新しい和菓子
京都人は想像以上に新しいもの好き。そう実感するのは手みやげを何にするか考える時だ。いつだって街には新しい味が溢れている。
まず紹介したいのは次世代の定番となりそうな和菓子から。といっても気鋭の和菓子作家の作品から、老舗の復刻、漬物店の展開などバリエーションは豊富。京都ラバーにこそ驚いてもらいたい、新鮮な顔ぶれが揃っている。
1、御菓子丸「宝相華(ほうそうげ)」
1箱9枚入り¥3,500
これまで体験したことのない口どけと、描かれた花を感じる、甘い味わいと香り。
見た目の美しさと、それにふさわしい味わいを追求し、口に入れた瞬間に驚きをもたらす『御菓子丸』の菓子は、主宰する杉山早陽子さんにしか作れないもの。最新作の宝相華は空想上の植物を木型に写し、抜いて焼き上げた菓子。和三盆とも焼き菓子とも違う、なめらかな口どけが新鮮。余韻に残るのは杏仁の香り。
https://www.okashimaru.com Webで購入可。
2、すはま屋「洲濱」「春日の豆」
「洲濱」1本¥972、「春日の豆」90g¥702
360年の歴史を受け継いで、変わらない味と姿を復刻する。
洲濱とは煎った大豆で作る和菓子。惜しまれつつ店を閉めた『御洲濱司 植村義次』の店主に教わり復活させた洲濱は、新しくも伝統ある味わい。
京都府京都市中京区丸太町通烏丸西入常真横町193 TEL:075・744・0593 10:00~17:30(喫茶12:00~17:00LO) 日・祝日、第2・4水曜休(喫茶は水・日・祝日休) Twitterは@suhamaya193 冬季のみ電話で取り寄せ可。
3、A LITTLE PLACE「A LITTLE BONBON」
1箱8個入り¥2,200
美意識に満ちるギャラリーで、薔薇がふわりと香る松露を。
洋の東西も時代も問わず美をテーマにするギャラリーでは、用意された和菓子もまた美を意識させるもの。小さく丸めた餡にすり蜜をまとわせた松露は、口に広がるダマスクローズの香りが上品。
京都府京都市中京区押小路通御幸町西入橘町610 TEL:なし 11:00~19:00 営業日は毎月20日頃に翌月分をInstagram(@_a_little_place_)で告知。取り寄せ不可。
4、京甘藷「黄金芋」「べっこう芋」「ひょうしぎ」「塩けんぴ」
「黄金芋」170g¥700、「べっこう芋」270g¥700、「ひょうしぎ」270g¥700、「塩けんぴ」80g¥400
手切りのさつま芋を際立たせる控えめな甘さの蜜とのバランス。
開店1時間で完売もあるという、芋けんぴと大学芋の専門店。料理人でもある店主・家村慶一郎さんがすべて手切りするさつま芋。とりわけ繊細な芋けんぴは手が止まらなくなるほど。
京都府京都市右京区鳴滝蓮池町12‐7 TEL:075・461・5501 10:00~売り切れ次第終了 火・水曜休 Instagramは@kyokansho.koganeimo 電話、InstagramのDMで取り寄せ可。
5、菓子屋のな「アントニオとララ」
2個¥940
香るハーブと花に彩られた、2つの味の進化系あんこ玉。
和菓子職人の名主川千恵さんが旬の果物を使い、日々の暮らしに溶け込む上生菓子を提案する和菓子店。焦がしキャラメルあんと、マンゴートロピカルあんのあんこ玉は、和洋のバランスが絶妙。
京都府京都市下京区醒ヶ井通万寿寺角篠屋町75 TEL:なし 12:00~18:00(売り切れ次第閉店) 日・月曜休 Instagramは@kashiya.nona 取り寄せ不可。
6、田中長(たなかちょう)奈良漬店「奈良漬バターサンド」
1箱6個入り¥2,376
存在感ある奈良漬とクリームの相性よさに驚く新たな味わい。
寛政元年創業の老舗が手がけた菓子は、あくまでも主役は奈良漬と、ごろっと入った姿がインパクトあるものに。濃厚なバタークリームにクルミを練り込んだクッキーで、奈良漬を菓子へと進化させている。冷凍で販売。
京都府京都市下京区綾小路通烏丸西入童侍者町160 TEL:075・351・3468 8:30~17:30 無休 https://www.tanakacho.co.jp Webで購入可。
7、白(はく)「おはぎ」
1箱6個入り¥2,000
祇園の手みやげ専門店で手に入れる、品よくなめらかな、おはぎ。
手みやげのために用意された菓子や、小腹を満たす“むしやしない(軽めの食事)”はどれも、凛とした包装も魅力。和三盆で炊き上げたおはぎは、ぽってりと甘すぎない餡があとを引く。翌日まで日持ちするのも嬉しいところ。
京都府京都市東山区祇園町南側570‐210 TEL:075・532・0910 11:00~18:00 月曜、第2火曜休 https://haku.kyoto.jp 取り寄せ不可。
大和まこ 京都在住のライター、コーディネーター。朝おやつと称して甘い朝食を食べることも多々。終わりのない手みやげパトロールに励む。『&Premium』では「&Kyoto」を連載中。
※『anan』2022年11月9日号より。写真・福森クニヒロ 取材、文・大和まこ
(by anan編集部)