冷え予防、免疫調節力UPの生姜パワーをチャージ!
「生姜が健康にいいとされている理由は“辛味成分”です」と話すのは、生姜などの食材研究の第一人者として活躍する、医学博士の平柳要さん。
「生の生姜は主に殺菌作用があり、加熱した生姜は食べた直後から血流を促進して体を温める作用が3時間程度続きます。冬の冷え対策や健康づくりに取り入れるといいでしょう」
まずは生姜が持つパワーを解説。合わせやすく、取り入れやすい食材なので、毎日の食事に積極的にプラスして。
◎良い生姜の見分け方。
ふっくらした形のもの、乾きすぎたり湿りすぎたりしていない半乾きのものが◎。
生姜のスゴさはこれだ!
【CHECK1】生の生姜には強い殺菌作用があるので、薬味としても通年活躍。
【CHECK2】加熱すれば血流を促し、体を芯から温める。
【CHECK3】温めることで胃腸の働きを助け、お腹の調子を整える。
【CHECK4】免疫システムを調節して体内の炎症を抑える効果も。
Q. どんな栄養成分が含まれていますか?
A. メインは辛味成分。一つは生の生姜に含まれる“ジンゲロール”で、殺菌作用や解熱作用があります。加熱すると、このジンゲロールは徐々に“ショウガオール”に変わり、体を芯から温め、お腹まわりの血流を促進。加熱してもジンゲロールが消滅することはなく、むしろショウガオールと両方の成分が摂れるため、温めて食べるのがおすすめ。
Q. 1日の摂取量の目安はどのくらい?
A. 生姜には刺激成分が含まれるので、一度に大量に食べることはできません。1日に目指したい量は生の場合、親指ぐらいの大きさで約10g、粉末の場合は1~2g。2回ぐらいに分けて食べるといいでしょう。“ジンゲロール”や“ショウガオール”は細かくするほど摂取しやすくなり、鍋やスープにも溶けやすいので、すりおろしがおすすめです。
Q. 生姜の種類と旬を教えて!
A. 種類は大きく分けて“根生姜”と“葉生姜”の2種類。根生姜とは生姜の地下茎が肥大した部分のことで、貯蔵させた“ひね生姜”と収穫直後の“新生姜”があります。葉生姜とは、地下茎がやわらかいうちに葉がついたまま収穫されたもののことで、谷中生姜が知られています。旬は、ひね生姜は通年、新生姜は9~10月頃、葉生姜は6~7月頃になります。
ストックできる生姜の“万能調味料”。ジンジャーシロップ
生姜についての基礎知識のあとは、生姜を日々の食事に取り入れるべく生姜に詳しい料理家・森島土紀子さんに、あると便利な生姜の万能調味料と、レシピを教えていただきました。
砂糖やみりんをジンジャーシロップに置き換えてヘルシーに!
【材料】
生姜…50g ザラメ…300g 水…500ml
【作り方】
(1)生姜を皮ごと薄切りにする。
(2)鍋に(1)、ザラメ、水を入れ、3分の2の量になるくらいまで弱火で20~30分煮詰める。
ジンジャーホットココア
ココアにプラスするだけでポカポカに。
【材料(1杯分)】
ジンジャーシロップ…大さじ3 ココア…カップ1杯分
【作り方】
温めたココアにジンジャーシロップを入れる。
ジンジャーハイボール
生姜の香りと炭酸が爽やかなハーモニー。
【材料(1杯分)】
ジンジャーシロップ…大さじ1 氷、ジンジャーシロップの生姜、ハイボール…各適量
【作り方】
(1)グラスにジンジャーシロップと氷を入れて、ハイボールを注ぐ。
(2)ジンジャーシロップの生姜をのせる。
“ジンジャーシロップ”を使った他レシピは本誌(anan 2427号)をチェック!
PROFILE プロフィール
医学博士・平柳 要さん
東京大学大学院医学研究科修了後、日本大学医学部准教授に。現在は食品医学研究所の代表兼所長を務め、TV、雑誌などメディアでも活躍中。著書に『病気にならない!生姜ココア健康法』(サンマーク出版)など。
生姜料理研究家・森島土紀子さん
生姜に魅せられ、料理家の道へ。現在は神奈川県で生姜料理を提供する『しょうがの森』のオーナーを務めている。共書に『体が整う とっておきのしょうがレシピ』(ナツメ社)など。テレビや雑誌などメディアで活躍。