
撮影:田中聖太郎
中島健人さんがソロとして7都市12公演で初の全国ツアー「KENTO NAKAJIMA 1st Tour 2025 “N / bias”巡」を開催。ソロ初となる台北での海外公演の発表があった7月17日(木)昼公演の東京・LINE CUBE SHIBUYAのステージの模様をレポートします。
昨年12月25日に1stアルバム『N / bias』でソロデビューした中島健人さん。今回のツアーでは、1月に開催されたソロライブに引き続き、アルバムの世界を日本全国を巡って届けるのがコンセプトだ。「最高のライブにしようぜ!」――。ロリポップのようなキラキラスティックを持って中島さんが登場すると1曲目は「CANDY~Can U be my BABY~(New Vocal Mix 2024)から。“LOVEケンティー”コールで1曲目からケンティーワールド全開だ。
夏の季節にぴったりなサマーチューン「Hey!! Summer Honey」など、3曲駆け抜けたところで、「『N / bias巡』へようこそ。皆さん、騒いでますか。今日を楽しみに待ってましたか? 今日を生きがいに今日まで頑張ってこられたという人。俺も同じです!」と早くも1回目のMCタイムへ。「今日と明日、もしかしたら声が出なくなっちゃうかもしれない。声を嗄らす覚悟でここに来てるのは、分かってんだけど、その答えでいい? 今日は汗かきに来たんでしょ? 爽やかな姿で帰さないぞ!」とU:nity(中島さんのファンネーム)に呼びかける。
「ここから俺のライブ、そして音楽、エンターテインメントを皆さんに届けていきたいと思います。皆さんにとって、自分の存在や自分を見る時間が力になってくれてたらいいなって常に思ってます。俺も人間だから、辛い気持ちになったり、悲しい気持ちになったりすることもある。もちろん、みんなもあるでしょ? いや、幸せだったらいいよ。でもさ、今日まで大変だったなんて人?」と会場に問いかけると、「はーい!」という声があちこちで上がる。
「でもさ、今日このライブに辿り着けてるわけだからさ、全部イコール幸せでよくない? 全部、笑ったもん勝ちでよくない? 辛いこと、楽しいこと、寂しいこと、全部ヒトゴトだから」とサラリと曲振りをして、「ヒトゴト」へ。

撮影:田中聖太郎
ここで2回目のMCタイム。全身全霊のダンスの後で激しく息を切らしながら床に横たわった姿で「盛り上がってるの?」と何度も確認。「今日、暑い。雨降ってる?」と会場に尋ね、「降ってない」という声があちこちから飛び交うと、「俺がいる場所は晴れるんで、そこのとこよろしく。喜びか、感動の涙なら流してみるよ。ソロでやってるとさ、お着替えの時間を設けることがなかなか困難でございまして、今からここで着替えるんで」とステージ上でお着替えタイムに突入。
着替え終わると、「ちゃんと暑さ感じてる? 俺、夏の悩みがあって。夏の仕事って汗止まんないのよ。でも、夏に一番やっていて、気持ちいいなって思えるのがライブ。U:nityも同じなんじゃないの。やっぱさ、みんなの熱さとか、パッションとか、他にはない気がしていて。その団結力、その圧倒的エネルギーのおかげ。すごくパワーを感じてるし、日々自分がライブをやる大きな理由は、U:nityだから感謝しています」と、まっすぐに感謝の想いを伝える。
そして、「渋谷といえば、このLINE CUBEまでの道のりで、もちろん俺のことを見かけた人、多かったんじゃないの? そう、渋谷スクランブルスクエアのビジョンに出てます、僕」と報告もしつつ、「昨日、解禁されました私の新曲『JUST KENTY☆』、皆さん、YouTubeでご覧になりましたか? まさか踊れたりする?」と目の前のファンに確認。
さらには「『JUST KENTY☆』、みんなでさ、広げたくない? 俺よりも一番星の君たちが『JUST KENTY☆』を輝かせる…。今日はさ、最近のU:nityから見る俺、俺から見る、U:nity。俺はもう本当に常日頃、みんなに支えてもらえてるなと思ってるけど、どう、俺カッコいい?」と尋ね、ファンからの「カッコいい」という声援に嬉しそうにニッコリスマイル。
