“寝返りを打つ=よく眠れている”証拠? 「快眠」お悩み相談室

ライフスタイル
2019.09.08
真夜中でも光を浴び続ける現代生活、不規則なシフト勤務に、多様なストレス。そんな環境や習慣が、いい睡眠を妨げている原因かもしれません。睡眠学の第一人者である内山真先生に伺いました。

悩み:月曜日の朝、起きるのがいつもよりツライのはどうして?

先生の回答:それは、最近増えている、ソーシャル・ジェットラグです。週末、遅くまで寝ているのが原因。

ソーシャル・ジェットラグとは、平日と休日の睡眠時間の差で起きる、時差ぼけのような不調のこと。休日に平日より3~4時間長く眠ると、体内時計が最大で30分ほど遅れてしまう。これを2日続けると1時間遅れます。なので日曜の夜、12時に寝床に入っても体はまだ11時なので眠くなく、朝6時に起きても体は5時だからツライのです。休日もあまり朝寝坊しないようにしましょう。

悩み:よく眠れるようにと、しっかり運動しているのに、なぜかぐっすり眠れない!

先生の回答:運動もやりすぎは眠れなくなる原因になります。

起きて脳が活動している間、一種の睡眠物質が脳に溜まります。それがたくさん溜まるほど眠気は強くなり、眠っている間に元のレベルに戻って目が覚めます。運動ではかなり脳の活動が促されるので、よく動いた日はぐっすり眠れると考えられています。ただし、運動のしすぎは逆効果。やりすぎると筋肉に違和感が生じてかえって眠れなくなってしまうことも。運動は適度なレベルで。

悩み:寝相が悪すぎて、いつも隣で寝ているパートナーに迷惑かけてます…。

先生の回答:寝返りが多いのはいいこと。よく眠れている証拠ですよ。

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ノンレム睡眠は浅いレベルから深いレベルまで、3つの層に分かれています。深いレベルから浅いレベルに移るところで、人は寝返りを打ちます。そうしないと血液が体の一部に滞ってうっ血してしまうからです。きちんと寝返りが打てるということは、睡眠のリズムが正常に働いている証拠。起床後も熟睡感が得られているはずです。パートナーが眠れないのなら寝床を分けるのも一案。

悩み:夜勤のある職場なので、就寝時間、起床時間がバラバラです。

先生の回答:あくまでも日勤を生活リズムの基本にしましょう。

眠りにつく時刻で起きる時間が決まるのではなく、毎日起きる時刻で眠りにつく時間が決まります。なので、不規則に入ってくるシフト勤務に対応するのは、とても難しいこと。夜勤のリズムに順応してしまうと日勤のリズムが乱れるので、夜勤の後はサングラスをかけて太陽の光を避けて帰宅、脳を覚醒させずに眠りましょう。そしてあくまで日勤生活を基本にすることがおすすめです。

うちやま・まこと 日本大学医学部精神医学系主任教授。日本睡眠学会理事長を務める。著書に『睡眠学の権威が解き明かす 眠りの新常識』(KADOKAWA)、『睡眠のはなし』(中公新書)など。

※『anan』2019年9月11日号より。イラスト・SANDER STUDIO 取材、文・石飛カノ

(by anan編集部)

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