フードライター・平野紗季子さんの「MY STANDARD GOURMET」。今回ご紹介するのは、『LIKE(ライク)』の多国籍料理です。
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レストランにおけるメニューは地図だから、はじめに一読すればなんとなくの全体像が掴める。はずなのに。白金台のライフスタイルショップ・BIOTOPの3階に3月にオープンしたレストラン『LIKE』は全然わけがわからない。担々麺おいしそーと思えば、パテドカンパーニュがあって、その下には白キムチ、デザートには豆花……ってまさかのカオス、古今東西の味覚が一堂に会しすぎなのだ。「これまでずっとフレンチをやってきたけど、その軸を生かした自由な料理をやってみたくなったんです」と語るオーナーシェフの原太一さん。代々木八幡の『PATH』や渋谷の『Bistro Rojiura』など、人気ビストロを手掛けてきた経歴が証明する料理は、確かな技術さえあればジャンルの枠を超えて冒険できることを教えてくれる。もちろん、多国籍とはいえ、おいしさへの責任感も強い。

「シメに食べたい」を目指した担々麺は、京都の七谷地鶏で取った澄んだ旨味のガラスープに、漢方やスパイスの香りを加え、タヒニソースでゴマの風味を纏わせ、パワフルなのに重くないを実現(さすがです)。そこへコブミカンの香るオリジナルカクテルを合わせたら口の中はたまらなくヘヴン。自由な料理に明るい酒。気負わず、縛られず、ただただ“好き”を肯定する態度が、楽しさに満ちた食体験を作っている。

ディナーメニューから、氷見自然豚の水餃子¥980、担々麺¥1,100、牡蠣のセビーチェ¥1,400、フィナンシェ¥300、恵比寿の『Bar TRENCH』が監修したオリジナルカクテル・カフィアライムミュール¥1,200。

LIKE 東京都港区白金台4-6-44 BIOTOP 3F TEL:03・5422・8183 11:30~23:00(ランチ11:30~14:00LO、カフェ14:00~18:00、ディナー18:00~22:00LO) 月曜、第2・第4日曜休

ひらの・さきこ 1991年生まれ。フードライター。著書にエッセイ集『生まれた時からアルデンテ』(平凡社)

※『anan』2019年5月15日より。写真・清水奈緒 取材、文・平野紗季子

(by anan編集部)

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見立ての甘さや準備不足などから壁にぶち当たる経験と、そんな自分の未熟さを省みるという意味の日です。何かに挑戦するというのは勇気のあることですが、周りから無謀だと止められるほどのことであれば、冷静になって考え直すのも大切なことです。日々実力をつけながら、味方を得たうえで改めて挑めばいいのですから。

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