“発酵野菜”はキャベツやゆず、玉ねぎでも作ることができますが、こちらでは白菜で作るレシピを料理家の榎本美沙さんに教えていただきました。
基本の作り方
1 まな板と包丁を除菌。
野菜を切るまな板や包丁、発酵に使う保存袋や保存ビンは清潔に。ほかの菌が混ざることのないよう、あらかじめアルコールで消毒。
2 刻んだ野菜を粗塩でしっかり揉む。
野菜は千切りや薄切りなど、水分が出やすいようなるべく細かく刻む(水分量の多い白菜はざく切りでOK)。ジッパー付き保存袋に野菜と粗塩を入れ、全体から水が滲み出てくるようにしっかり揉み込む。
3 水分と防腐効果のある赤唐辛子を加える。
さらに乳酸菌が育つよう、最低限の水分と防腐効果のある赤唐辛子を加える。
4 常温で数日放置。
空気を抜いてバットにのせ、直射日光の当たらない場所に常温で数日おく。水が出にくい野菜は0.5~2kgほどの重石(塩袋やペットボトルなど)をのせる。発酵してぶくぶくと泡が立ってきたら保存ビンに移し冷蔵保存。
※気温が高いと早めに発酵するので、出来上がったらすぐに冷蔵庫で保存を。
発酵白菜
水分が豊富な白菜は1.5kgほどの重石をするだけで、自らから出る水分と塩で発酵。昆布を入れるとよりうま味が効いて◎。そのまま食べるのはもちろん、料理に少し加えるだけで、程よい酸味と風味が増しておいしさも倍増!
【材料】白菜…1/4個(500g)、粗塩…小さじ2、昆布…適宜、赤唐辛子(タネを除く)…1本 【発酵日数】3~4日 【風味】中華風 【保存期間】冷蔵で1~2週間
発酵白菜のみそ餃子
餃子の餡に発酵白菜を加えることでうま味が増し、みそに生姜などを加えた調味料には体のバリア機能を高める効果も。「そのままでもコチュジャンをつけてもおいしい」
【材料/2人分】
餃子の皮(大判)…12枚、豚ひき肉…100g、発酵白菜…90g、干し椎茸(水で戻しておく)…2枚、A[みそ…小さじ1 生姜(みじん切り)…1/2かけ分 ごま油…小さじ1]、サラダ油…大さじ1
【作り方】
(1)発酵白菜、干し椎茸は水気をよく絞って刻む。
(2)ボウルに豚ひき肉、Aを入れて練り混ぜ、肉に粘りが出たら(1)を加え混ぜる。餃子の皮で1/12量ずつ包む。
(3)フライパンにサラダ油を中火で熱し、一度火を止めて(2)を並べ入れる。再び中火にかけ、4~5分加熱し、焼き色がついたら水1/2カップを加え、蓋をして4分蒸し焼きにする。
(4)蓋を取って水気がほぼなくなるまで加熱し、ごま油適量(分量外)を回しかけてカリッとするまで焼き上げ、皿に盛る。
発酵白菜とぶりのごまじょうゆ丼
冬に旬を迎えるぶりを使ったアレンジ丼も発酵白菜パワーでよりヘルシーに。「発酵白菜の程よい酸味とごまの香ばしさがアクセントに。栄養価の高い鮮魚は積極的に取り入れて」
【材料/2人分】
雑穀ご飯…2膳分、ぶり(刺し身用)…100g、発酵白菜…50g、A[すりごま…大さじ1 しょうゆ、みりん(煮切る※)…各大さじ1/2 ごま油…小さじ1]、すだち…1個、スプラウト…適量
※みりんは耐熱皿に入れてラップをかけず、電子レンジ(600W)で20秒ほど加熱してアルコールを飛ばす。
【作り方】
(1)ぶりは薄切りにする。
(2)ボウルにAを混ぜ、(1)、発酵白菜を和える。
(3)器に盛った雑穀ご飯に(2)をのせ、横半分に切ったすだち、スプラウトを添える。
発酵白菜と豚肉のおかずサンラータン
寒い日は発酵白菜で風味豊かに仕上げたスープで温活。「発酵白菜の漬け汁も使えば、乳酸菌パワーもさらにアップ。アミノ酸やクエン酸を含む黒酢はダイエットにも期待大」
【材料/2人分】
発酵白菜…50g、豚こま肉…70g、溶き卵…1個分、水溶き片栗粉…片栗粉小さじ2、水小さじ4を混ぜる、A[発酵白菜の漬け汁…80ml 黒酢…大さじ2 しょうゆ、酒…各大さじ1 鶏ガラスープの素(顆粒)…小さじ1]、パクチー(ざく切り)、こしょう、ラー油…各適量
【作り方】
(1)鍋に水2カップを入れて中火にかけ、煮立ったら発酵白菜、豚肉、Aを加える。豚肉に火が通ったら、水溶き片栗粉を混ぜながら加えてとろみをつける。
(2)溶き卵を少しずつ回し加えてひと混ぜし、そのまま数秒おく。火を止め、器に盛り付け、パクチーをのせ、こしょう、ラー油をかける。
榎本美沙さん 料理家。発酵食品と旬の野菜を使ったヘルシーでシンプルなレシピを紹介するInstagram(@misa_enomoto)が話題に。『からだが整うひと晩発酵みそ』(主婦と生活社)が11/19発売。
※『anan』2021年11月24日号より。写真・馬場晶子 スタイリスト・荻野玲子 取材、文・小寺慶子 撮影協力・UTUWA
(by anan編集部)