
ホラー作家・背筋による小説『口に関するアンケート』が実写映画化。今作が実写映画単独初主演となる、板垣李光人さんにインタビュー。
背筋さん純度が100%であることに安心感を覚えた
手のひらサイズかつ60ページというボリュームが話題を呼んだ、大人気作家・背筋さんの不気味な小説『口に関するアンケート』が実写映画化されることに。ある大学生のグループが、心霊スポットとして知られる墓地に肝試しに行った翌日、一人の女子大生が姿を消してしまう。以来、彼らの周囲で不可解な現象が次々と起こり、次第に追い詰められていくことに…。主役の大学生・翔太を演じるのは、今作が実写映画単独初主演となる板垣李光人さんだ。
「原作を手に取った時のサイズ感と薄さにびっくりしました。30分かからずに読み終わり、文字の媒体であることを活かした作品であることに感動したのですが、だからこそ、映画化にあたり尺を含めどう映像化するのだろう? オリジナル要素が加わるのかな? と、いろいろ考えました。脚本が上がった後、清水崇監督やスタッフの方に、原作『口に関するアンケート』には出版されているものと、作者である背筋さんの頭の中にあるもう一つの物語があり、映画では後者も混ぜながら膨らませていくことを聞いて。背筋さん純度が100%であることに安心感を覚えたし、映画ならではの怖さも生まれそうだなと。実際、原作の読後感の悪さというか、つっかえるような感覚が、映画の観賞後にも味わえましたね。そして、映画館という逃げられない状況で、音楽や音の演出も加わった今作を観るという“嫌さ”は、映画だからこそ味わえるもの。原作と映画、それぞれでしか体験できない部分がある、いい形での実写化だなと感じています」
今作の要となるのが、作品の半分ほどを占める独白のシーン。
「監督やプロデューサーさんと目指す方向性をしっかりと共有して進めていきました。普通に感情を吐露するのではなく、呪いという外部からの干渉が存在した上での独白なので。自分の意思に反した感情や言葉が出てくるシーンの表現は、監督が提示してくれたイメージを見ながら掴んでいきました。通常とは違う状況だからこそ気合で進めていくようなところもあり、いつもの撮影の感じとは違って面白かったです」
清水監督は長年、ジャパニーズホラー界を牽引してきた存在だ。

Ⓒ2026映画「口に関するアンケート」製作委員会
「ユーモラスでおちゃめな方で、とても楽しい現場でした。作品がホラーなので、暗くなってしまうと、それはもう大変なので(笑)。綱(啓永)くんは初共演でしたが、本当に役の竜也みたいに明るくて、キャストのトークも回してくれました。吉川(愛)さんとご一緒するのは3回目。何も言わずとも意思疎通できる、信頼を寄せている方です。MOMONAさんも天然で面白くて。楽しい方ばかりが集まっていました」
自身も日頃からホラー映画を楽しんでいるという。
「ジャンプスケア系はあんまりですが、今作のようなヒトコワ系は結構観ます。ホラーと括っていいかわかりませんが、アリ・アスター監督作品は全部観ています。もし、今作が怖そうだと思って悩んでいる方は、原作を読んでから行くと、心構えができていいかもしれません。原作は情報量が少なく、考察や想像をして楽しむ作品でもあるので、映画を観てそこを補完していくのも面白いのかなと。もう一度観たくなる仕掛けも用意されています。そして、詳しくは言えませんが、セミが鳴いている時期に観てほしい。いい感じに嫌な気持ちになれると思います(笑)」

Profile
板垣李光人
いたがき・りひと 2002年生まれ。'25年に映画『八犬伝』『はたらく細胞』『陰陽師0』で第48回日本アカデミー賞新人俳優賞受賞。今月23日放送開始のドラマ『大空港~GATE24~』(テレビ朝日系、毎週木曜21時~)に出演。
information
『口に関するアンケート』
肝試しに行った大学生4人グループのうち1人が行方不明になる。あの夜、一体何が起きたのか? 不可解な証言から明らかになる真実と、絶対に人に話せない恐ろしい結末とは。
監督/清水崇 原作/背筋 全国公開中。
anan 2503号(2026年7月8日発売)より

































