
大ヒットアニメ『超かぐや姫!』を手掛けたスタッフにインタビュー! ツクヨミのキャラクターデザインを担当した、アニメーターのへちまさんに制作の裏側についてお聞きしました(画像:へちまさんが企画書用に監督に依頼され描いたヤチヨ)。
Profile
へちま
アニメーター。大学在学中からアニメーション制作を始め2016年からスタジオコロリドで作画監督などを務める。ライトノベルの挿絵や、ソーシャルゲーム、VTuberなどのキャラクターイラストも手掛ける。
映え感を意識してデザインを追求しました。
山下さんから「企画書に載せる絵を描いてほしい」と言われたのが始まりです。社内の会議用で、決まっているのは仮タイトルが「かぐや姫2.0」で、かぐや姫がベースということだけ。山下さんが描いたラフを下敷きに、一枚絵と全身のルックを描きました。「ギャル要素と和の要素を入れたい」と聞いて、着物を少し着崩して花魁風に。すでにライバーという設定はあったので、飾りなどをもりもりにさせました。

ツクヨミでのキャラクターイメージ。
本格的に企画が動き出してからは、現実世界のキャラクターデザインを永江(彰浩)さんが手掛け、私はツクヨミの担当になりました。かぐやは最初奇抜な髪型を探ったりもしましたが、最終的にサラサラストレートにウサギのような飾りをつけ、監督のこだわりでインナーカラーも追加しました。着物の柄は資料をいろいろ調べてパターン出しをしながら、現実的に動かせる線量と映えのバランスを追求しました。バトルやライブの衣装は線を減らして動きやすくしています。過去にVTuberをデザインする仕事をした経験から、バストアップになったときにデザイン的に寂しくならないように気をつけました。配信画面は大体バストアップですし、今作中でも顔に寄る画角は頻出するので、共通する要素かなと思いました。あと、全体的にコケティッシュな衣装にしないようにもしました。彼女たちは誰かに媚びる性格ではなかったし、そのぶんガーリーさを乃依に託したところもありますね。そういえばヤチヨの着物は最初白かったんです。でも山下さんから「黒くしたい」と言われて、私は特別な存在なら白かなと思ったし、ツクヨミが夜の世界なので黒は埋もれちゃうかなと思ったんですが、結果的に黒でよかったです。特に序盤はヤチヨがどんな存在かわからないのでミステリアスさも出て。
かぐやたちメインキャラは設定が豊富だったんですが、それ以外のキャラは結構ふわっとしていて、例えば雷は“アシンメトリー”というテーマしかなかったので自分なりに要素を追加したり。帝は「上裸」で、ラフではタトゥーがお腹とかにバリバリに入ってるキャラだったんですが、ボス的な威厳も欲しかったので露出感のバランスを調整して、最終的にタトゥーはオミットする形に。のちに「ray」の衣装で復活させられたのでよかったです。反対に少し鼠径部を出してみたんですが、際どかったので社内チェックが入りました。
規模が広がりすぎて自分でも事態を把握できていなかったんですが、劇場公開初日に新宿バルト9に行ったら席が埋まっていて、ようやく実感が湧きました。打ち上げでツインエンジンの社長が喜んでいるのを見たときも、こんなに素晴らしいことが起きたんだなって。参加できて本当に嬉しいです。
anan 2495号(2026年5月13日発売)より

























