スイーツライターのchicoさんがおすすめスイーツを紹介する「お菓子な宝物」。今回は『カカオ菓子 suminoza(スミノザ)』のクッキー缶とバウムクーヘンです。
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茶色いお菓子は地味だけどおいしい。『ネル クラフトチョコレート トーキョー』の村田友希シェフが新たに立ち上げたチョコレート焼き菓子専門店には、茶色がずらりと並んでいた。使うのは『ネル』のビーン・トゥ・バー(カカオ豆から作るチョコ)。全てベトナム産カカオのチョコだが、フルーティでキリッと酸味があり、焼いてもその特徴をキープできるので、実は焼き菓子向きという。「焼き菓子なら、これまでとも違うカカオの表現ができます」と、シェフが意気揚々と生み出したのは、ショコラティエらしいチョコ尽くしのクッキー缶。カカオの果実味を放ちさくほろと崩れるサブレに、スパイスとオレンジの香りがそそるカリカリのチョコスペキュロス、噛むほどカカオの旨みが溢れるカカオニブ入りフロランタン……味も食感もさまざまに、カカオの奥深い世界に迷い込ませてくれる。

さらに個人店には珍しい、バウムクーヘンオーブンも導入。毎日焼き上げるバウムクーヘンはしっとりソフトな口当たりにするべく、生地をシフォンケーキに近いメレンゲベースに。チョコをたっぷり入れるほど生地が崩れやすくなるのは、こんにゃくパウダーで解決してみせた。フワッとほどける儚い口どけと、香ばしさや熟成香に満ちたカカオ感を見事に両立。気さくなのに本格派なビーン・トゥ・おやつを頬張ろう。

チョコとカカオの焼き菓子6種を詰めた「suminozaのクッキー缶」¥3,456。スリーブを彩る“カカオ染め”は染色作家である村田シェフのお姉さんの作。「バウムクーヘン カット」(3個入り¥1,512)のメレンゲ主体の配合は、チョコの香りをクリアに感じさせてくれる効果も。周りのチョコ糖衣がカカオ感をよりふくらませる。おうちパッケージ入りでカジュアルギフトにもぴったり。

カカオ菓子 suminoza 東京都中央区日本橋浜町2‐1‐5‐101 TEL:03・4400・9111 11:00~18:00 火・水曜休

チコ スイーツライター。大人気のガイド本『東京の本当においしいスイーツ探し』(ギャップ・ジャパン)シリーズ監修。

※『anan』2024年8月28日号より。写真・清水奈緒 スタイリスト・野崎未菜美 取材、文・chico

(by anan編集部)

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