フリルのドレスは機能性から生まれた? 本質を辿る展覧会。
プリーツ、ギャザー、タックなど、さまざまな表現で語られる衣服のひだ。ドレープやフリル、などと聞くと優雅なイメージだけど、実はこれらは機能的な理由から誕生したもの。そんなルーツを学べるのが本展だ。
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例えばチェコやルーマニアの民族衣装のように、寒い東欧では細かいひだがたっぷりの服がよく見られる。実はこれ、寄せたひだの凸凹が空気層を作り、防寒効果をもたらしている。ペティコートやエプロンを重ねるのも効率よく体温調節を行うためだ。一方で高温多湿地域では、サリーなどのように一枚布のひだが外気を通し、直射日光から肌を守る。
また、歴史的な絵画を見れば、王侯貴族の襞衿(ひだえり)やタックドレスなど、ひだが着る者のステイタスを表していることはよくわかる。大きな衿や揺れるドレープなど、ひだには豪華な生地や体のラインを強調したり、人の動作を優雅に見せる効果も。現代でいえばロリータ・ファッション愛好家も、お姫様のような華やかさに憧れている部分も多いかも。機能的にも歴史的にも影響力の高いひだ。その本質を本展で学んでみて。
- ウェディング・ドレス イギリス 1855年頃
- 女性用衣装 中国 苗族 1990年代
- ドレス イタリア フォルチュニイ 1910-20年代
- 腰巻衣:マフェル コンゴ民主共和国 20世紀
- 女性用衣装 チェコ 1970年
- スカート:ガガラ インド 19世紀後半
ひだ―機能性とエレガンス― 文化学園服飾博物館 東京都渋谷区代々木3-22-7 新宿文化クイントビル 開催中~2020年2月14日(金)10時~16時30分(1/24、2/7は~19時。入館は閉館の30分前まで) 日・祝日、12/27~1/5休 一般500円ほか TEL:03・3299・2387
※『anan』2019年1月1日-8日合併号より。文・山田貴美子
(by anan編集部)