睡眠にも深く関わり、季節の変わり目でリズムが崩れやすい自律神経。知っておきたい基本的なメカニズムとは?

自律神経を整え健やかに美しく生きる!

書店には数多くの関連本が並び、テレビ番組で取り上げられるなど、今、健康のキーワードとして注目されている“自律神経”。今回、お話を伺った医学博士の福田千晶さんも、診察をしながら関心の高まりを感じているそう。

「『イライラしっぱなしで自律神経の調整がうまくいかないんですが、どうしたらいいですか?』『なんとなく不調なのは自律神経が乱れているからですか?』など、自律神経に関する質問がとても多いですね。ただ、自律神経という言葉自体は浸透しつつあっても、整える方法はあまり知られていないようです。自律神経は私たちの生命維持を司るとても重要な働きをしており、その仕組みや整え方を知ることは、日々を健やかに、美しく暮らす鍵といえます。ぜひ、整えるための生活習慣や行動パターンを身につけて、ヘルシーライフの土台を作ってください」

自律神経とは、体内の隠れた調整役。

全身に広がる自律神経は、生命維持に必要な機能を支えるために、24時間、無意識のうちに働き続けている。例えば、心臓を動かしているのも、血液を全身に送るのも、汗をかいて体温を調整しているのも、食べ物を消化しているのも、すべて自律神経の働き! 「つまり、私たちの体をベストな状態に自動的にセッティングしてくれているのが自律神経なのです」。これだけ重要な役割を果たしているからこそ、バランスが崩れると、その影響は絶大。頭痛、肩こり、便秘、食欲不振、イライラなど心身に不調が現れる。「自律神経は、自分の意思とは関係なく働いてはいますが、乱れの原因を取り除いてコントロールすることは可能です」

交感神経と副交感神経のバランスが鍵を握る。

自律神経は、交感神経と副交感神経の相反する働きを持つ2つの神経から成り立つ。主に体の働きを促す“アクセル”となるのが交感神経で、逆に体を休ませる“ブレーキ”として働くのが副交感神経。「一日の流れの中では、太陽の動きと同じように、活動時間にあたる朝から昼にかけて交感神経優位になり、午後から夜にかけては、次の日に備え休息をとるために、副交感神経優位になるのが理想的なリズムです。現代人は、活動時間が日没以降にも続き、緊張にさらされる時間も長いため、交感神経優位に偏りがちに。ですから、いかに副交感神経優位のリラックス状態を作れるかが、自律神経のバランスをとる上で大切です」

美肌やメンタル改善など嬉しいメリットがたくさん。

自律神経が整うと、美容の面でもいい影響が! 例えば、肌のコンディション。「交感神経が高まって、血管が細くなった状態が長く続くと、血色が悪くなります。『緊張で青ざめる』という表現は、まさにこの状態。血色が悪くなればクマができやすくなり、十分な栄養分も肌に届かず、肌荒れや乾燥も起きやすくなります。つまり、自律神経が整うことで、肌のコンディションも改善することが多いのです」。また、腸の働きもコントロールしている自律神経が整えば、便秘改善にも期待が持てる。さらに、交感神経が高まってイライラしたり、副交感神経が優位になりすぎてやる気が起きない…といった気持ちの浮き沈みなども減ってくる。

自律神経の整え方をレクチャー!

頭痛、消化不良、不眠…。いま悩まされている不調の原因は、自律神経の乱れかも。福田さんが、自律神経のメカニズムやバランスの整え方を伝授!

sleep
2264 sleep13-2

バランスを意識することがコントロールへの第一歩。

心身の健康に大きな影響を与えている自律神経。

「それだけに、自律神経のバランスを上手にコントロールできる人とそうでない人では、健康に大きな差が出ます」

と福田さん。自律神経の働きは繊細だからこそ、日々の心掛け次第で、バランスは大きく変わっていくそう。

「整えるための大きな3つのポイントは、早寝早起き、リラックスタイム、メリハリのある生活です。特に今、食欲にムラがあったり、胃腸の調子がよくない、生理不順、眠れない、手足が冷える、または起きられないといった人は、自律神経が乱れている可能性が大! 生活を見直してみて、紹介する3つのポイントをしっかり押さえて」

自律神経と上手にお付き合いするための3つのPOINT

POINT1:太陽のリズムを意識して生活する。

自律神経を整える基本は、規則正しい生活にアリ。「昔のように日の出とともに起き、日が沈んだら休息するのがベスト。現代社会ではそうもいきませんが、起床後に太陽の光を浴びるのは交感神経にスイッチを入れるのにとても効果的。朝食を食べ、焦らず身支度を整え、徐々に活動モードに入りましょう」。太陽が沈む夕方以降は、副交感神経を優位にするために、部屋は間接照明に。ゆっくりお風呂に浸かって心身を休ませて。

POINT2:自分がリラックスできる方法を熟知する。

交感神経が優位になりがちな現代人は、副交感神経を高める、自分なりのリラックス法が必須! 「お稽古事でリフレッシュしたり、好きな音楽を聴いたり、気持ちいい、楽しいと感じることが副交感神経を優位にしてくれます。おいしいものを食べるのもいいですね。旅好きの人なら旅番組を見るなど、休みにやりたいことに近いことをやってみるのもおすすめ。温かい飲み物を飲んだり、深呼吸するだけでもだいぶ変わります」

POINT3:生活にメリハリを作るように心がける。

時間に追われ、プレッシャーにさらされる仕事モードを帰宅後も続けると、交感神経が刺激されたまま…。「夜は副交感神経を高めないと、睡眠の質が下がってしまいます。今日の失敗を引きずったり、明日の心配をしたりせず、好きなことをして、自分をいたわってあげましょう。朝は、リモートワークでもギリギリまで寝るのはNG。きちんと着替えて、公私のメリハリをつけることが、自律神経の働きにとってもいいんです」

福田千晶さん 医学博士。1988年、慶應義塾大学医学部卒業。健康科学アドバイザーとして講演や執筆活動を行う。近著に『そもそも血糖値ってなんですか?』(主婦の友社)。

※『anan』2021年9月8日号より。イラスト・ぎゅうにゅう 取材、文・小泉咲子

(by anan編集部)

Share

  • twitter
  • threads
  • facebook
  • line
ライフスタイル

Recommend

こちらの記事もおすすめ

Today's Update
都会に出現した都市と自然が交差する場所をレポート! 平子雄一「HUMAN AND NATURE」展覧会
都会に出現した都市と自然が交差する場所をレポート! 平子雄一「HUMAN AND NATURE」展覧会
Lifestyle
PR
「死の援助法案」を堀潤さんが解説
「死の援助法案」を堀潤さんが解説
Lifestyle
【anan総研】恋愛、仕事、人生…どう頼る? 占いとの付き合い方を教えて!
【anan総研】恋愛、仕事、人生…どう頼る? 占いとの付き合い方を教えて!
Lifestyle
エスプリを感じられる、メイド・イン・フランスのアイテムをお届け
エスプリを感じられる、メイド・イン・フランスのアイテムをお届け
Lifestyle

Movie

ムービー

Regulars

連載