「漢方の基本的な考え方の一つが“養生”です。養生とは“予防”のことで、普段から食生活や生活習慣で自己治癒力を高め、病気に強い体作りをして備えるということ。決して難しいものではありません」。そう教えてくれたのは、漢方専門店『ミドリ薬品 漢方堂』店主の櫻井大典さん。自称“ゆるゆる漢方家”の櫻井さんが、自身の著書やSNSで発信しているのが、食事から生命を養う“食養生”という考え方だ。
「たとえば『秋にこの食材を食べておくと不調を防げて、冬を快適に過ごせる』という具合に、食事によって健康な体質を目指すというのが、食養生の基本です。一方、『熱にはりんご』『冷えにはしょうが』など不調や症状に合わせて食事で治すことを“食療”といいます。“薬食同源”といって、漢方の生薬と食事に分け隔てはありません。ちょっと調子が悪いときに、キッチンにある食材で対処できれば、薬を飲む必要もなく一石二鳥というわけです」
料理に自信がなくても大丈夫。身近な食材を使い、しかも簡単に作れるレシピをご紹介!
“熱があるカゼ”は「りんごのすりおろし」で体を冷やす。
熱っぽい、喉が炎症を起こして痛みを感じるといった症状は、通称“赤いカゼ”といわれ、余分な熱の邪気=「熱邪」が原因とされている。そんな体の熱を取り除いて、潤いを生じさせる働きがある食材が、りんご。水分の代謝を促し、脾や胃の働きを整えて食欲を促してくれる働きもある。食べやすくするためにも、皮ごとすりおろすのがおすすめ。「カゼをひいたら葛根湯」と思っている人も多いけれど、実は赤いカゼのときは症状が悪化するのでご注意。
“寒気がするカゼのとき”は「しょうが湯」で体を温める。
中医学では、自然界に吹く風が「邪気」を連れてきて、体の中に入り込むと「カゼ」の症状があらわれるといわれている。ゾクゾクとした寒けを感じるのは、邪気のなかでも体の熱を奪う「寒邪」が体内に侵入した状態。これを改善するには、体を温める食材を摂るのが効果的。特に、生のしょうがには発汗を促して寒けを払い、胃腸を温める効果が。そのまますりおろしてお湯に入れて作る「しょうが湯」で、体を芯からポカポカに。
櫻井大典さん 北海道北見市の漢方専門店『ミドリ薬品 漢方堂』3代目。Twitter(@PandaKanpo)にて、毎日ゆるゆる健康情報を発信中。著書に『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』(小社刊)などがある。
※『anan』2019年10月16日号より。イラスト・小野寺光子 取材、文・瀬尾麻美
(by anan編集部)
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