オートファジーやサーチュインを活性化させるには食事や運動など日頃の生活習慣が大事に。1食抜いたプチ断食に運動もスローなものを取り入れて緩やかにスタート。食品はダブルで効く3つの成分に注目を。
和食・腹八分目、軽い運動が基本。科学の裏づけ、エビデンスあり。
細胞の機能低下を防ぐには細胞内のオートファジーをいかに活性化させるか、キーとなるのは食事と運動、カロリー制限と吉森先生。
「食品成分の中にはオートファジーを促進するものがいくつも見つかっています。例えば、ザクロやベリー類のポリフェノールの腸内代謝物であるウロリチン、納豆などの発酵食品に含まれるスペルミジンといったもの。長きにわたって人間が食べてきているものですが、他にもオートファジーを上げる効果のある食品成分がないかを今も調べています。またカロリー制限をするとオートファジーの低下が防がれて動物の寿命が延びることもわかっています。その場合、極端なものではなく、食事を1回抜くとか、腹七、八分目とかでもいいと思います。そして適度な運動もオートファジーを上げます。伝統的な和食で、腹八分目で運動してという昔から良いとされている生活習慣に、科学の裏付け、エビデンスが得られていることを強調したいですね」
POINT1…高脂肪分を控える
糖と脂は控えめに。わかってはいるけれどご馳走には脂も多い。そもそも高脂肪食はどう細胞に影響するのだろうか。
「高脂肪食を続けるとルビコンが肝臓で増えてオートファジーにブレーキがかかって働けなくなり、肝臓に脂がたまる脂肪肝という病気になることがわかっています」(吉森先生)
脂身の多いお肉や揚げ物、高脂肪食は避けて焼き魚、納豆などの低脂肪の食事が、オートファジーには有効ということを忘れずに。
POINT2…適度な運動が細胞を元気にする!
運動とひと言で言ってもストレッチやジョギング、いろいろありますが、体に負荷をかけすぎない適度感がポイントのようです。
「筋トレとか流行ってますが、激しい運動は逆に老化を進めてしまうので、スローエクササイズがおすすめです。ヨガやストレッチ、そういったプチストレスを与えるぐらいがオートファジーを上げるにはいいと思います」(日比野先生)。ウォーキングなどの有酸素運動が○。運動に苦手意識がある人も手軽に始められそう。
ATTENTION!
寒さに身をさらす! 薄着で散歩にトライしよう
寒さの刺激でサーチュイン遺伝子のスイッチが入り、細胞再活性化にもつながるというデータも。マウスの実験では、深部体温を0.5℃程度下げると、メスで20%、オスで12%も寿命が延びたという報告もあるそう。ぬくぬくの部屋を抜け出して、この冬は薄着で過ごす日常にトライしてみては?
POINT3…カロリー制限&プチ断食でサーチュインとオートファジーを活性化させる!
お腹すいた〜、の感覚はじつは正解で、軽い飢餓状態やカロリー制限でもオートファジーは活性化するという実験データもある。
「線虫という生物を使った実験では、カロリー制限するとオートファジーが活性化して、寿命が延びるという結果が出ています。長時間何も食べないという断食はいいとは思いませんが、1食抜く、軽くお腹をすかせるのはいいと思います」(吉森先生)
忙しさで抜いた1食もじつは活性化に一役。
CHECK IT!
ファスティングしなくてもじつはオートファジー活性化ができる!?
一定の期間、食事を摂らないことで、消化器官を休めたり、オートファジーを上げることを目的としたファスティング。一時期ブームにもなったが、3日間というスケジュールには、辛くて苦しいイメージも。でも、1食抜くなど、ちょっとした飢餓状態でオートファジー機能が促進されることは考えられる。
「断食は賛成しませんがプチ断食くらいならオートファジーは活性化していいと思います」(日比野先生)
POINT4…オートファジーとサーチュインの相乗効果を発揮させる食品&成分をチェック!
