免疫力アップのおまけも! 定番にしたい発酵温活鍋。
食べるだけで温まり、寒くなるこの時期にうれしいのが鍋料理。さらなる温め効果を狙うなら、「発酵食品と、体を温める食材を上手に組み合わせましょう」
と、料理家の新谷友里江さん。
「発酵食品によって腸の働きが整うと体の中心から温まりやすくなるだけでなく、温め食材の栄養素がしっかりと吸収されて、体温アップに役立ちます。自律神経のバランスが整い、血行促進にも効果的。免疫力も上がるなど、さまざまな相乗効果が期待できます」
鍋にする時は、漬物や納豆、チーズ、甘酒などの身近な発酵食品をベースに、まずは、「熱を作る筋肉の材料であるタンパク質、とくに動物性タンパク質をしっかりと。そこに香味野菜やれんこん、にんじんなどの根菜類といった体を温める食材を。血行促進作用のあるビタミンEが豊富なごまやナッツもいいですね」
温活効果抜群の組み合わせながらささっと作れる、小鍋仕立ての3品を教えてもらった。
発酵食品
体に良い働きを持つ菌の発酵作用を利用した食品。漬物やチーズ、みそなど。菌自体は加熱で不活性化するが、その状態でも腸内環境を整えるのに役立つ。
温め食材
血行促進成分が含まれるしょうがやにんにく、スパイスのほか、根菜にも体を温める働きが。タンパク質ではとくに、L‐カルニチン豊富な赤身肉がおすすめ。
鶏肉と水菜の豆乳酒粕鍋
整腸&温め力抜群の酒粕に、豆乳とみそを加えクリーミーに。鶏むね肉は片栗粉をまぶすことでしっとりと柔らかくなり、汁にとろみが出て保温力もアップ。焼き餅を入れてもおいしい。
【材料/1人分】
鶏むね肉…1/2枚(120g)、水菜…1/4袋(50g)、油揚げ…1/2枚(30g)、だし汁…300ml、酒粕…30g、豆乳(成分無調整)…100ml、A[みそ…大さじ1、みりん…大さじ1、塩…小さじ1/4]、塩…小さじ1/8、こしょう、片栗粉…各少々
【作り方】
1、鶏肉はひと口大のそぎ切りにして塩、こしょうをふり、片栗粉をまぶす。油揚げは十字に4等分し、水菜は7~8cm幅に切る。
2、鍋にだし汁を入れて中火にかけて沸かし、鶏肉を入れる。肉の色が変わったらAを加え、油揚げを入れて煮る。
3、酒粕を煮汁で溶きのばしながら加え、豆乳を加えて温める。仕上げに水菜を加えてさっと火を通す。
納豆麻婆鍋
にんにくやしょうがをしっかり効かせたみんなが大好きな麻婆味と、ひきわり納豆のうまみ&まろやかさが好相性。青梗菜は小松菜などほかの青菜に代えてもOK。シメを入れるならぜひラーメンで。
【材料/1人分】
牛切り落とし肉(赤身が多いもの)…80g、青梗菜…1株(150g)、木綿豆腐…1/3丁(100g)、ひきわり納豆…1パック(45g)、にんにく…1/2かけ、しょうが…1/2かけ、豆板醤…小さじ1/4、ごま油…小さじ1、A[オイスターソース…大さじ2、酒…大さじ1、鶏ガラスープの素…小さじ1/2]、ラー油…適宜
【作り方】
1、青梗菜は長さを3等分し、茎の部分を縦六つ割りにする。木綿豆腐は食べやすい大きさに切り、にんにく、しょうがはみじん切りにする。
2、鍋にごま油、にんにく、しょうが、豆板醤を入れて弱火にかける。香りが立ったら中火にし、牛肉を入れて炒める。
3、肉の色が変わったら水400mlとAを加えて煮立たせ、青梗菜、豆腐、納豆を入れて弱火で7~8分煮る。好みでラー油を垂らす。
手羽元とれんこんのヨーグルトカレー鍋
冬においしいれんこんを、手羽元と一緒に煮て食べごたえのあるスープカレー風に。ヨーグルトは煮込むとコクが出て、クリーミーな口当たりになる。ご飯を添えるか、バゲットを浸しつつ食べても。
【材料/1人分】
鶏手羽元…3本(150g)、れんこん…80g、ブロッコリー…1/6個(50g)、にんにく…1かけ、プレーンヨーグルト…100g、バター…10g、A[酒…大さじ1、カレー粉…大さじ1/2、洋風スープの素…小さじ1、塩…小さじ1/3、こしょう…少々]、塩…小さじ1/8、こしょう…少々
【作り方】
1、手羽元は骨に沿って切れ目を入れ、塩、こしょうを揉み込む。れんこんは1.5cm幅の半月切りにし、さっと水にさらして水気を切る。ブロッコリーは小房に分ける。にんにくはみじん切りにする。ヨーグルトはよく混ぜて滑らかにしておく。
2、鍋にバターを中火で熱し、手羽元を入れて焼く。全体に焼き目がついたらにんにくを入れてさっと炒め、水300mlとA、ヨーグルトを加えてよく混ぜる。
3、煮立ったられんこんを加えて蓋をし、弱火で10分ほど煮る。全体に火が通ったらブロッコリーを加えてさっと煮る。
新谷(にいや)友里江さん 料理家、管理栄養士。日々のテーブルに役立つ一品から栄養バランスの良いダイエットごはんまで幅広く提案。『豆腐干でやせおかず100』(主婦と生活社)ほか著書多数。
※『anan』2023年12月6日号より。写真・津留崎徹花 スタイリスト・野崎未菜美 レシピ作成&料理作製・新谷友里江 取材、文・新田草子
(by anan編集部)