
左からオム・ギジュンさん、福士蒼汰さん
世界的大ヒットとなった韓国映画『犯罪都市』シリーズ。その初のユニバース作品で、新宿歌舞伎町を舞台にした『TOKYO BURST-犯罪都市-』が間もなく公開になる。今作で、主人公たちの前に立ちはだかる最狂の犯罪集団のボス・村田蓮司を演じた福士蒼汰さんと、彼の右腕として暗躍するキム・フン役のオム・ギジュンさんのヴィランコンビに特別インタビュー。和気あいあいと行われたという撮影時の様子を振り返っていただきました。
── 写真撮影のとき、おふたりに“相棒感”があっていい空気感でした。福士さんは撮影現場では韓国語でコミュニケーションをされたとも聞きましたが、実際の現場はどんな雰囲気だったのでしょうか?
福士蒼汰(以下、福士) 今作は、韓国から参加した俳優さんもいらっしゃったので、拙い韓国語ではありますが、日々の現場で自分からコミュニケーションを取ることを心がけました。
── オム・ギジュンさんは、福士さんとのコミュニケーションで印象的だったことはありますか?
オム 「ここはこうしたらいいですよ」とか、「今から出発しますよ」とか、そういうことを韓国語で言ってくれたので、もう途中から通訳さんが近くにいなくても大丈夫になりました。
福士 「照明直したらそのまま本番行きます」や、“テストはなしです”「テストオプソヨ」など、現場の状況をなるべく伝えられるように、と思っていました。
── 福士さんは水上さんと、オム・ギジュンさんはユンホさんと対決するシーンも多かったと思いますが、ご一緒のシーンはいかがでしたか?
福士 僕は水上くんとのアクションシーンが多かったので、お互いに息が合うまで何度もアクションの練習を重ねました。水上くんも体を作ってきていましたし、アクションの感覚も僕とすごく合っていたので、とても心強かったです。言葉を交わすというよりかは、お芝居のなかで会話をしていた感覚です。
オム アクションの中でボールペンを使うシーンがあるんです。スタントさんとリハーサルをしたときには、すごく真面目な感じでやるのかなと思ってたんですけど、笑い合いながらやっていた記憶があります。このシーン、『ジョン・ウィック』みたいだねと、みんなで和気あいあい話しながら撮影していました。

── 歌舞伎町のシーンも迫力でしたが、撮影では、本物のお金をばらまいたそうですよね。
福士 夜中に新宿の駅前を封鎖して、三日連続で撮影をしました。約300人のエキストラさんがいるなかで、800万円のリアルなお札をばらまいたので、現場はとても緊張感がありました。撮影後にはエキストラの皆さんと協力して散らばったお札を集め、ほぼ回収することができました。
オム 実は、“ほぼ”というのも、誰かが持っていったということではなくて、ちぎれちゃったとかそういうことらしいです。そういう意味では、すべて回収されたと言えると思います。
── オム・ギジュンさんは、歌舞伎町でのシーンの撮影はいかがでしたか?
オム こんな撮影を実際の新宿で行うなんて、想像すらしたことなかったです。
── お互いに共演してみて、演技の面で新鮮に驚いたことはありましたか?
福士 オムさんは、お芝居に無駄な動きが全くないので、常に狂気を感じさせます。佇まいにもリアリティがあり、そこにいるだけで空気が変わるような存在感がありました。僕自身は、激しい動きが多かったのですが、オムさんの役は、本当にその場に立って生きているという感じで。役者として、とても勉強させていただきました。
オム 僕は福士さんのその体に負けましたね。僕は、俳優って、ひとつの顔ではなく、いろいろなイメージを持っている人がいいと思っているんですよ。この『TOKYO BURST-犯罪都市-』を撮ったのは去年なんですけど、その撮影が終わってから、今年Netflixで福士さんが出演されたドラマ「恋の通訳、できますか?」を観て、そこではまったく違うお顔を見せられていて、いい俳優さんだなと思いました。

