“SDGs”とは貧困や飢餓など、世界が抱える問題を解決するために設定された国際的な目標のこと。この1~2年で急速に浸透し、チョコレートの世界でもその理念に基づいた取り組みが拡大中。食べることで作り手も自分も幸せになる。今回は、おいしく食べることで地球規模のムーブメントにも参画できる4ブランドをご紹介します。
豊かな森を彷彿させる、フルーティな生チョコ。
Dari K(ダリケー) カカオが香る生チョコレート
12粒入り¥2,500
インドネシア・スラウェシ島で現地の人々と共に良質なカカオを作り、その魅力を発信する『Dari K』。農園周辺で採れるライムなどの果実をカカオ豆の発酵時に加えたユニークな新作は、フルーツの香りが上品な生チョコレート。特製木箱入り。●京都本店/京都府京都市北区紫竹西高縄町72-2 新大宮商店街内 TEL:075・494・0525
自然な森林に近い環境で、カカオを育てる。
インドネシアのカカオ豆の可能性にいち早く注目し、サステナブルな取り組みを続けているブランド。その一環として、カカオの木の保護や農家の副収入の確保を目指して、果樹も植えて森のような環境を作る「アグロフォレストリー」を数年前から展開。そうした試みが今回のフルーツ発酵チョコレートを生む一助にも。
サステナブルなカカオの、コクと香りを閉じ込めて。
MAAHA CHOCOLATE(マーハ チョコレート)生ガトーショコラ
¥2,500
チョコレート愛が高じて単身でガーナに赴き、現地の魅力と課題を目にしたことから、良質なカカオ豆作りの支援を始めた田口愛さん。ひとりの大学生の行動がSNSで共感を呼び、商品化が実現したのがこちら。丁寧に作られたカカオのコクを、存分に堪能できる。西武池袋本店(1/16~2/14)で販売。●西武池袋本店 TEL:03・3981・0111(代)
誇りを持ってカカオ作りができる環境を目指して。
まずは農家の人たちに、自分たちが育てたカカオで作ったチョコレートの味わいを知ってもらうことから始めたという田口さん。豆のおいしさを左右する発酵法は日本の麹屋で学び、クラウドファンディングで支援を呼びかけるなど、さまざまな手段で道を拓く姿も話題に。現在は志を同じくする仲間と共に、活動をさらに加速中。https://mpraeso.jp/
100%ベトナム産の美味を、美しいクラフト紙に包んで。
MAROU(マルゥ)ジンジャー&ライムバリア69%
80g¥1,350
稀少なベトナム産のカカオで、さまざまなアイテムを展開する『マルゥ』。6つの地域で収穫されるカカオ豆だけでなくきび砂糖などほかの材料もベトナム産にこだわる。新作のこちらは、バリア地方のカカオ豆と、ジンジャー、ライムの爽やかな取り合わせ。ネネンプロヴィジョンズ TEL:06・6766・0009 https://marouchocolate.jp
カカオの特性に合わせた栽培法をきめ細かく模索。
ベトナムのカカオ豆の味わいに魅せられたフランス国籍の2人の男性が始めた、アジアのビーントゥバーチョコレートでは先駆け的な存在。発酵や栽培法を農家と共に模索しながら、地域ごとに異なるカカオ豆の味わいを生かしたチョコレートを作り続ける。伝統的な手法を用いてすべて手刷りしているという包装紙の美しさも必見!
知られざる固有種の魅力を、香り高いタブレットに濃縮。
ノエルベルデ パッハリート70%、アリバ チョネ70%、アリバ フラビオ アルファロ+マッチャヤブキタ
25g¥900~
エクアドルのカカオ豆に惚れ込んで現地に根を下ろす、高橋力榮さんが立ち上げたエシカルなブランドから、待望のタブレットがお目見え。「アリバ」をはじめとする希少な固有種を使ったシングルオリジンから、抹茶やミルクの芳香を絶妙に取り入れた一枚まで全9種。食べ比べて違いを楽しみたい。https://ecuadorchoco.thebase.in/
豆の買い取りだけでなく、すべての段階で農家をサポート。
「環境になるべく負担をかけず、稀少品種の素晴らしい味わいを多くの人に」との思いから、土作りから農家への啓蒙、豆の品質チェックや製品管理まで、多岐にわたりアドバイスを行う高橋さん。写真は生産性を高めるために、農家の人々にカカオの木の剪定方法を指導している様子。現在、循環型農法によるカカオ農園建設も進行中。
市川歩美さん チョコレートジャーナリスト、ショコラコーディネーター。チョコレートに関わる人・事を国内外で取材し、情報を常に発信。今回紹介したブランドの多くについても、リコメンドを寄せてくれた。
※紹介している商品は、掲載アドレス以外に直営ブティックやオンラインショップでも購入可能。ショップや施設の営業時間が変更になる場合があります。
※『anan』2021年1月20日号より。写真・中垣美沙 スタイリスト・荻野玲子 取材、文・新田草子
(by anan編集部)