夜遅くにがっつり食べると太る。かといって晩ごはんを抜いたり質素に済ませたりすると、それもまた太る原因になる。そう指摘するのは、ダイエット講師の松田リエさん。
「夜食べすぎると太るのは事実です。夜はカロリー消費が少なく、判断力が鈍って脂質や糖質の多いものを選びがち。さらに時計遺伝子の影響で、深夜は脂肪が溜まりやすい。だからといって夕食を抜くと、代謝が低下。ホルモンが乱れて食欲が暴走します。大切なのは、食べないことではなく、夜に食べても太らない食事法を身につけること」
そこで取り入れたいのが、“瞬食”に基づく夜食作り。
「“瞬食”とは、“すぐ身につく正しい食の知識”と“すぐ作れる時短&簡単料理”による食習慣のこと。特に筋肉を維持して基礎代謝を保つべく、タンパク質とビタミンB群をしっかり摂ることを目指します。そうすれば、夜食べても太りにくい体になるはず。ぜひ、今日から取り入れてみてください」
健康的な夜食=夜“瞬食”とは?
POINT1:疲れていても負担にならない“すぐ”できる手軽なレシピ。
POINT2:基礎代謝を下げない“タンパク質+ビタミンB群”の組み合わせ。
POINT3:カツオ節や青のりなどで風味をプラスし、塩分過多を防止。
POINT4:良質な睡眠を妨げない、消化によい食材をチョイス。
“瞬食”の要は、栄養バランスの整ったものをきちんと食べて代謝を保つこと。そのため、疲れていても作れるシンプル&イージーな調理法でタンパク質とビタミンを補い、基礎代謝の多くを担う筋肉量をキープしよう。さらに、夜食べることで起こりやすい、むくみと睡眠不足にも対策を。塩分を摂りすぎるとむくんで体重がすぐ増えるので、塩の代わりに風味で満足感を補う。睡眠不足はホルモンを乱して食欲爆発につながるので、消化しやすい食材を選んで睡眠の質を保ちたい。
【ヤセ夜食重要食材】大活躍の主役・タンパク質10傑
ツナ缶(ノンオイル)
低カロリーかつ、中性脂肪値を下げる働きがある必須脂肪酸が豊富。
サラダチキン
なんといっても手軽さが魅力。肉汁には疲労回復物質も含まれる。
木綿豆腐
食べ応えがあって低カロリー。女性の味方、大豆イソフラボンも。
豆乳
ビタミン類が多く、しかも低脂肪。牛乳の代わりに使える。
卵
食物からしか摂れない必須アミノ酸9種がバランスよく含まれる。
サバ水煮缶
必須脂肪酸であるDHA・EPAが豊富。ビタミンDも多く含む。
鶏ムネ肉
疲労回復に役立つ抗酸化成分、イミダペプチドがたっぷり。
シーフードミックス
凍ったまま使えて便利。アサリ入りなら、鉄や亜鉛も摂取できる。
納豆
発酵させることで大豆よりビタミンB2が増加。腸活に役立つ。
ギリシャヨーグルト
水切りしてある分、栄養が濃縮されて脂肪が少なめ。腸活のお供に。
【ヤセ効果をアップさせる】ビタミンB群をプラス
タンパク質を摂るときは、ビタミンB群を一緒に。ビタミンB群は、タンパク質、脂質、糖質からエネルギーを作るために必須。筋肉を作るのにも欠かせない。
がっつり食べたいときの“主食あり”夜瞬食
ごはんを食べ損ねて空腹な夜は、主食とおかずを一度にいただける、ボリューム満点な一皿を。タンパク質たっぷりで、夏のスタミナ不足解消も。
スルスルッと食べて腸のお掃除!
オクラと納豆のネバネバそば
タンパク質豊富な納豆に、ビタミンB群を含むそばとキムチをトッピング。発酵食品である納豆とキムチ、食物繊維の多いそばで腸内環境改善も。わさびとごま油のアクセントが食欲を増し、十割そばのコシで満足感もばっちり。#腸内環境改善 #抗酸化作用
【材料/1人分】
十割そば(乾)…80g、ひきわり納豆…小1パック、オクラ(冷凍の切れているものでもOK)…2本、キムチ…30g、A[醤油、ごま油、わさび…各小さじ1/2 みりん、出汁…各大さじ1/2]
【作り方】
(1)納豆は添付のからし、タレと混ぜる。オクラはそばを茹でるお湯を沸かしたときにさっと茹でて食べやすく切っておく。そばを茹で、水で冷やして水気を切る。
(2)そばを器に盛り付け、納豆、オクラ、キムチをのせ、Aを混ぜたタレをかける。
混ぜて美味しい&美容に嬉しい!
スタミナたっぷりコチュニラ丼
むくみ対策によいカリウムや、抗酸化力でアンチエイジングに役立つビタミンEなど、栄養豊富なニラをモリモリ食べられる。ツナと調味料は缶の中で混ぜればよいので簡単。温泉卵をのせることで、コクが出る。#美肌効果 #疲労回復
【材料/1人分】
ニラ…1/2束、ツナ缶…1缶(70g)、A[コチュジャン…小さじ2 ごま油、醤油…各小さじ1/2]、ご飯…150g、温泉卵(または卵黄)…1個分、ごま…適宜
【作り方】
(1)ニラは4cm幅のざく切りにして耐熱容器に入れ、ふんわりとラップをかけて電子レンジ(600W)で40秒加熱する。ツナ缶にAを入れてよく混ぜる。
(2)ご飯の上にニラと(1)で混ぜたツナをのせ、最後に温泉卵をのせ、お好みでごまをふって完成。
松田リエさん 看護師、保健師、ダイエット講師。BelleLifeStyle協会代表理事。栄養学や生理学を基に“食べてヤセる”メソッドを提案。著書『ずぼらに健康、やせ体質! 瞬食オートミールダイエット』(西東社)が話題に。
※『anan』2023年6月28日号より。写真・内山めぐみ レシピ作成、料理作製、スタイリング・田村つぼみ イラスト・小林潤奈 取材、文・風間裕美子
(by anan編集部)