いびきをかくのはなぜですか?
顎の形や体型のせい。睡眠時無呼吸症候群に注意!
「とくにレム睡眠の時は、体が積極的に脱力しているので、姿勢によっては気道が狭くなる。そこに空気が入るといびきになるのです。もともと顎が小さい人はいびきをかきやすいのですが、そういった骨格的な理由がない場合は、健康が心配。肥満がその一つにあたります。また、いびきをかいている時は、気道が狭くなっているので、無呼吸にもなりやすい。いびきをかいていたら、7割くらいは無呼吸症候群の可能性があると考えられます。呼吸が止まれば、息継ぎをするようにと脳から覚醒の指令が出るので、結果、浅い眠りになってしまうのです」(櫻井先生)
金縛りがおきるのは、どうしてですか?
レム睡眠時に目が覚めてしまうから。
「金縛りは、レム睡眠の直後に起きると体験するものです。レム睡眠とは、脳は起きている時と同じくらい活動しているのに、体は動かない状態。睡眠と覚醒はすぐに切り替えられないので、レム睡眠の直後に意識が戻ってしまうと、体は動かず金縛りになるのです。でも、数秒から数分たてば、元に戻ります。金縛りになるのは、疲れている時など、何かコンディションが影響しているわけではなく、本当にたまたま。めったにおこりませんが、単なる生理的な現象です。もちろん都市伝説的に言われているような、霊などとも全く関係ありません」(櫻井先生)
夢の内容と睡眠に関係はありますか?
関係ありません。夢には意味がないのです。
「夢見が良くても、悪くても、睡眠には影響しません。『悪い夢を見ると起きた時に疲れている』という人もいますが、それはあとからそう評価しているだけ。夢を見るからといって、よく眠れていない、ということもないのです。そもそも夢は、覚えていなくても、誰しも毎晩見ているもの。夢は悪夢が多いといわれるのは、嫌な夢で目を覚ましやすいから です。また、夢の中でおかしなことばかり起こるのは、論理的な思考を司っている脳の機能が、睡眠中は低下しているため。夢の内容がいくらおかしくても、そのまま受け入れて しまうのです」(櫻井先生)
寝言に答えてはいけないといううわさって?
嘘です。脳のリセット時に声に出しているだけ。
「寝言に答えても、相手の健康を損ねるなど、何か不具合が生じることはありません。寝言が良睡眠の妨げになるということもないのです。寝言は何か意味があるわけではなく、単なる自動行動。人間は、起きている時に何も考えずに歩いていたりしますが、そんなふうにほとんどの行動が自動的に行われていて、寝言もその一つです。日中は、自動行動がおかしな方向へいかないように脳が制御しているものの、寝ている間はその機能が低下するため、寝言を言うことも。寝言は決して珍しいことではないので、とくに心配する必要はないでしょう」(櫻井先生)