ハーブやスパイス、食材を組み合わせるのが楽しい!
イギリス留学の際、いろいろなベジタリアンフードがあることを知ったYOKOさん。帰国後、完全菜食のヴィーガンレストランで働き始めたことがきっかけで、ヴィーガン料理の世界にのめり込んでいったという。
「イタリアンや中華などのよく知る料理とは違い、ヴィーガン料理の見た目、味、盛り付けなどの斬新さに興奮して、魅力にハマっていきました。野菜は生で食べられる種類が多く、肉や魚と違って、茹でる、焼くなどの火加減も簡単。冷凍しても、工夫次第であまり味が落ちません。なんといっても、無限にあるスパイスやハーブ、食材の組み合わせを考えるのが楽しい! 私はいつも、スーパーに行って、今日はこれが美味しそう、これが安いなど、そこにある旬のものでレシピを組み立てますが、お馴染みの野菜でも切り方を変えるだけで食感が変わったり、この野菜の代わりにこの果物を使おうなど、毎日違うレシピが誕生します。そんなヴィーガン料理の楽しさを知っていただけるようなレシピを紹介します」
SUNPEDAL式、ヴィーガンフードのポイント
1 一皿で、五感を刺激する。
カラフルな見た目と、ハーブやスパイスの香りや味で食欲をそそり、ザクザク、ボリボリ、カリッなどの音や食感は、脳への刺激に。ワンプレートで、五感がフルに働くことで、食事への意識が高まる。
2 食材の色を活かして、見た目も美しく。
野菜や果物は、色がきれい。洋服をコーディネートするような感覚で、お皿をパレットに見立てて、緑、赤、黄色や紫などの発色がいい食材を組み合わせると、食欲も食べる楽しさも倍増。
3 具材の組み合わせは無限。
ヴィーガン料理は野菜、果物、豆、きのこ、ハーブ、スパイスを使うのが基本。バランスさえ考えれば、相性のいい食材ばかり。食材の種類、甘味、塩味、酸味、辛味を掛け合わせて、レシピは無限になる。
4 ハーブ、スパイスで香りを引き出す。
ハーブやスパイスと聞くと、難しいと思うかもしれないが、実は、味噌や醤油などの和の調味料との相性抜群。香りもいいので、少し取り入れるだけでも、ワクワクするような新しい料理に出合える。
春野菜とグリル柑橘サラダ
新玉ねぎ、紫キャベツ、インゲン、セロリなど、春野菜をふんだんに使った、食感が楽しいサラダ。レモンではなく甘みのある柑橘を使うことで、見た目も味も一新!
【材料(2人分)】
新玉ねぎ…100g、紫キャベツ…200gほど、セロリ…100g、塩orさんぺだる塩…7.5g、柑橘果汁…50g(みかん、シークワーサー、レモンなどお好みの柑橘)、インゲン…100g、オリーブオイル…20g、グリル用の柑橘類(タンカン、金柑、オレンジなど旬のもの)…2つ、キヌア(火を通した状態)…30g、ディル…適量
What’s さんぺだる塩
SUNPEDALが手がけるスパイス塩。高栄養のシチリア島トラーパニの塩を使い、スパイスやハーブ16種類を自家挽きしてブレンド。塩同様に使えば、香り豊かに。
【作り方】
1. 新玉ねぎ、セロリ、紫キャベツを、みじん切りにして均等の大きさに。塩、柑橘果汁を入れてよく混ぜる。
2. 1の野菜をざるに移して、その上に重しをのせる。数時間~一晩放置して、野菜の水分を出す。
※野菜の水分を出すことで野菜に味が染み込み、翌日でも美味しいサラダに。
※時間がない場合は、新玉ねぎ、セロリ、紫キャベツを2cm角にカットして食感を出す。塩と柑橘果汁を入れてざっくり混ぜ合わせる。
3. タンカンなどの柑橘の皮を剥いて、2cm程度の輪切りに。オリーブオイルと塩少々(分量外)でフライパンで軽く焦げ目がつくまで両面を焼き、取り出す。
4. 柑橘を炒めたフライパンは洗わずに、そのままインゲンを炒める。筋を取ったインゲンは1.5cm角程度にカットして、塩少々(分量外)を振りかけて食感を残すために硬めに炒める。
5. 水分を十分に切った2の野菜と炒めたインゲン、グリルした柑橘、炊いたキヌアを合わせて軽く混ぜて、ディル(セロリの葉っぱやパセリでもよい)のみじん切りを合わせて完成。塩気が足りない場合はここで調整。食べる直前に柑橘果汁を搾ってもよい。
【POINT】
それぞれの食材は調理の時に味をつけ、塩で水分を出しておくことで時間が経っても味がぼやけない。生、炒める、茹でるなどの違う調理法のものを混ぜることで食感がよくなる。
教えてくれた人 SUNPEDAL/YOKO KOIKE シュガーフリー、化学調味料、添加物不使用のヴィーガンケータリング「SUNPEDAL」主宰。自らの留学経験や旅を通して身につけた、無国籍フュージョン料理を提供。グルテンフリーのヴィーガンスイーツ「エナジーボール」も人気。Instagramは@sunpedal
※『anan』2023年4月5日号より。写真・橋原大典 料理作製、スタイリング・小池陽子 取材、文・若山あや
(by anan編集部)