そして、また渋谷スクランブルスクエアの自身が出演するCMビジョンの話に戻り、「ビビるよ。大谷翔平選手が出てきて、Snow Manの3人が出てきて…で、俺。チェックしてる方いらっしゃいます? 今ポップアップもね、展示されてるんで、行かれたって方? ぜひ写真を撮ってきて。俺も1回行きました。いっぱい写真を撮ったんで、今度その写真も載せようかなと思ってます」。
7月9日にリリースしたソロライブDVDが好評発売中のことにも触れてから、「いろいろ報告ごとがあるんです。『中島健人 映画の旅人』でフランスへ行きました。いや~、楽しかったなぁ、マジで。もう何着も服を持ってったもんね。30年前に1回、僕パリに行って、1歳の誕生日をパリで過ごしてるんですよ。家族と一緒に行った場所がありまして、そこで色々とエモーショナルなことをしてきたんで、今後インスタも楽しみにしてください。昨日、両親もライブに来たんですよ。パパティーが『お前、U:nityってすごいな』って言っててね。隣でママティーが『あなた、興奮しすぎよ』って(笑)。でもね、分かってんのよ。うちのママティーが一番元気でした」と、中島さんのファミリーの話も飛び出した。
MCで一息ついた後は、「みんなと一緒に、この渋谷でたくさんの思い出を作っていきたいと思うんですけど、どうですか、皆さん。今日最終日だからね。ちょっとやっぱり寂しいよね。俺も、今あるこの体の中にあるエネルギー、全力で皆さんにぶつけていこうと思うんだけど、みんなもぶつかってきてね?」とコール&レスポンス。
ここで、サングラスに黒ずくめのSP風の男性が登場し、料理がのったテーブルを運んでくる。クロッシュの中には、チーフマネージャーからの手作りの差し入れが。中身は、美味しそうなタコさんウインナーと卵焼き。中島さんが食べようとするとSPがそれを阻止。ブログ「Ken Tea Time」より出題する質問に答えて、ミッションをクリアしなければ、食べられないという。1問目は、2023年3月14日のハッピーホワイトデーin LAでアップした写真のポーズがハートか、ピースか。会場がピカレスクの銃口の色で答えに導くのをヒントにして中島さんが回答。「ホワイトデーだから、ハート」と選択して見事正解。続いて2023年3月4日ハッピーボニータDAYの写真から出題。犬の鼻のアップ写真を見て、中島さんの愛犬・ボニータの鼻はどっちか二択で選択し、またもや正解。ミッションをクリアして、タコさんウインナーをパクリ。「たっぷり愛情の味がしました!」とご満悦の表情を覗かせた。
そして嬉しいサプライズ発表が…。9月14日(日)に台北・Zeep New Taipeiにてソロ初の海外公演が決定。全国ツアーに引き続き、「N / bias」のタイトルを背負ったライブは現地での公演に加え、ファンクラブ限定のライブ配信も予定。「『N / bias 凱』というタイトルにしました。台北は今回で3回目。最初、ファンミーティングで行って、映画のお仕事で行って、その時にお客さんから温かいエールをいただいたので、凱旋という意味でこのタイトルを付けました。今のU:nityとの空間を世界中に自慢したいのよ。レベルアップして帰ってくるから待っててください」とサプライズ報告。
「セットリストも変わって、新たに台北でやるので、もし台北で会える方がいましたら、その時はぜひエンジョイしてください。インターナショナルにアプローチする時間も必要だなと思っていますので、発表できてよかったです。U:nityありがとう」とお礼を言うと、「おめでとう~」という祝福の声が会場に飛び交う。
「みんなもおめでとう」と微笑んでから、「今いろいろある中で、リラックスする時間も必要だと思うので。皆さんには僕と一緒にチルな時間を過ごしてもらいたいな、なんて思います」と、「Jasmine Tea」へ。ティーポットからティーカップにジャスミンティーを注ぎ、椅子に座ってリラックスして歌う中島さん。シャボン玉が飛び交う中、会場が巨大なカフェ空間に一変。ゆったりとしたチルな時間が流れた。
3回目のMCタイムでは、「素敵な最高のライブを分かち合うことができて、本当に嬉しいです。ありがとうございます。それにしても暑いね。みんな、暑くない? みんなと気持ちをひとつにできて嬉しいです。やっぱライブって、楽しいね。俺はね、いろんな頭の中でやりたいこと、考えていることがいっぱいあって。……バカなことを言っていい? 俺、すげーやつになりたいのよ。具体とかなくて、稚拙な表現かもしれないけどさ、俺たちすごいやつらになりたくない? すごくなりたい」とパッション全開でまっすぐな想いをぶつける。すると、「フゥー!!」と大きな賛同の叫びを上げる会場。