最新のアンチエイジングトレンドである細胞再活性化の中でも注目されているのが、ダブルで作用する食品成分。ひとつの成分で、機能低下したオートファジーとサーチュインを活性化させるメリットも。細胞再活性化を促す、相乗効果も期待できる。ウロリチン、グルコサミン、レスベラトロール、3つの成分をメインに紹介します。
NUTRIENT
【レスベラトロール】
ポリフェノールの一種。ブドウの種や皮に含まれる。
抗酸化作用を持つ赤ワインやブドウに多く含まれるポリフェノールの一種。主に種や皮に含まれ、植物にストレスを与えることで生み出される天然成分。フランス人はワインが大好きで飲む量も多いのに健康という、フレンチパラドックスの本体がレスベラトロールという説も。
●レスベラトロールが摂れる主な食品
赤ワイン、ブドウ
NUTRIENT
【グルコサミン】
CMでおなじみ、細胞も元気に。
よくテレビCMで流れるワードなので知ってる人も多いはず。カニの甲羅やエビの殻など甲殻類に含まれる成分で、アミノ糖の一種。軟骨細胞でサーチュイン遺伝子の発現を高めるとも。さらにサーチュインを介して、オートファジーを誘導することが研究結果でも示唆されている。
●グルコサミンが摂れる主な食品
カニの甲羅、エビの殻
NUTRIENT
【ウロリチン】
ザクロやベリー、ナッツ類のポリフェノールの腸内代謝物。
ザクロやベリー類の主要ポリフェノールである、エラグ酸が腸内で代謝されてできる食品成分。細胞の機能低下を防ぐポイントである、オートファジーと長寿遺伝子であるサーチュイン遺伝子の双方に良い働きかけをする。ヒトの細胞を使った実験では、サーチュイン遺伝子の活性化が確認された。
●ウロリチンの素となるエラグ酸が含まれる主な食品
ザクロ、ブルーベリー、ラズベリー、くるみ
他にも効く、こんな成分も!
【アスタキサンチン】(オートファジー)
サケ、イクラ、エビ、カニなどに多く含まれる赤色天然色素。別名「海のカロテノイド」ともいわれる。オートファジーを活性する働きがあることも判明。
【カテキン】(オートファジー)
ポリフェノールの一種。緑茶、抹茶などに含まれるタンニンという渋み成分のこと。カテキンも、オートファジーを活性化させる作用がある。
【スペルミジン】(オートファジー)
食卓でもよく見かけるおなじみの発酵食品に多く含まれている成分で、納豆、味噌、醤油、チーズといった食品以外にも、しいたけなどのキノコ類にも豊富に。ポリアミンに分類される。
【NMN】(サーチュイン)
正式名は、ニコチンアミドモノヌクレオチド。NMNを摂取すると腸内で素早く吸収され、サーチュインを活性化させるNAD+に変換される。サプリなどもあるが、まだ少しお高め。
細胞力を鍛えよう! 食事でカバーできないときは、サプリで手軽に「細胞力」アップ!
オートファジー、サーチュインを活性化させる成分の中には、食品ではなかなか摂りにくいものも。そんなときはサプリで手軽に。一日の必要成分がコントロールしやすいのも高ポイントです。
●持ち運べて、気軽に一粒。細胞力アップを期待。
聞きなれない成分でも、オートファジーとサーチュインへの有効性は専門家によって立証済み。一粒一粒にパワーを秘め、細胞の新陳代謝を助ける7つの成分。一日必要量を摂取しようとしたら、たくさんの量を食べなくてはいけない食品も。その点サプリはお手軽。1粒に3つの成分が入ったものや、贅沢に高濃度配合されたものなどもラインナップに。
継続して内側から「細胞力」をアップさせて。
【 レスベラトロール 】
【 スペルミジン 】
【 アスタキサンチン 】
・UHA味覚糖 オートファジー習慣
3つの成分が入ってうれしい。
オートファジー活性研究から厳選したレスベラトロール、アスタキサンチンの2成分に加え、ポリアミンを含む米胚芽エキス末を配合。「AutoPhagyGO」との共同開発商品。30日分¥3,240 通販専用(UHA味覚糖
https://www.uha-shop.jp/)
【 カテキン 】
・伊藤園 健康体 カテキン
お茶メーカーが作る緑茶由来の「カテキン」。
【 レスベラトロール 】
・FANCL レスベラトロール
長寿遺伝子に着目した話題の成分。
厳選した自然由来の赤ブドウやブドウ新芽を使用し、活性の高いトランスレスベラトロール10mgを配合。30日分¥2,036(ファンケルサプリメント相談室☎0120・750・210)
【 ウロリチン 】
・協和 フラコラ ウロリチンカプセル
日本初、ウロリチン配合サプリメント。
【 グルコサミン 】
・アサヒグループ食品 ディアナチュラ グルコサミン
カニやエビの甲殻類成分はサプリメントで効率よく補給。
グルコサミン1500mgに、Ⅱ型コラーゲン含有鶏軟骨をプラス。グルコサミンは体にとってもなくてはならない大事なもの。1日6粒を目安に。180粒入り(30日分)希望小売価格¥1,620(お客様相談室☎0120・630611)
【 アスタキサンチン 】
・大塚製薬 ネイチャーメイド アスタキサンチン
海の天然赤色成分のパワーを凝縮。
製薬会社ならではの厳しい品質薬事をクリアした、添加物無添加のブランド。アスタキサンチンはサケやエビなどに多く含まれる赤色の色素。2粒に10.8mgのアスタキサンチン含有。30粒入り(15日分)希望小売価格¥2,030(大塚製薬☎0120・550・708)
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