が出てきた人には、『投資の教科書』がおすすめ。株価が決まる根拠、社会情勢との関連性など、投資をするうえで欠かせない知識が書かれています。著者が元日経新聞の記者なので、わかりやすくまとまっているのも魅力です。
奈子:この方、経済番組で見たことあります。来年はNISA以外の投資にも挑戦できたらいいなと思っていたところなので、こういった本には興味津々です!
松本:それなら『投資の名著50冊を1冊にまとめてみた』もぜひ読んでほしいですね。タイトルどおり要約本ですが、だからこそ投資の普遍的セオリーを読み解くことができるはず。気になる本があれば読んでみて、さらに深掘りすればより理解が深まるはずです。
奈子:それこそが読書の醍醐味かもしれないですね!
松本:そうですね。本のメリットは、手元に置いておけば、いつでも好きなときに読み返すことができ、知識を自分のものにしやすいこと。今回紹介した3冊はどれもわかりやすい視点で編集されているので、内容がすっと入ってくるのも魅力だと思います。
奈子:お金のこと、経済のことを理解できるのが楽しみ! 早速読んでみたいと思います!
2024年に話題を集めたマネー本3選
きみのお金は誰のため ボスが教えてくれた「お金の謎」と「社会のしくみ」
(田内 学/東洋経済新報社/1650円)
お金の意味や社会の仕組みをわかりやすく教える経済教養小説。ボスと七海と中学生の優斗の3人のやりとりで物語が進むため読みやすく、「お金自体には価値がない」「お金で解決できる問題はない」など、お金そのものについて考えるきっかけを与えてくれる。「普段、何気なく使っているお金の先には必ず人がいて、お金を払うことで誰かの役に立っている。そんな忘れがちなことを再認識させてくれる一冊。小中学生にもおすすめです」
転換の時代を生き抜く 投資の教科書
(後藤達也/日経BP/1760円)
経済ニュースに馴染みがない人にもわかりやすく、おもしろく伝えることを信条にメディアやSNSで発信する著者による初の本。株式市場や経済の仕組みの最新知識を通し、お金の世界をわかりやすく解説する。「社会の動きと連動しているのが株価ですが、その仕組みをわかりやすく解説してくれています。元日本経済新聞の記者だけに、投資について知りたいという世の中のニーズにマッチした切り口で端的にまとめられていて秀逸」
しっかり儲ける投資家たちが読んでいる 投資の名著50冊を1冊にまとめてみた
(タザキ/KADOKAWA/1760円)
YouTubeで投資本の要約を発信する著者が、古今東西の名著50冊のポイントを紹介。本ごとに項目が分かれているうえ、投資ジャンルやタイミング、メンタル、テクニカル分析などの章立てで、拾い読みするだけでも知識が身に付く。自分の投資スタイルを確立する助けになる投資メソッドの比較表付き。「いろいろな投資家や学者などの視点を通して『投資』というものを俯瞰でき、共通点が見えてくるところが興味深いです」