男の人にときめく気持ちも、デート前のドキドキ感も忘れがち。もしくは、恋やセックスはスポーツのように、ストレス解消のため。どちらのタイプも性にまつわる甘い情趣、“官能”から遠ざかっている証拠です。
大人ならわきまえておきたい「官能の流儀」について作家の島本理生さん、漫画家の峰なゆかさん、精神科医の高木希奈さんのお三方に教えて頂きました。

官能とは、知的な遊びである。
「頭を使わなければ、本物の官能を味わうことはできない」と言うのは、漫画家の峰なゆかさん。頭を使うということは、すなわち、「性に対して能動的であること。昔は男性にすべてを任せなくてはいけない風潮がありましたが、今は性に対して積極的な女性が男性にも好まれる時代。セックスはもちろん、そこに至るまでの駆け引きも、何も考えずに男性任せにしていると、マンネリ化して退屈してしまう。“そろそろしてもいいかな”と思いながらもわざとじらしてみたり、頭を使って自ら楽しむことにより官能は生まれます」
官能に浸ることは、五感を使って思い出す作業。
「生身の人間とのコミュニケーションがあってこそ官能を感じられます。たとえ恋人がいなくても、具体的に想像できる相手は重要です。自分の五感を研ぎすませてその人の声や香りを思い出す作業は、心が動き、感情が豊かになるとき。それはどんな創作物をもってしても敵いません」(島本さん)
とくに香りは、記憶と密接な関係が。
「嗅覚は、別の経路を辿る他の感覚機能と違い、感情を司る大脳辺縁系に直接伝わります。香りとともに過去の思い出が一瞬にして蘇るのはそのため」(高木さん)
官能に目覚めるには、女としての本能を認め、肯定することから。
「セックスに興味があり、男性を惹き付けたいと思うのは大人の女性として当然のこと。それを恥ずかしいことだと思わずに、むしろ思う存分楽しんでいると、内側から滲むような色気が出てくるはずです」(高木さん)
その本能を認められず、いつまでも貞操観念に縛られていると、官能はさらに遠のく。
「良い出会いがあれば、流れに身を任せてみる。3か月セックスをしなかったら3年はしないという説もあるように、待機の時間を無為に過ごしていると、官能のスイッチはいつまでも入りません」(峰さん)
官能を高めるために、自分の性的嗜好を知ろう。
「自分にとって官能とは何なのか。どのようなシチュエーションや相手に色気を感じるのか。自分の具体的な嗜好を知っていると、理想に近づきやすくなります」(島本さん)
自分の性の好みを知る作業として、映画や雑誌を使うこともひとつの手段。
「人は見慣れていないものに抵抗を感じます。例えば、マッチョな体が苦手という人も、見慣れてくると徐々にエロさを感じてきたり。自分の好みの傾向を探るためだけでなく、自分の中の官能スイッチの数を増やすためにも映画や雑誌を見ることは有効です」(峰さん)
峰なゆかさん 漫画家。AbemaTV『AbemaPrime』(隔週火曜21:00~23:00)、『スリルな夜!』(隔週火曜23:00~25:00)にレギュラー出演するほか、扶桑社『週刊SPA!』で連載中の「アラサーちゃん」も好評。
高木希奈さん 精神科医。レインボータウンFM『上野淳の東京☆夜会』(毎週土曜19:00~)に出演中。著書は『間取りの恋愛心理学』(三五館)、『精神科女医が本気で考えた心と体を満足させるセックス』(徳間書店)など。
※『anan』2017年3月8日号より。文・菅野綾子 (C)Staras
(by anan編集部)
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