── 今回の『TOKYO BURST-犯罪都市-』では、体作りも重要ですし、髪型や雰囲気、衣装などのビジュアル作りも重要だったんじゃないかと思います。特に、オム・ギジュンさんは、白シャツのシンプルさが目立っていたように思いますが、ビジュアル作りに関しては何か意識されましたか?
オム 僕は、実は白シャツにはそこまでこだわりはなかったんです(笑)。でも、監督の考えるスタイルがしっかりあるんだなという印象を受けました。例えば、福士さんが演じられた蓮司さんに関しては、ジャケットの選び方なんかも蓮司らしいものになっていました。僕が演じたキム・フンも、個人的にはタンクトップとかでもよかったのかなと思ったんですけど、確実に監督の中にはイメージがあったんですよね。結果それがよかったのではないかと思います。
福士 僕はタンクトップが多かったのですが、監督は白にとても強いこだわりがありました。白いタンクトップに血しぶきがつく画を大事にされていた印象があります。

── お話をうかがっていると、監督のイメージがあったからこそ、伝わるものが多かった気がしますね。お二人は、今回ヴィラン側を演じていらして、それぞれに「ヤバい」ところのあるキャラクターでした。演じてみていかがでしたか?
福士 僕は意識して変化をつけようとはせず、自然にただ蓮司として生きるということを意識しました。オムさんの演じたキム・フンの場合も、ただ生きているだけで。そんな二人は同じ目的があるから一緒にいるだけと考えて演じていました。
オム それぞれ立場が少し違うという感じでしたね。
── 役者として今回のようなヴィランを演じるというのはどのような心境でしたか?
福士 これまで悪役を演じさせていただくことがあまりなかったのですが、ヒーローも悪役も、その人が生きているということには変わりはないので、演じるうえで違いをつけることを意識しないようにしていました。けれど、映画の中では刺激的な存在にはならないといけないので、ヒーローを演じるときよりも、より派手にということは常に考えていました。
── オムさんの場合は、今まで悪役で印象に残る作品も多いですが、今作についてはいかがですか?
オム 映画でもそうですし日常でもそうなんですが、人は善悪ではっきり分かれているというよりは、それぞれの事情もあるでしょうし、出会う人によって見方が変わってくるということもあります。善と悪というものがはっきりと描かれる作品はありますが、どちらもただ同じ人間であるというふうに演じようと思っています。

Profile
福士蒼汰
ふくし・そうた 1993年5月30日生まれ、東京都出身。2011年に「仮面ライダーフォーゼ」の主演に抜擢される。NHK連続テレビ小説「あまちゃん」(2013)で大きな注目を集め、その他の出演作に『楓』(2025)、CX「東京P.D. 警視庁広報2係」(2026)、Netflix Korea「恋の通訳、できますか?」(2026)などがある。
オム・ギジュン
1976年3月23日生まれ、韓国出身。1995年に演劇『リチャード三世』で俳優デビュー。韓国ミュージカルや映画、ドラマで唯一無二の存在感を放つ。主な出演作に「被告人」(2017)、「ペントハウス」(2020〜2021)、「7人の脱出」(2023〜2024)など。
『TOKYO BURST-犯罪都市-』
Information
歌舞伎町で起こった集団強盗事件から、ヤクザとホストグループの抗争が勃発。そこにとある犯罪集団も加わり、新宿は混沌状態に陥ってしまう。元暴走族総長の新宿中央署新人刑事・相葉四郎と、犯罪集団を追って日本にやってきた韓国の刑事チェ・シウは、ぶつかり合いながらも相棒として捜査を進めていくが、その裏には巨大な権力の闇が渦巻いていた。
監督:内田英治 脚本:三嶋龍朗、内田英治
出演:水上恒司 ユンホ(東方神起)
渋川清彦 青柳翔 ヒコロヒー
長谷川慎 井内悠陽 木下暖日 とにかく明るい安村
霧島れいか 後藤剛範 ・ 上田竜也 ・ 菅原大吉 ソンハク
パク・ジファン 鶴見辰吾 ピエール瀧
オム・ギジュン 福士蒼汰
5月29日(金)より全国公開

