「U:nityってすごいんだねって思われてほしい。明確な言葉で自分の道しるべを決めるのもいいんだけど。夢を語っていい? 俺、絶対、東京ドームに行くから! 俺がみんなのことを連れていくって思っていたけど、みんなが俺を連れていってくれ!!」と呼びかける。中島さんの力になりたいと「イエーイ!」と会場が大きな声で返事をすると「みんなにとってのさ、No1.って誰? 俺にとってのNo.1はU:nityだから。この関係性は、もっと日本中に自慢したい」と、胸を張る。
「やっぱね、ドームなんだよなぁ。俺はね、ドームでみんなの『ピカレスク』の合唱を聞きたいんだよね。俺はドームで『Loveケンティー』を聞きたいんだよ。みんな、『ピカレスク』をドームで歌いたくない? Loveケンティーしたくない? ドーム行こうぜ。2年くらいで行くよ! だからさ、俺のチームになってくれ。U:nityがNo.1だってことを証明できる? チームになれるの?」と確認し、「イエーイ」という大きな返事が会場に響き渡ると、「それが聞けてよかった。ありがとう。去年は、いろんな言葉を投げかけられたけど、俺は正直もう闇は晴れたと思う。だからさ、これからはキレイな光を一緒に見に行こう」と怒涛のケンティー節を炸裂させ、最後の曲「ピカレスク」を最高潮にパワフルに披露した。

撮影:田中聖太郎
ラスト曲を終えても会場の熱は冷めやらず、アンコールへ。サングラスにデニムのカジュアルスタイルの衣裳で再び中島さんが登場。会場がひとつになって、「jealous」のフレーズを大合唱。ファンの声が息ぴったりで驚かされる。歌い終えると「俺、『jealous』を歌ってる時にごめん。一回視線がそれちゃったんだけど…。その理由を言っていい? 今日、俺の親友のSnow Manの岩本照が来てる。あそこにいます」と2階席を指さす。手を振る岩本さんに「あのLINEなんだよ~。スタンプだけで返事をしやがって(笑)。忙しくて来られないのかなと思ってた。そしたら、『jealous』を歌っている時にいるんだもん。こっそり来たな!!」と大喜び。「知ってる? 俺の親友なんです。俺のいろんな時を支えてくれた親友です。プロテイン飲むよ。何でいつもそんな強そうなの? ひーちゃんです、よろしく!!」とハイテンションで岩本さんを紹介する姿がチャーミングだ。
「愛に溢れている空間ですごくいい瞬間を過ごせてると思います。さらにもっともっとこの空間を熱いものにしたいんで、もうちょい全身の力を振り絞って最後、みんなでひとつになれる? いけんの?」とアンコール2曲目へ。歌ったのは、「Unite」。ファンへの愛を込めて中島さんが作詞を手掛け、人生で初めて振付した曲だ。掛け合うようなフレーズもあり、ひとつになってヒートアップする会場。そして、「ありったけの声、出せよ。明日からまた輝きたいだろ? 光を分かち合っていこうぜ」と、中島さんらしいあおりで、“ケンティーコール”を。
この日は、夜公演の残る1回を迎えた最終日ということで、Wアンコールも。「どうした、そんなに俺を呼んで」と愛おしそうにファンを見つめながら再び登場すると待望の「JUST KENTY☆」を披露。この曲は中島さんが作詞を務め、KENTYという自身の名前を入れ込んだキャッチ―な歌詞がポイント。アイドルにとっては、自分を応援してくれるあなたが一番輝く存在になっているというメッセージが込められている。この曲をアカペラでファンと大合唱をする場面もあった。
「今日は一生の思い出作れた? 『JUST KENTY☆』できましたか? 最後に俺に愛を叫べるの? 俺は覚悟を持ってこのステージをやってんだよ。みんなも覚悟を持ってこっちへ来いよ! 俺がお前たちの1番星になるから。お前らが俺の1番星になれよ!」と、火傷しそうなくらいホットな中島さん。去り際に手で五芒星を描いて、颯爽とステージを後にした。ファンに放つ愛に溢れた言葉やしぐさのひとつひとつが中島健人さんというアイドル性を体現していたステージ。ホールならではの近距離空間でファンと絆を確認しあって、無敵な空間をつくりあげた。ドームライブという夢を掲げ、ここから突き進む未来は、エネルギッシュなU:nityとなら愛に溢れたものになるに違いない。